データベーススキーマの変更も怖くない! Alembicで安全かつスムーズなマイグレーションを実現

2024-05-24

SQLAlchemy + Alembic: スキーマ移行の作成

SQLAlchemyとAlembicは、PythonでWebアプリケーション開発においてよく使用されるライブラリです。SQLAlchemyは、オブジェクト関係マッピング(ORM)を使用して、データベースとのやり取りを簡素化します。Alembicは、データベーススキーマの変更を管理および自動化するためのツールです。

このチュートリアルでは、SQLAlchemyとAlembicを使用して、データベーススキーマの移行を作成する方法を説明します。

前提知識

このチュートリアルを理解するには、以下の知識が必要です。

  • Python
  • 基本的なSQL
  • SQLAlchemyの基本的な概念

手順

  1. プロジェクトの初期化

    まず、プロジェクトに必要なライブラリをインストールする必要があります。

    pip install sqlalchemy alembic flask-migrate
    
  2. Alembicを使用して、スキーマの移行を管理するためのリポジトリを作成します。

    alembic init
    

    このコマンドを実行すると、migrationsというディレクトリが作成されます。このディレクトリには、すべてのスキーマ移行ファイルが格納されます。

  3. 最初の移行ファイルを作成するには、以下のコマンドを実行します。

    alembic revision --message "Initial migration"
    

    このコマンドを実行すると、migrationsディレクトリに新しいファイルが作成されます。このファイルには、現在のスキーマの状態と、新しいスキーマの状態との違いを記述する Python コードが含まれています。

  4. スキーマを変更するには、models.pyファイルで SQLAlchemy モデルを編集します。モデルを編集したら、Alembicにスキーマの変更を検出させる必要があります。

    alembic upgrade head
    

    このコマンドを実行すると、Alembicはデータベースに最新のスキーマを適用します。

補足

  • Alembicには、スキーマの変更を元に戻すためのコマンドも用意されています。
  • Alembicは、より複雑なスキーマ移行を処理するために使用できる多くの機能を提供しています。詳細については、Alembicのドキュメントを参照してください。

以下の例は、シンプルなユーザーテーブルを作成し、その後そのテーブルに新しい列を追加する方法を示しています。

models.py

from sqlalchemy import Column, Integer, String
from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base

Base = declarative_base()


class User(Base):
    __tablename__ = 'users'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    name = Column(String(255))

# 新しい列を追加
email = Column(String(255))

alembic/versions/2024_05_23_145100_add_email_column.py

import sqlalchemy as sa

from alembic import op


# 既存のテーブルを変更
op.add_column('users', sa.Column('email', sa.String(255)))

実行

alembic upgrade head

このチュートリアルは、SQLAlchemyとAlembicを使用してスキーマ移行を作成する方法の簡単な概要を提供しています。詳細については、上記のドキュメントを参照してください。




SQLAlchemy + Alembic: スキーマ移行の作成 - サンプルコード

必要なもの

  • Python 3.6以降
  • SQLAlchemy
  • Alembic
  • Flask
  1. プロジェクトのセットアップ

    まず、必要なライブラリをインストールします。

    pip install flask sqlalchemy alembic flask-migrate
    

    次に、プロジェクトディレクトリを作成し、以下のコマンドを実行してFlaskアプリケーションを初期化します。

    flask init project
    
  2. データベースの作成

    以下のコマンドを実行して、SQLiteデータベースを作成します。

    flask db init
    
  3. モデルの作成

    project/models.pyファイルを作成し、以下のコードを追加します。

    from sqlalchemy import Column, Integer, String, Text
    from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
    
    Base = declarative_base()
    
    
    class Article(Base):
        __tablename__ = 'articles'
    
        id = Column(Integer, primary_key=True)
        title = Column(String(255))
        content = Column(Text)
    

    このコードは、articlesという名前のテーブルを作成し、そのテーブルにはidtitlecontentという3つの列があることを定義しています。

  4. データベースのマイグレーション

    以下のコマンドを実行して、データベースにスキーマの変更を適用します。

    alembic upgrade head
    
  5. アプリケーションの実行

    flask run
    

    これで、ブラウザを開いてhttp://localhost:5000にアクセスすると、空のブログ記事一覧が表示されます。

  6. 新しい記事の作成

    from flask import Flask, render_template, request
    from project.models import db, Article
    
    app = Flask(__name__)
    app.config['SQLALCHEMY_DATABASE_URI'] = 'sqlite:///project.db'
    db.init_app(app)
    
    @app.route('/')
    def index():
        articles = Article.query.all()
        return render_template('index.html', articles=articles)
    
    @app.route('/create', methods=['GET', 'POST'])
    def create():
        if request.method == 'POST':
            title = request.form['title']
            content = request.form['content']
    
            article = Article(title=title, content=content)
            db.session.add(article)
            db.session.commit()
    
            return redirect('/')
    
        return render_template('create.html')
    

    index.htmlcreate.htmlというテンプレートファイルを作成します。

    index.html

    <!DOCTYPE html>
    <html>
    <head>
        <title>Blog</title>
    </head>
    <body>
        <h1>Blog Articles</h1>
    
        <ul>
            {% for article in articles %}
                <li>
                    <h2>{{ article.title }}</h2>
                    <p>{{ article.content }}</p>
                </li>
            {% endfor %}
        </ul>
    
        <a href="/create">Create new article</a>
    </body>
    </html>
    

    create.html

    <!DOCTYPE html>
    <html>
    <head>
        <title>Create new article</
    



SQLAlchemy + Alembic: スキーマ移行の作成 - その他の方法

チュートリアルでは、以下の方法を紹介しました。

  • alembic revisionコマンドを使用して新しい移行ファイルを作成する
  • alembic upgrade headコマンドを使用してデータベースにスキーマの変更を適用する

Alembicには、スキーマ移行を作成するための他にも多くの方法があります。

このセクションでは、その他の方法について簡単に説明します。

Alembic CLIを使用する

Alembicには、コマンドラインインターフェース(CLI)が付属しています。 このCLIを使用して、移行の作成、適用、元に戻しなど、さまざまな操作を実行できます。

CLIの詳細については、Alembicのドキュメントを参照してください: https://alembic.sqlalchemy.org/en/latest/api/commands.html

Alembicには、Python APIも用意されています。 このAPIを使用して、移行をプログラムで作成および適用できます。

APIの詳細については、Alembicのドキュメントを参照してください: https://docs.alembic.io/

Flask-Migrateは、FlaskアプリケーションでAlembicを使用するための拡張機能です。 この拡張機能を使用すると、Flaskコマンドを使用して移行を簡単に作成および適用できます。

Flask-Migrateの詳細については、Flask-Migrateのドキュメントを参照してください: https://flask-migrate.readthedocs.io/

その他のツールを使用する

以下に、いくつかの例を示します。

  • Liquibase
  • DBmate
  • Evolve

これらのツールの詳細については、それぞれのドキュメントを参照してください。

Alembicは、データベーススキーマの変更を管理するための強力なツールです。

自分に合った方法を選択してください。


    sqlalchemy alembic flask-migrate


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