MySQL/MariaDBにおけるlower_case_table_names変数の変更:代替手段と互換性維持
MySQL/MariaDBにおけるlower_case_table_names変数の変更方法
MySQLとMariaDBでは、lower_case_table_names
というシステム変数を使用して、テーブル名とデータベース名の大小文字の扱いを設定することができます。この変数を1に設定すると、テーブル名とデータベース名は小文字に変換されて保存され、参照時も小文字を区別せずに比較されます。一方、0に設定すると、大文字と小文字を区別して扱われます。
デフォルト値
- Linux: 0 (大文字と小文字を区別)
- Windows: 1 (小文字に変換して保存・比較)
変更方法
サーバー起動時
lower_case_table_names
変数は、サーバー起動時にのみ設定できます。そのため、以下の方法で設定する必要があります。
方法1. 設定ファイルの編集
- MySQL/MariaDBの設定ファイル (
/etc/my.cnf
など) を編集します。 lower_case_table_names
変数を見つけ、1 に設定します。- 設定ファイルを保存し、MySQL/MariaDBを再起動します。
# 例
lower_case_table_names = 1
方法2. 起動オプションの指定
- MySQL/MariaDBを起動する際に、以下のオプションを指定します。
# 例
mysqld --lower-case-table-names=1
注意: サーバー起動後には、lower_case_table_names
変数の変更はできません。
既存のデータベースへの影響
lower_case_table_names
変数を変更した場合、既存のデータベースに影響を与えます。具体的には、以下のようになります。
- 0 から 1 に変更した場合: すべてのテーブル名とデータベース名が小文字に変換されます。
- 1 から 0 に変更した場合: 既存のテーブル名とデータベース名はそのままですが、新規に作成するテーブル名とデータベース名は、大文字と小文字が区別されます。
注意事項
lower_case_table_names
変数の変更は、データベースの互換性に影響を与える可能性があります。変更前に、十分に検討し、バックアップを取っておくことをお勧めします。- Windows環境では、
lower_case_table_names
変数を 0 に設定することは非推奨です。これは、Windowsのファイルシステムは基本的に大文字と小文字を区別しないため、問題が発生する可能性があるためです。
上記以外にも、lower_case_table_names
変数に関する情報は、以下のサイトなどで確認できます。
-- サーバー起動時にlower_case_table_namesを1に設定する
# 設定ファイル(/etc/my.cnfなど)の場合
lower_case_table_names = 1
# 起動オプションの場合
mysqld --lower-case-table-names=1
-- 既存のデータベースのテーブル名を小文字に変換する
-- 全てのテーブル名を小文字に変換
RENAME TABLE database_name.table_name TO database_name.LOWER(table_name);
-- 特定のテーブル名を小文字に変換
RENAME TABLE database_name.old_table_name TO database_name.new_table_name;
-- 新規に作成するテーブル名を小文字にする
CREATE TABLE database_name.table_name (
...
) ENGINE=InnoDB DEFAULT CHARSET=utf8mb4 COLLATE=utf8mb4_unicode_ci;
上記のサンプルコードは、以下の操作を実行します。
- サーバー起動時:
- 既存のデータベース:
- 新規テーブル:
- 上記のコードを実行する前に、必ずデータベースのバックアップを取ってください。
RENAME TABLE
ステートメントは、テーブルに依存関係がある場合、エラーが発生する可能性があります。事前に依存関係を解消してから実行してください。- 新規テーブルを作成する場合は、
COLLATE
オプションをutf8mb4_unicode_ci
以外にも設定できます。詳細は、MySQL/MariaDBのドキュメントを参照してください。
MySQL/MariaDBにおけるlower_case_table_names変数の変更方法:代替手段
ツールの活用
MySQL Workbench: MySQL Workbenchは、GUIでMySQL/MariaDBを操作できるツールです。このツールを使用すると、
lower_case_table_names
変数を簡単に変更できます。手順:
- MySQL Workbenchでデータベースに接続します。
- サーバー管理 > 設定 > 一般 へ移動します。
- 適用 をクリックして、変更を保存します。
**2. 設定変更後の互換性維持
lower_case_table_names
変数の変更後、既存のアプリケーションやツールとの互換性を維持する方法として、以下の対策が考えられます。
- アプリケーションの設定変更: 一部のアプリケーションでは、大文字と小文字を区別する設定がある場合があります。このような場合は、アプリケーションの設定を変更して、小文字のテーブル名とデータベース名を認識できるようにする必要があります。
- エイリアスの作成: 既存のテーブル名やデータベース名が大文字と小文字が混在している場合、エイリアスを作成することで、小文字のみで記述することができます。
CREATE ALIAS lowercase_table_name FOR database_name.TABLE_NAME;
上記のエイリアスを使用すると、以下のようになります。
SELECT * FROM lowercase_table_name;
これは、SELECT * FROM database_name.TABLE_NAME;
と同じ結果になります。
- MariaDBナレッジベース:
MariaDBナレッジベースには、
lower_case_table_names
変数に関する詳細な情報やトラブルシューティングに関する記事が含まれています。
https://mariadb.com/kb/en/library/
上記の情報は、参考情報として提供されるものです。実際の操作を行う前に、必ずMySQL/MariaDBの公式ドキュメントを参照し、データベースのバックアップを取ってください。
mysql mariadb