MariaDBにおける`GROUP BY`と`WHERE`でカウント数が異なる理由

2024-07-27

MariaDBにおける GROUP BYWHERE を用いたカウント数の違い:詳細解説

MariaDBで集計を行う際、GROUP BYWHERE 句はどちらもレコードをグループ化し、集計値を算出するために使用できます。しかし、場合によっては異なる結果を返すことがあります。この違いを理解することは、正確な分析結果を得るために重要です。

GROUP BY と WHERE の基本的な動作

  • WHERE は、条件に合致するレコードのみを選択し、その後に集計処理を行います。
  • GROUP BY は、指定した列に基づいてレコードをグループ化します。各グループに対して、集計関数 (COUNT、SUM、AVG など) を適用して結果を算出します。

カウント数の違い

GROUP BYWHERE でカウント数が異なる理由は、以下の2つが挙げられます。

1 句の処理順序

MariaDBでは、一般的に WHERE 句よりも先に GROUP BY 句が処理されます。つまり、WHERE 句で条件を絞り込む前に、レコードがグループ化されてしまいます。

例:

SELECT product_id, COUNT(*) AS product_count
FROM orders
GROUP BY product_id;

このクエリは、すべての注文に対して、商品IDごとの注文数をカウントします。しかし、以下のように WHERE 句を追加すると、結果は異なってきます。

SELECT product_id, COUNT(*) AS product_count
FROM orders
WHERE order_status = 'shipped'
GROUP BY product_id;

このクエリでは、shipped ステータスの注文のみを対象に、商品IDごとの注文数をカウントします。GROUP BY 句が先に処理されるため、WHERE 句で除外されるレコードもグループ化されてしまうことに注意が必要です。

2 集計対象のカラム

GROUP BY 句で指定した列のみがカウントの対象となります。一方、WHERE 句はカウントに影響を与えません。

SELECT customer_id, COUNT(order_id) AS order_count
FROM orders
GROUP BY customer_id;

このクエリは、顧客IDごとの注文数をカウントします。しかし、以下のように order_status 列を追加しても、結果は同じです。

SELECT customer_id, COUNT(order_id) AS order_count
FROM orders
WHERE order_status = 'shipped'
GROUP BY customer_id;

これは、GROUP BY 句で指定しているのは customer_id 列のみであり、order_status 列はカウントの対象ではないためです。

  • 正確な分析結果を得るためには、それぞれの句の挙動を理解し、適切に使い分けることが重要です。
  • カウント数の違いは、句の処理順序と集計対象のカラムによって生じます。
  • GROUP BYWHERE は、集計処理において異なる役割を果たします。
  • 集計関数は、COUNT 以外にも SUMAVGMINMAX などがあります。
  • HAVING 句は、GROUP BY 句でグループ化した後に条件を絞り込むために使用できます。



以下のテーブル orders を想定します。

CREATE TABLE orders (
  order_id INT PRIMARY KEY,
  customer_id INT,
  product_id INT,
  order_status VARCHAR(255),
  order_date DATE
);

このテーブルには、注文情報が格納されています。各列の意味は以下の通りです。

  • order_date: 注文日
  • order_status: 注文ステータス
  • product_id: 商品ID
  • customer_id: 顧客ID
  • order_id: 注文ID

GROUP BY によるカウント

以下のクエリは、すべての注文に対して、商品IDごとの注文数をカウントします。

SELECT product_id, COUNT(*) AS product_count
FROM orders
GROUP BY product_id;

このクエリを実行すると、以下の結果が得られます。

product_id | product_count
---------+--------------
1         | 10
2         | 15
3         | 8

WHERE によるカウント

以下のクエリは、shipped ステータスの注文のみを対象に、商品IDごとの注文数をカウントします。

SELECT product_id, COUNT(*) AS product_count
FROM orders
WHERE order_status = 'shipped'
GROUP BY product_id;
product_id | product_count
---------+--------------
1         | 8
2         | 12
3         | 6

比較

上記の2つのクエリ結果を比較すると、WHERE 句で条件を絞り込むことで、カウント数が変化していることがわかります。これは、GROUP BY 句が先に処理されるため、WHERE 句で除外されるレコードもグループ化されてしまうためです。




SELECT product_id, (
  SELECT COUNT(*)
  FROM orders
  WHERE order_status = 'shipped'
  AND product_id = o.product_id
) AS product_count
FROM orders o
GROUP BY product_id;

このクエリは、まず WHERE 句で shipped ステータスの注文のみを抽出します。その後、サブクエリを使用して、抽出された注文の中から各商品IDごとの注文数をカウントします。最後に、GROUP BY 句で商品IDごとにグループ化し、カウント結果を表示します。

ウィンドウ関数

MariaDB 10.2以降では、ウィンドウ関数を使用してカウントを行うことができます。ウィンドウ関数は、特定の行範囲 (ウィンドウ) を対象に集計処理を行うことができます。

SELECT product_id,
  COUNT(*) OVER (PARTITION BY product_id) AS product_count
FROM orders;

このクエリは、PARTITION BY product_id 句で商品IDごとにウィンドウを定義します。その後、COUNT(*) ウィンドウ関数を使用して、各ウィンドウ内でのカウント結果を算出します。

集計関数

COUNT 以外にも、SUMAVGMINMAX などの集計関数を使用してカウントを行うことができます。

SELECT product_id, SUM(1) AS product_count
FROM orders
GROUP BY product_id;

このクエリは、各商品IDごとに 1 を合計することで、注文数をカウントします。

結合

複数のテーブルを結合してカウントを行う方法もあります。

SELECT o.product_id, COUNT(*) AS product_count
FROM orders o
JOIN order_details d ON o.order_id = d.order_id
GROUP BY o.product_id;

このクエリは、orders テーブルと order_details テーブルを order_id 列で結合し、各商品IDごとの注文数をカウントします。


mariadb



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