Qt CreatorでMariaDB10と連携するRaspberry Pi 3アプリをクロスコンパイル:初心者でも安心のステップバイステップガイド

2024-06-08

MariaDB、Qt Creator、クロスコンパイルを用いたRPI3 (Stretch) 環境での開発

前提条件

  • 動作中のLinuxマシン (開発マシン)
  • Raspberry Pi 3 (Stretch) 環境
  • クロスコンパイラツールチェーン (例: arm-linux-gnueabihf-gcc)
  • Qt Creator

手順

  1. 開発マシンの準備

    • クロスコンパイラツールチェーンをインストールします。
    • Qt Creatorをインストールします。
  2. Raspberry Pi 3 環境の準備

    • Raspberry Pi 3 に MariaDB10 をインストールします。
    • 必要に応じて、開発に必要なライブラリやヘッダーファイルをインストールします。
  3. Qt Creator プロジェクトの設定

    • プロジェクトタイプとして "Qt Widgets Application" を選択します。
    • キットとして "Generic Linux Device" を選択します。
    • "QDBus" プラグインを有効にします。
  4. クロスコンパイル

    • プロジェクト設定で、クロスコンパイラツールチェーンのパスを設定します。
    • プロジェクトビルドを実行します。
  5. デプロイ

    • 生成されたバイナリファイルを Raspberry Pi 3 にコピーします。
    • Raspberry Pi 3 でバイナリファイルをを実行します。

詳細説明

クロスコンパイラツールチェーンは、Linuxディストリビューションのパッケージマネージャーからインストールできます。

例:Ubuntuの場合

sudo apt install arm-linux-gnueabihf-toolchain

Qt Creatorは、公式サイトからダウンロードできます。

MariaDB10のインストール方法は、https://raspberrytips.com/install-mariadb-raspberry-pi/ を参照してください。

Qt Creator で新しいプロジェクトを作成する際、プロジェクトタイプとして "Qt Widgets Application" を選択します。これは、GUIアプリケーション開発に適したプロジェクトタイプです。

キットとして "Generic Linux Device" を選択します。これは、Linuxデバイス向けのクロスコンパイルを行うためのキットです。

"QDBus" プラグインを有効にすることで、Qt Creator から MariaDB10 に接続できるようになります。

プロジェクト設定で、クロスコンパイラツールチェーンのパスを設定する必要があります。これは、Qt Creator がクロスコンパイラを使用してプロジェクトをビルドできるようにするためです。

プロジェクトビルドを実行することで、クロスコンパイラが使用されてバイナリファイルが生成されます。

生成されたバイナリファイルを Raspberry Pi 3 にコピーする必要があります。これは、scpコマンドなどのファイル転送ツールを使用して行うことができます。

例:scpコマンドの場合

scp myapp /path/to/raspberrypi3

トラブルシューティング

クロスコンパイルやデプロイに問題が発生した場合は、以下の点を確認してください。

  • クロスコンパイラツールチェーンのパスが正しく設定されていることを確認してください。
  • 生成されたバイナリファイルが Raspberry Pi 3 のアーキテクチャに適合していることを確認してください。
  • 必要に応じて、開発環境やデプロイ環境のログを確認してください。



    main.cpp

    #include <QCoreApplication>
    #include <QSqlDatabase>
    #include <QSqlQuery>
    
    int main(int argc, char *argv[]) {
      QCoreApplication a(argc, argv);
    
      // Connect to MariaDB database
      QSqlDatabase db = QSqlDatabase::addDatabase("QMYSQL");
      db.setHostName("localhost");
      db.setDatabaseName("test");
      db.setUsername("root");
      db.setPassword("password");
    
      // Check connection status
      if (!db.open()) {
        qDebug() << "Failed to connect to database:" << db.lastError();
        return 1;
      }
    
      // Create a table
      QSqlQuery query(db);
      query.exec("CREATE TABLE IF NOT EXISTS users (id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT, name VARCHAR(255) NOT NULL)");
    
