PostgreSQL 関数:複数列を1列にまとめるテクニック大公開!サンプルコードで徹底解説
PostgreSQL 関数で複数の列を単一の列として返す方法
複数の列を単一の列として返す方法
PostgreSQL で複数の列を単一の列として返すには、いくつかの方法があります。
文字列連結関数を使用する
最も単純な方法は、文字列連結関数 (例: CONCAT()
, CONCAT_WS()
) を使用して、複数の列の値を単一の文字列に連結することです。
SELECT CONCAT(first_name, ' ', last_name) AS full_name
FROM customers;
この例では、first_name
列と last_name
列の値を連結して、full_name
という新しい単一列を作成します。
ROW コンストラクタを使用する
別の方法は、ROW コンストラクタを使用して、複数の列の値を単一の行としてグループ化することです。
SELECT ROW(first_name, last_name, email) AS customer_info
FROM customers;
この例では、first_name
列、last_name
列、email
列の値を customer_info
という新しい単一列にグループ化します。 結果は、各顧客情報が 1 行のレコードとして表示されます。
サブクエリを使用する
より複雑な方法として、サブクエリを使用して、複数の列の値を処理してから、単一の列として返すことができます。
SELECT (
SELECT SUM(amount)
FROM orders
WHERE customer_id = c.customer_id
) AS total_spent
FROM customers AS c;
この例では、サブクエリを使用して、特定の顧客の注文の合計金額を計算し、total_spent
という新しい単一列として返します。
ユーザー定義関数を使用する
上記のいずれの方法でもニーズに合わない場合は、ユーザー定義関数を作成して、必要な処理を独自に実装することができます。
CREATE FUNCTION get_customer_fullname(customer_id INT)
RETURNS VARCHAR(255)
AS $$
SELECT CONCAT(first_name, ' ', last_name)
FROM customers
WHERE customer_id = $1;
$$ LANGUAGE plpgsql;
SELECT get_customer_fullname(customer_id) AS full_name
FROM customers;
この例では、get_customer_fullname
というユーザー定義関数を作成し、顧客 ID を受け取ってその顧客のフルネームを返します。
どの方法を選択するべきか
使用する方法は、要件と好みのスタイルによって異なります。
- より複雑な処理が必要な場合は、サブクエリまたはユーザー定義関数を使用する必要があります。
- シンプルでわかりやすい場合は、文字列連結関数または ROW コンストラクタを使用するのが良いでしょう。
- ユーザー定義関数を作成する場合は、パフォーマンスと可読性を考慮して慎重に設計する必要があります。
- 関数が複数の列を返す場合、結果セットの列名は、返される列の順序によって決まります。
CREATE OR REPLACE FUNCTION get_full_name(customer_id INT)
RETURNS VARCHAR(255)
AS $$
BEGIN
RETURN CONCAT(
(SELECT first_name FROM customers WHERE customer_id = $1),
' ',
(SELECT last_name FROM customers WHERE customer_id = $1)
);
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;
SELECT customer_id, get_full_name(customer_id) AS full_name
FROM customers;
この例では、get_full_name
というユーザー定義関数を作成します。 この関数は、顧客 ID を受け取って、その顧客のフルネームを返します。 関数は、CONCAT()
関数を使用して、first_name
列と last_name
列の値を連結します。
CREATE OR REPLACE FUNCTION get_customer_info(customer_id INT)
RETURNS ROW(first_name VARCHAR(255), last_name VARCHAR(255), email VARCHAR(255))
AS $$
BEGIN
RETURN ROW(
(SELECT first_name FROM customers WHERE customer_id = $1),
(SELECT last_name FROM customers WHERE customer_id = $1),
(SELECT email FROM customers WHERE customer_id = $1)
);
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;
SELECT customer_id, get_customer_info(customer_id) AS customer_info
FROM customers;
この例では、get_customer_info
というユーザー定義関数を作成します。 この関数は、顧客 ID を受け取って、その顧客の情報 (名前、苗字、メールアドレス) を返します。 関数は、ROW コンストラクタを使用して、これらの値を単一の行としてグループ化します。
SELECT customer_id, (
SELECT SUM(amount)
FROM orders
WHERE customer_id = c.customer_id
) AS total_spent
FROM customers AS c;
この例では、サブクエリを使用して、特定の顧客の注文の合計金額を計算します。 サブクエリは、customers
テーブルから各顧客のレコードをループし、対応する orders
テーブルのレコードの合計金額を計算します。 結果は、各顧客の ID と合計金額が 1 行のレコードとして表示されます。
CREATE OR REPLACE FUNCTION get_order_summary(order_id INT)
RETURNS TABLE(product_name VARCHAR(255), quantity INT, price NUMERIC(10,2))
AS $$
BEGIN
RETURN TABLE (
SELECT product_name, quantity, price
FROM order_items
WHERE order_id = $1
);
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;
SELECT order_id, get_order_summary(order_id) AS order_summary
FROM orders;
ARRAY
関数を使用して、複数の値を配列に変換してから、その配列を単一の列として返すことができます。
SELECT ARRAY(first_name, last_name) AS full_name_array
FROM customers;
JSON_AGG 関数を使用する
JSON_AGG
関数を使用して、複数の行のデータを JSON オブジェクトに変換してから、そのオブジェクトを単一の列として返すことができます。
SELECT JSON_AGG(ROW(first_name, last_name, email)) AS customer_data_json
FROM customers;
この例では、first_name
列、last_name
列、email
列の値を各行の JSON オブジェクトに変換し、それらのオブジェクトをすべて含む単一の JSON オブジェクトを customer_data_json
という新しい単一列として返します。
SELECT XML_AGG((ROW(first_name, last_name, email) AS customer_info)) AS customer_data_xml
FROM customers;
PostgreSQL 拡張モジュールを使用する
PostgreSQL には、PL/pgSQL 以外の言語で書かれた拡張モジュールが多数あります。 これらのモジュールの中には、複数の列を単一の列として返すために役立つ関数が含まれているものがあります。
例:
- hstore モジュールは、キーと値のペアの集合を格納するためのデータ型を提供します。
hstore_to_string()
関数を使用して、hstore オブジェクトを文字列に変換することができます。 - JSONB モジュールは、JSON データを処理するための追加機能を提供します。
jsonb_array_to_string()
関数を使用して、JSON 配列を文字列に変換することができます。
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