MariaDBで結合更新を効率化!INNER JOIN vs サブクエリ vs UPDATE FROM SELECT徹底比較
SQL、MariaDBにおけるINNER JOINを用いた特定行の更新
このチュートリアルでは、MariaDBにおいてINNER JOINを用いて特定行の更新を行う方法について解説します。
シナリオ
複数のテーブルからデータを結合し、その結果に基づいて特定行を更新するシナリオを想定します。
例
従業員情報と所属部署情報を保持する2つのテーブルがあるとします。この場合、ある従業員の所属部署を更新したい場合があります。
手順
- JOIN条件を定義する
まず、JOIN条件を定義する必要があります。これは、結合する両方のテーブルの共通列を指定することで行います。
INNER JOIN 部署情報 ON 従業員情報.部署ID = 部署情報.部署ID
- 更新対象行を特定する
次に、更新対象行を特定する必要があります。これは、WHERE句を使用して行います。
WHERE 従業員ID = 123
- 更新値を指定する
SET 部署ID = 456
完全なSQL文
上記の例を組み合わせると、以下のSQL文になります。
UPDATE 従業員情報
INNER JOIN 部署情報 ON 従業員情報.部署ID = 部署情報.部署ID
SET 従業員情報.部署ID = 456
WHERE 従業員ID = 123;
- 上記の例では、更新対象行を1行に制限しています。複数行を更新したい場合は、WHERE句の条件を変更する必要があります。
- JOIN条件以外にも、ON句を使用して結合条件を指定することができます。
- SET句では、複数の列を同時に更新することができます。
-- 顧客テーブル
CREATE TABLE customers (
customer_id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL
);
-- 注文テーブル
CREATE TABLE orders (
order_id INT PRIMARY KEY,
customer_id INT NOT NULL,
status VARCHAR(255) NOT NULL,
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
-- データ挿入
INSERT INTO customers (customer_id, name) VALUES (1, '田中 太郎');
INSERT INTO customers (customer_id, name) VALUES (2, '佐藤 花子');
INSERT INTO orders (order_id, customer_id, status) VALUES (1, 1, '未処理');
INSERT INTO orders (order_id, customer_id, status) VALUES (2, 2, '処理中');
INSERT INTO orders (order_id, customer_id, status) VALUES (3, 1, '完了');
-- 特定顧客の注文ステータスを更新
UPDATE orders
INNER JOIN customers ON orders.customer_id = customers.customer_id
SET orders.status = '発送済み'
WHERE customers.name = '田中 太郎';
-- 更新結果の確認
SELECT * FROM orders;
解説
顧客テーブルと注文テーブルを作成
まず、顧客情報と注文情報を格納する2つのテーブルを作成します。
データ挿入
特定顧客の注文ステータスを更新
UPDATE
ステートメントを使用して、顧客名「田中 太郎」の注文ステータスを「発送済み」に更新します。INNER JOIN
句を使用して、顧客テーブルと注文テーブルを結合します。WHERE
句を使用して、更新対象の顧客を特定します。SET
句を使用して、更新値を指定します。
更新結果を確認
ポイント
SET
句を使用して、更新する列と値を指定することができます。
INNER JOIN以外の代替方法
前述の方法以外にも、MariaDBで特定行を更新する方法はいくつかあります。以下では、状況に応じて役立つ2つの代替方法を紹介します。
サブクエリを用いた更新
サブクエリを用いた方法は、より複雑な更新処理に適しています。
UPDATE 従業員情報
SET 部署ID = (
SELECT 部署ID
FROM 部署情報
WHERE 部署名 = '営業部'
)
WHERE 従業員ID = 123;
説明
- サブクエリを使用して、更新対象の部署IDを取得します。
- サブクエリは、
WHERE
句を使用して条件を絞り込みます。 - 取得した部署IDを、メインクエリの
SET
句で更新値として使用します。
利点
- より複雑な更新処理に柔軟に対応できます。
- 結合よりも効率的に処理できる場合があります。
欠点
- サブクエリは、読みづらく理解しにくい場合があります。
- 結合よりも多くのリソースを必要とする場合があります。
UPDATE ... FROM ... SELECT 文を用いた更新
UPDATE ... FROM ... SELECT
文は、結合とサブクエリを組み合わせたような構文です。
UPDATE 従業員情報 e
FROM 従業員情報 e
INNER JOIN 部署情報 d ON e.部署ID = d.部署ID
SET e.部署ID = d.部署ID
WHERE d.部署名 = '営業部';
FROM
句で結合対象のテーブルを指定します。SELECT
句で更新対象の列と更新値を指定します。WHERE
句で更新対象行を特定します。
- 結合とサブクエリの利点を組み合わせることができます。
- コードが読みやすく、理解しやすい場合があります。
- サポートしていないデータベースエンジンがある場合があります。
状況に応じて、適切な方法を選択することが重要です。
- シンプルな更新処理:
UPDATE ... JOIN ... SET
- 複雑な更新処理: サブクエリを用いた更新
- 読みやすさや理解しやすさ重視:
UPDATE ... FROM ... SELECT
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