      // Insert data into the table
      query.prepare("INSERT INTO users (name) VALUES (:name)");
      query.bindValue(":name", "John Doe");
      query.exec();
    
      // Select data from the table
      query.exec("SELECT * FROM users");
      while (query.next()) {
        qDebug() << query.value("id").toInt() << query.value("name").toString();
      }
    
      db.close();
    
      return 0;
    }
    

    CMakeLists.txt

    cmake_minimum_required(VERSION 3.13)
    
    project(myapp)
    
    set(CMAKE_TOOLCHAIN_FILE ${CMAKE_SOURCE_DIR}/toolchain.cmake)
    
    set(SOURCE_FILES main.cpp)
    
    target_link_libraries(myapp Qt5::Core Qt5::Sql)
    

    toolchain.cmake

    set(CMAKE_SYSTEM_NAME Linux)
    set(CMAKE_SYSTEM_PROCESSOR arm)
    set(CMAKE_SYSTEM_ARCHITECTURE arm-linux-gnueabihf)
    
    set(CMAKE_C_COMPILER arm-linux-gnueabihf-gcc)
    set(CMAKE_CXX_COMPILER arm-linux-gnueabihf-g++)
    
    set(CMAKE_FIND_LIBRARY_PATHS /usr/lib/arm-linux-gnueabihf)
    

    Build and run

    mkdir build
    cd build
    cmake ..
    make -j4
    ./myapp
    

    This code will create a simple Qt application that connects to a MariaDB database, inserts data into a table, and selects data from the table. To run the application, you will need to replace password with your MariaDB password.

    Note: This is just a basic example, and you will need to modify the code to fit your specific needs. For example, you may need to add more database operations, or you may need to change the UI of the application.

    I hope this helps!




    他のクロスコンパイル方法

    QMakeは、Qt Creatorで使用されているCMakeの前身となるツールです。QMakeを使用して、プロジェクトファイル (.pro) を生成し、そのファイルをmakeコマンドを使用してビルドすることができます。

    例:QMakeの場合

    qmake myapp.pro
    make
    ./myapp
    

    Qt Creatorを使用せずに、クロスコンパイラツールチェーンを直接使用してプロジェクトをビルドすることもできます。

    arm-linux-gnueabihf-g++ -o myapp main.cpp -lQt5Core -lQt5Sql
    ./myapp
    

    クロスコンパイル環境構築ツールを使用する

    CrossYab、Buildroot、Pokyなどのクロスコンパイル環境構築ツールを使用して、クロスコンパイル環境を構築することもできます。

    例:CrossYabの場合

    crossyab -t arm-linux-gnueabihf myapp
    ./myapp
    

    それぞれの方法の長所と短所

    方法長所短所
    Qt CreatorGUIによる設定が簡単設定が複雑になる場合がある
    QMakeシンプルで軽量CMakeほど機能が豊富ではない
    クロスコンパイラツールチェーンを直接使用する最も柔軟性が高い設定が複雑で、エラーが発生しやすい
    クロスコンパイル環境構築ツールクロスコンパイル環境を簡単に構築できる習得に時間がかかる

    最適な方法の選択

    使用する環境や開発者のスキルレベルによって、最適な方法は異なります。

    初心者の場合は、Qt Creatorを使用するのがおすすめです。GUIによる設定が簡単で、エラーが発生しにくいためです。

    ある程度経験がある場合は、QMakeやクロスコンパイラツールチェーンを直接使用する方が、より柔軟な開発が可能になります。

    クロスコンパイル環境構築ツールは、複雑なクロスコンパイル環境を構築する必要がある場合に便利です。

    クロスコンパイルは、異なるアーキテクチャの環境で開発を行うための強力なツールです。上記のさまざまな方法を理解することで、自分のニーズに合った方法を選択することができます。


      mariadb qt-creator cross-compiling


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