MongoDB v4 で強化された ACID トランザクション
MongoDB v4 以前の ACID 非対応が意味するもの
SQL は ACID と呼ばれる特性を備えています。これは、データベース操作が以下の4つの条件を満たすことを意味します。
- 原子性 (Atomicity):操作はすべて単一の単位として実行され、部分的に実行されることはありません。
- 一貫性 (Consistency):操作は常にデータベースの整合性を保ちます。
- 孤立性 (Isolation):同時実行される操作は互いに影響を与えません。
- 耐久性 (Durability):コミットされた操作は永続的に保存されます。
一方、MongoDB v4 以前 は ACID に対応していませんでした。これは、以下のことを意味します。
- データの整合性が損なわれる可能性がありました。
- 同時実行される操作が互いに干渉する可能性がありました。
具体的には、以下の問題が発生する可能性がありました。
- 複数のユーザーが同時に同じデータを更新しようとした場合、データが矛盾する可能性がありました。
- 電源障害などの障害が発生した場合、データが失われる可能性がありました。
MongoDB v4 では、ACID への対応が強化されました。具体的には、以下の機能が追加されました。
- Multi-Document ACID Transactions: 複数のドキュメントを対象とした ACID トランザクションが実行できるようになりました。
- Write Concern: 書き込み操作のコミットタイミングを制御できるようになりました。
- Durability: データの耐久性を向上させる機能が追加されました。
これらの機能により、MongoDB v4 は従来のバージョンよりもデータの整合性と信頼性が向上しています。
- SQL は ACID に対応しており、データの整合性が保証されます。
- MongoDB v4 以前 は ACID に対応しておらず、データの整合性が損なわれる可能性がありました。
- MongoDB v4 では ACID への対応が強化され、データの整合性と信頼性が向上しています。
- ACID は、データベースの重要な特性ですが、常に必要なわけではありません。
- MongoDB は、ACID 以外にも多くの利点があります。
- データベースを選択する際には、要件に基づいて適切なものを選ぶ必要があります。
SQL
BEGIN TRANSACTION;
UPDATE users SET name = 'John Doe' WHERE id = 1;
UPDATE orders SET status = 'Shipped' WHERE id = 1;
COMMIT TRANSACTION;
このコードは、users
テーブルと orders
テーブルを同時に更新するトランザクションを表しています。トランザクションは BEGIN TRANSACTION
で開始し、COMMIT TRANSACTION
で終了します。
MongoDB
const session = await client.startSession();
session.startTransaction();
await usersCollection.updateOne({ _id: 1 }, { $set: { name: 'John Doe' } });
await ordersCollection.updateOne({ _id: 1 }, { $set: { status: 'Shipped' } });
session.commitTransaction();
このコードは、users
コレクションと orders
コレクションを同時に更新するトランザクションを表しています。トランザクションは session.startTransaction()
で開始し、session.commitTransaction()
で終了します。
注意: 上記のコードはあくまでサンプルであり、実際の使用例では要件に合わせて変更する必要があります。
ACID トランザクションの重要性
ACID トランザクションは、データの整合性を保つために重要です。特に、複数のユーザーが同時に同じデータを更新する場合、ACID トランザクションを使用することでデータの矛盾を防ぐことができます。
- SQL と MongoDB は、どちらも広く利用されているデータベースです。
- ACID トランザクションは、データの整合性を保つために重要です。
ACID トランザクションを実現する他の方法
ロック
ロックは、データへのアクセスを制御することで、ACID トランザクションを実現する方法です。
- 排他ロック: ロックを取得しているユーザーのみがデータにアクセスできます。
- 共有ロック: 複数のユーザーが同時にデータにアクセスできますが、データの変更はできません。
ロックを使用することで、データの矛盾を防ぐことができます。ただし、ロックを使用すると、データベースのパフォーマンスが低下する可能性があります。
楽観的ロック
楽観的ロックは、データのバージョン管理によって、ACID トランザクションを実現する方法です。
- データにはバージョン番号が付与されます。
- トランザクションが開始される前に、データのバージョン番号が読み込まれます。
- データのバージョン番号が一致する場合のみ、トランザクションがコミットされます。
楽観的ロックは、ロックを使用するよりもパフォーマンスが向上しますが、データの矛盾が発生する可能性があります。
多相コミット
- トランザクションは、コミットされる前にログに記録されます。
- すべてのトランザクションがログに記録されると、すべてのトランザクションが同時にコミットされます。
多相コミットは、データの整合性を保証できますが、複雑な実装が必要です。
どの方法を選択するべきか
どの方法を選択するべきかは、要件によって異なります。
- データの整合性が最も重要である場合は、ロックを使用するのが良いでしょう。
- 複雑なトランザクション処理が必要な場合は、多相コミットを使用するのが良いでしょう。
- ACID トランザクション を実現するには、いくつかの方法があります。
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