エンティティ間の関係を理解する:識別関係と非識別関係
データベースにおける識別関係と非識別関係の違い
識別関係とは
識別関係とは、あるエンティティが別のエンティティを一意に識別できる関係のことを指します。具体的には、以下の2つの特徴を持ちます。
- 子エンティティは、親エンティティの属性の一部または全部を含む
- 子エンティティは、親エンティティと1対多または1対1の関係を持つ
識別関係は、親子関係とも呼ばれ、以下のような例が挙げられます。
- 顧客エンティティと注文エンティティ:顧客は複数の注文を持つ可能性があり、注文は1人の顧客にのみ紐づく
識別関係と非識別関係の違い
識別関係と非識別関係の主な違いは、子エンティティが親エンティティによって一意に識別できるかどうかです。
識別関係では、子エンティティは親エンティティの属性によって一意に識別できます。一方、非識別関係では、子エンティティは親エンティティの属性によって一意に識別できません。
データモデルへの影響
識別関係と非識別関係は、データモデルの構造と意味に大きな影響を与えます。
- 識別関係
- 子エンティティは、親エンティティの主キーによって一意に識別されます。
- 親エンティティが削除されると、子エンティティも削除されます。
まとめ
識別関係と非識別関係は、データベース設計において重要な概念です。これらの関係の違いを理解し、データモデルに適切に適用することで、データの整合性と意味を保つことができます。
# エンティティ定義
class Customer:
def __init__(self, customer_id, name):
self.customer_id = customer_id
self.name = name
class Order:
def __init__(self, order_id, customer_id, product_id):
self.order_id = order_id
self.customer_id = customer_id
self.product_id = product_id
class Product:
def __init__(self, product_id, name):
self.product_id = product_id
self.name = name
# 識別関係
# 顧客エンティティは、注文エンティティを識別する
orders = [
Order(1, 1, 1),
Order(2, 1, 2),
Order(3, 2, 1),
]
# 顧客ID 1 の注文を取得
customer_1_orders = [order for order in orders if order.customer_id == 1]
# 非識別関係
# 商品エンティティは、カテゴリエンティティを識別しない
categories = [
Category(1, "Electronics"),
Category(2, "Clothing"),
Category(3, "Books"),
]
products = [
Product(1, "Smartphone", 1),
Product(2, "T-shirt", 2),
Product(3, "Book", 3),
]
# カテゴリID 1 の商品を取得
category_1_products = [product for product in products if product.category_id == 1]
# 識別関係と非識別関係の違い
# 識別関係では、顧客ID 1 の注文をすべて取得できました。
# 一方、非識別関係では、カテゴリID 1 の商品をすべて取得できませんでした。
# なぜなら、商品エンティティはカテゴリエンティティによって一意に識別されないからです。
このコードは、識別関係と非識別関係の違いを理解するのに役立ちます。
識別関係と非識別関係を表現する他の方法
外部キー
識別関係では、子エンティティは親エンティティの主キーを参照する外部キーを持ちます。
class Order:
def __init__(self, order_id, customer_id, product_id):
self.order_id = order_id
self.customer_id = customer_id
self.product_id = product_id
# 外部キー
customer_id = ForeignKey("Customer.customer_id")
エンティティ間の関連性を明示的に表現するために、以下の記法を用いることができます。
- UML図
- ER図
データベーススキーマ定義言語 (DDL) を用いて、エンティティ間の関係を定義することができます。
CREATE TABLE Customer (
customer_id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
);
CREATE TABLE Order (
order_id INT PRIMARY KEY,
customer_id INT FOREIGN KEY REFERENCES Customer(customer_id),
product_id INT
);
これらの方法を組み合わせることで、識別関係と非識別関係を明確に表現することができます。
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