キリル文字の「е」と「ё」を大文字小文字混在で検索: MySQL/MariaDBで実現する方法
MySQL/MariaDBで「е」と「ё」を大文字小文字を区別せずに区別する照合順序
問題の中で挙げられている「е」と「ё」の区別は、ロシア語などのキリル文字を使用する言語で重要になります。これらの言語では、「е」と「ё」は異なる音声を表し、区別して扱われるべき文字です。
しかし、デフォルトの照合順序では、大文字と小文字を区別しないため、「е」と「ё」は同じ文字として扱われてしまいます。そこで、大文字小文字を区別せずに「е」と「ё」を区別するために、以下の2つの方法があります。
ロシア語照合順序を使用する
MySQLとMariaDBには、ロシア語を含むキリル文字言語用に設計された照合順序が用意されています。これらの照合順序を使用すると、「е」と「ё」は区別されます。
代表的なロシア語照合順序は以下の通りです。
utf8_unicode_ci
: 大文字と小文字、全角半角を区別せず、「е」と「ё」を区別します。
照合順序を変更するには、以下のいずれかの方法で行うことができます。
- CREATE TABLE ステートメントを使用する
CREATE TABLE your_table_name (
...
your_column_name VARCHAR(255) CHARACTER SET utf8 COLLATE utf8_russian_ci
...
);
ALTER TABLE your_table_name
MODIFY your_column_name VARCHAR(255) CHARACTER SET utf8 COLLATE utf8_russian_ci;
正規表現を使用する
照合順序を変更せずに、「е」と「ё」を区別する方法として、正規表現を使用する方法もあります。
例えば、以下のクエリは、your_column_name
カラムの中で「е」または「ё」を含む行をすべて取得します。
SELECT *
FROM your_table_name
WHERE your_column_name REGEXP '[ёе]';
正規表現を使用する方法は、照合順序を変更するよりも柔軟性がありますが、パフォーマンスの面では不利になる可能性があります。
どちらの方法を選択するかは、状況によって異なります。
- 偶発的にロシア語データが含まれることがある場合は、正規表現を使用する方が柔軟性があります。
- ロシア語データを頻繁に処理する場合は、ロシア語照合順序を使用する方が効率的です。
-- 新しいテーブルを作成し、ロシア語照合順序を使用する
CREATE TABLE your_table_name (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) CHARACTER SET utf8 COLLATE utf8_russian_ci
);
-- ロシア語データを挿入する
INSERT INTO your_table_name (name) VALUES
('Привет'),
('мир'),
('привет');
-- 'е' または 'ё' を含む行をすべて取得する
SELECT *
FROM your_table_name
WHERE name REGEXP '[ёе]';
id | name
----+--------
1 | Привет
3 | привет
-- ロシア語照合順序を使用しない既存のテーブルを使用する
CREATE TABLE your_table_name (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255)
);
-- ロシア語データを挿入する
INSERT INTO your_table_name (name) VALUES
('Привет'),
('мир'),
('привет');
-- 'е' または 'ё' を含む行をすべて取得する
SELECT *
FROM your_table_name
WHERE name REGEXP '[ёе]';
出力:
id | name
----+--------
1 | Привет
3 | привет
上記の例では、your_table_name
という名前のテーブルを作成し、ロシア語データを挿入しています。
- 正規表現を使用する場合は、
REGEXP
演算子を使用してname
カラムの中で「е」または「ё」を含む行をすべて取得します。 - ロシア語照合順序を使用する場合は、
CHARACTER SET utf8 COLLATE utf8_russian_ci
オプションをname
カラムに指定します。
他の方法
サブクエリを使用する
サブクエリを使用すると、既存の照合順序を変更せずに、「е」と「ё」を区別することができます。
SELECT *
FROM your_table_name
WHERE your_column_name IN (
SELECT your_column_name
FROM your_table_name
WHERE your_column_name REGEXP '[ёе]'
);
この方法は、正規表現を使用するよりも効率的ですが、クエリが複雑になる可能性があります。
ユーザー定義関数を使用する
ユーザー定義関数を使用すると、独自のロジックを使用して、「е」と「ё」を区別することができます。
例えば、以下の関数は、文字列を受け取り、「е」と「ё」を区別した文字列を返します。
CREATE FUNCTION distinguish_e_yo(input VARCHAR(255))
RETURNS VARCHAR(255)
BEGIN
DECLARE output VARCHAR(255);
SET output = REPLACE(input, 'е', 'ё');
RETURN output;
END;
この関数は、以下のクエリで使用することができます。
SELECT distinguish_e_yo(your_column_name)
FROM your_table_name;
ユーザー定義関数を使用する方法は、柔軟性がありますが、パフォーマンスの面では不利になる可能性があります。
アプリケーション側で処理する
アプリケーション側で処理を行う方法もあります。
function distinguishEYo($input) {
return str_replace('е', 'ё', $input);
}
このコードは、アプリケーション内で以下のようように使用することができます。
$result = distinguishEYo('Привет');
echo $result; // "Привёт"
アプリケーション側で処理を行う方法は、データベースに負荷をかけないという利点があります。
- 柔軟性が重要場合は、アプリケーション側で処理する方法が有効です。
- パフォーマンスが重要な場合は、ロシア語照合順序を使用する方法が有効です。
- 既存の照合順序を変更したくない場合は、サブクエリまたはユーザー定義関数を使用する方法が有効です。
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