【MySQL初心者必見】ON DUPLICATE KEYとLAST_INSERT_IDの使い方をわかりやすく解説!
MySQLにおけるON DUPLICATE KEYとLAST_INSERT_IDのしくみとプログラミング解説
MySQLのINSERT ... ON DUPLICATE KEY
構文は、レコードの挿入を試行した際に、主キーの重複が発生した場合の処理を指定するために使用されます。この構文と併用されるLAST_INSERT_ID()
関数は、最後に挿入または更新されたレコードのIDを取得するために使用されます。
ON DUPLICATE KEYの概要
ON DUPLICATE KEY
句は、INSERT
ステートメント内に記述され、主キーが重複した場合の動作を決定します。以下の2つのオプションが用意されています。
- UPDATE: 重複レコードが存在する場合、そのレコードの値を更新します。
- IGNORE: 重複レコードが存在する場合、何もしません。
LAST_INSERT_ID()関数の役割
LAST_INSERT_ID()
関数は、最後に挿入または更新されたレコードのIDを取得します。これは、INSERT
またはUPDATE
ステートメントを実行した後に使用されます。
ON DUPLICATE KEYとLAST_INSERT_ID()の併用
ON DUPLICATE KEY
とLAST_INSERT_ID()
関数は、重複レコードの処理とID取得を組み合わせるために使用できます。具体的には、以下の2つのシナリオが考えられます。
シナリオ1:重複レコードの更新とID取得
このシナリオでは、ON DUPLICATE KEY UPDATE
を使用して重複レコードを更新し、LAST_INSERT_ID()
関数を使用して更新されたレコードのIDを取得します。
INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('Taro Yamada', '[email protected]')
ON DUPLICATE KEY UPDATE
email = '[email protected]';
SELECT LAST_INSERT_ID();
上記の例では、users
テーブルにレコードを挿入しようとします。もしname
とemail
の組み合わせが既に存在する場合、email
列の値が更新されます。その後、LAST_INSERT_ID()
関数を使用して、更新されたレコードのIDを取得します。
INSERT INTO orders (customer_id, product_id, quantity)
VALUES (123, 456, 10)
ON DUPLICATE KEY IGNORE;
SELECT LAST_INSERT_ID();
上記の例では、orders
テーブルにレコードを挿入しようとします。もしcustomer_id
とproduct_id
の組み合わせが既に存在する場合、レコードは挿入されず、LAST_INSERT_ID()
関数は0を返します。一方、レコードが新規に挿入された場合、LAST_INSERT_ID()
関数は挿入されたレコードのIDを返します。
補足事項
LAST_INSERT_ID()
関数は、スレッド単位で管理されます。つまり、複数のスレッドが同時にINSERT
またはUPDATE
ステートメントを実行した場合、最後に実行されたステートメントのIDのみが取得されます。LAST_INSERT_ID()
関数は、トランザクション内でのみ有効です。トランザクションがロールバックされた場合、LAST_INSERT_ID()
関数は0を返します。
ON DUPLICATE KEY
とLAST_INSERT_ID()
関数は、重複レコードの処理とID取得を柔軟に行うために役立つ機能です。これらの機能を理解することで、より効率的で正確なMySQLアプリケーション開発が可能になります。
このシナリオでは、users
テーブルにレコードを挿入または更新し、LAST_INSERT_ID()
関数を使用してIDを取得します。
CREATE TABLE users (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
email VARCHAR(255) UNIQUE NOT NULL
);
INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('Taro Yamada', '[email protected]')
ON DUPLICATE KEY UPDATE
email = '[email protected]';
SELECT LAST_INSERT_ID();
説明
users
テーブルを作成します。このテーブルには、id
、name
、email
の3つの列があります。id
列は主キーであり、自動的にインクリメントされます。email
列はユニーク制約が設定されています。INSERT
ステートメントを使用して、Taro Yamada
という名前と[email protected]
というメールアドレスを持つレコードをusers
テーブルに挿入しようとします。ON DUPLICATE KEY UPDATE
句を使用して、主キーが重複した場合の処理を指定します。- 重複レコードが存在する場合、
email
列の値が[email protected]
に更新されます。 LAST_INSERT_ID()
関数を使用して、更新されたレコードのIDを取得します。
実行結果
上記コードを実行すると、以下の結果が出力されます。
1
これは、users
テーブルに1レコードが更新されたことを意味します。また、LAST_INSERT_ID()
関数は1を返します。これは、更新されたレコードのIDが1であることを意味します。
CREATE TABLE orders (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
customer_id INT NOT NULL,
product_id INT NOT NULL,
quantity INT NOT NULL
);
INSERT INTO orders (customer_id, product_id, quantity)
VALUES (123, 456, 10)
ON DUPLICATE KEY IGNORE;
SELECT LAST_INSERT_ID();
orders
テーブルを作成します。このテーブルには、id
、customer_id
、product_id
、quantity
の4つの列があります。INSERT
ステートメントを使用して、customer_id
が123、product_id
が456、quantity
が10であるレコードをorders
テーブルに挿入しようとします。- 重複レコードが存在する場合、レコードは挿入されず、
LAST_INSERT_ID()
関数は0を返します。 - 一方、レコードが新規に挿入された場合、
LAST_INSERT_ID()
関数は挿入されたレコードのIDを返します。
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ON DUPLICATE KEYとLAST_INSERT_ID()以外の代替方法
INSERT ... SELECT
ステートメントは、別のテーブルからデータを抽出して挿入する際に有効です。このステートメントを使用すると、重複レコードの処理を個別に記述する必要がなく、コードを簡潔に記述できます。
利点
- コードが簡潔になる
- 重複レコードの処理を個別に記述する必要がない
欠点
ON DUPLICATE KEY
と比べて処理速度が遅くなる場合がある
例
INSERT INTO orders (customer_id, product_id, quantity)
SELECT customer_id, product_id, quantity
FROM order_details;
トリガーの使用
トリガーは、特定のイベントが発生したときに自動的に実行される一連のSQLステートメントです。トリガーを使用すると、重複レコードの検出と処理を柔軟にカスタマイズできます。
- 重複レコードの検出と処理を柔軟にカスタマイズできる
- トリガーの管理が煩雑になる
CREATE TRIGGER orders_before_insert
BEFORE INSERT ON orders
FOR EACH ROW
BEGIN
IF EXISTS (
SELECT 1
FROM orders
WHERE customer_id = NEW.customer_id AND product_id = NEW.product_id
) THEN
SIGNAL SQLSTATE '45000' SET MESSAGE_TEXT = 'Duplicate order';
END IF;
END;
独自のロジックを実装することで、ON DUPLICATE KEY
とLAST_INSERT_ID()
に依存せずに、重複レコードの処理とID取得を行うことができます。
- 完全な制御が可能
- 複雑な処理にも対応できる
- テストとデバッグが難しくなる
INSERT INTO orders (customer_id, product_id, quantity)
VALUES (123, 456, 10);
SELECT id
FROM orders
WHERE customer_id = 123 AND product_id = 456
ORDER BY id DESC
LIMIT 1;
最適な方法の選択
どの方法が最適かは、具体的な状況によって異なります。以下の点を考慮して、最適な方法を選択してください。
- 処理の複雑さ
- 処理速度
- コードの簡潔性
- メンテナンス性
mysql insert-id