【保存版】SQLiteでレコードを識別する3つの方法:PRIMARY KEY vs サロゲートキー vs 自然キー
SQLite: PRIMARY KEY はデフォルトで昇順 (ASC) なのか?
SQLite における PRIMARY KEY
制約は、テーブル内のレコードを一意に識別するためのものです。しかし、PRIMARY KEY
制約を定義する際に、昇順 (ASC) や 降順 (DESC) などのソート順序を明示的に指定するオプションが存在します。
この疑問は、PRIMARY KEY 制約を定義する際に、ソート順序を明示的に指定しなくても、デフォルトで昇順 (ASC) になるのか という点にあります。
はい、PRIMARY KEY 制約はデフォルトで昇順 (ASC) に設定されます。
詳細
以下に、PRIMARY KEY 制約 のソート順序に関する補足事項 を示します。
- 複数の列で構成される PRIMARY KEY 制約 の場合、最初の列 のソート順序が適用されます。
- ORDER BY 句 を使用して、クエリ結果のソート順序を明示的に指定 することができます。
例
-- デフォルトで昇順 (ASC) の PRIMARY KEY 制約
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY,
name TEXT,
email TEXT
);
-- 明示的に昇順 (ASC) の PRIMARY KEY 制約
CREATE TABLE products (
id INTEGER PRIMARY KEY ASC,
name TEXT,
price REAL
);
-- 明示的に降順 (DESC) の PRIMARY KEY 制約
CREATE TABLE orders (
id INTEGER PRIMARY KEY DESC,
customer_id INTEGER,
order_date TEXT
);
-- デフォルトの昇順 (ASC) PRIMARY KEY 制約
CREATE TABLE customers (
customer_id INTEGER PRIMARY KEY,
name TEXT,
email TEXT
);
-- データ挿入
INSERT INTO customers (customer_id, name, email)
VALUES (1, 'Alice', '[email protected]'),
(2, 'Bob', '[email protected]'),
(3, 'Charlie', '[email protected]');
-- デフォルトの昇順 (ASC) で顧客 ID を基準にSELECT
SELECT * FROM customers;
-- 結果
customer_id | name | email
------- | -------- | --------
1 | Alice | alice@example.com
2 | Bob | bob@example.com
3 | Charlie | charlie@example.com
-- 明示的に昇順 (ASC) の PRIMARY KEY 制約
CREATE TABLE products (
product_id INTEGER PRIMARY KEY ASC,
name TEXT,
price REAL
);
-- データ挿入
INSERT INTO products (product_id, name, price)
VALUES (1, 'Laptop', 599.99),
(2, 'Phone', 399.99),
(3, 'Watch', 299.99);
-- 明示的に昇順 (ASC) で商品 ID を基準にSELECT
SELECT * FROM products;
-- 結果
product_id | name | price
------- | -------- | --------
1 | Laptop | 599.99
2 | Phone | 399.99
3 | Watch | 299.99
-- 明示的に降順 (DESC) の PRIMARY KEY 制約
CREATE TABLE orders (
order_id INTEGER PRIMARY KEY DESC,
customer_id INTEGER,
order_date TEXT
);
-- データ挿入
INSERT INTO orders (order_id, customer_id, order_date)
VALUES (1, 2, '2024-06-12'),
(2, 1, '2024-06-11'),
(3, 3, '2024-06-10');
-- 明示的に降順 (DESC) で注文 ID を基準にSELECT
SELECT * FROM orders;
-- 結果
order_id | customer_id | order_date
------- | -------- | --------
3 | 3 | 2024-06-10
2 | 1 | 2024-06-11
1 | 2 | 2024-06-12
customers テーブル:
customer_id
列をPRIMARY KEYとして定義し、デフォルトの昇順(ASC)でソートされます。- データとして、3人の顧客情報が挿入されます。
SELECT * FROM customers;
を実行すると、顧客ID順に顧客情報が表示されます。
このサンプルコードを通して、PRIMARY KEY制約のデフォルトのソート順序と、明示的にソート順序を指定する方法を理解することができます。
SQLite における PRIMARY KEY の代替方法
SQLite における PRIMARY KEY
制約は、テーブル内のレコードを一意に識別する重要な役割を担っています。しかし、状況によっては PRIMARY KEY
制約以外にも、レコードを識別する方法が存在します。
本記事では、PRIMARY KEY
制約の代替方法として以下の3つの方法について、それぞれの特徴と具体的な使用方法 を詳しく解説します。
サロゲートキー
概要
サロゲートキーは、テーブル内に独自に定義 される列または列の組み合わせであり、レコードを一意に識別 するために使用されます。一般的には、自動採番される整数値 (AUTOINCREMENT
属性を使用) で構成される列が用いられます。
特徴
PRIMARY KEY
制約と比べて、柔軟性 が高くなります。- 複数の列で構成することができ、複合的な条件 に基づいてレコードを識別することができます。
- 外部キーとの参照整合性を保ちやすいという利点があります。
使用方法
CREATE TABLE orders (
order_id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
customer_id INTEGER,
product_id INTEGER,
order_date TEXT
);
上記の例では、orders
テーブルに order_id
というサロゲートキー列を定義しています。この列は自動的に採番されるため、レコード挿入時に重複する心配がありません。
自然キー
自然キーは、実世界のエンティティを 識別するために自然に存在する属性 を用いたものです。例えば、顧客情報であれば customer_id
、商品情報であれば product_id
などが該当します。
- 他のシステムとのデータ連携において、レコードを容易に照合 することができます。
- 人間にとっても理解しやすい キーとなります。
CREATE TABLE customers (
customer_id TEXT PRIMARY KEY,
name TEXT,
email TEXT
);
上記の例では、customers
テーブルに customer_id
という自然キー列を定義しています。この列は顧客IDに対応しており、他のシステムとの連携においても容易に識別することができます。
複合ユニーク制約
複合ユニーク制約は、複数の列の組み合わせ を一意に識別 する制約です。PRIMARY KEY
制約と異なり、NULL 値 を含む組み合わせも許可することができます。
- 複数の属性に基づいて、レコードの重複を防ぐことができます。
CREATE TABLE orders (
customer_id INTEGER,
product_id INTEGER,
order_date TEXT,
UNIQUE (customer_id, product_id)
);
上記の例では、orders
テーブルに customer_id
と product_id
の組み合わせを一意に識別する複合ユニーク制約を定義しています。これにより、同じ顧客が同じ商品を複数回注文した場合でも、レコードの重複を防ぐことができます。
注意点
- サロゲートキー、自然キー、複合ユニーク制約のいずれを選択する場合も、テーブル設計 において慎重に検討する必要があります。
- 特に、自然キー を選択する場合は、値の一意性 を保証することが重要です。
- また、複合ユニーク制約 を使用する場合は、インデックス を作成することで、パフォーマンスを向上させることができます。
PRIMARY KEY
制約以外にも、SQLite におけるレコードの一意識別には様々な方法が存在します。それぞれの方法の特徴と使用方法を理解し、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
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