DECIMAL vs NUMERIC:違いは何なのか?
SQL ServerにおけるDECIMALとNUMERICの違い
SQL Serverにおいて、DECIMALとNUMERICは同じデータ型であり、機能面で違いはありません。どちらも固定小数点数の保存に使用できます。
唯一の違いは、型名の使用法です。
- DECIMAL: より新しい標準であり、推奨される型名です。
- NUMERIC: 以前のSQL Serverバージョンで使用されていた型名です。SQL Server 2008以降でも引き続き使用できますが、DECIMALの使用が推奨されています。
詳細説明
- データ型としての性質:
- 固定小数点数: 整数部と小数部を持つ数値を保存できます。
- 精度と位数: 保存できる桁数と小数点以下の桁数を個別に指定できます。
- スケーリング: 小数点の位置を調整できます。
- 演算: 加減乗除などの算術演算をサポートしています。
- 型名の違い:
- 互換性: DECIMALとNUMERICの型は互換性があり、明示的な型変換なしで代入できます。
- 推奨: 新規の開発では、DECIMALの使用が推奨されています。
補足
- どちらの型名を使用しても、パフォーマンスや精度に違いはありません。
- 既存のデータベーススキーマを変更する必要がない限り、型名を変更する必要はありません。
- 可読性と将来性を考慮し、新規の開発ではDECIMALを使用することを推奨します。
DECIMALとNUMERICを使用したサンプルコード
例1:DECIMAL型を使用した固定小数点数の宣言と操作
-- DECIMAL(5,2)型変数を作成
DECLARE @price DECIMAL(5,2) = 12.34;
-- 小数点以下2桁まで表示
SELECT @price;
-- 2を乗算
SELECT @price * 2;
-- 小数点以下4桁まで表示
SET @price = @price * 2;
SELECT @price;
-- NUMERIC(5,2)型変数を作成
DECLARE @price NUMERIC(5,2) = 12.34;
-- 小数点以下2桁まで表示
SELECT @price;
-- 2を乗算
SELECT @price * 2;
-- 小数点以下4桁まで表示
SET @price = @price * 2;
SELECT @price;
例3:DECIMALとNUMERICの型変換
-- DECIMAL型変数にNUMERIC型リテラルを代入
DECLARE @price DECIMAL(5,2);
SET @price = NUMERIC(3,1) = 3.1;
-- NUMERIC型変数にDECIMAL型リテラルを代入
DECLARE @price2 NUMERIC(5,2);
SET @price2 = DECIMAL(4,2) = 4.2;
説明
- 上記の例では、DECIMALとNUMERICを使用して固定小数点数を宣言、操作、型変換しています。
- どちらの型を使用しても、結果は同じになります。
- 型名の違いは、主に可読性と将来性に関わるものです。
このサンプルコードは、DECIMALとNUMERICの基本的な使用方法を理解するのに役立ちます。具体的な業務内容に合わせて、適宜カスタマイズしてください。
DECIMALとNUMERIC以外の固定小数点数データ型
- MONEY: 金銭データの保存に特化した型です。内部的にDECIMAL(19,4)として表現されます。
- REAL: 単精度浮動小数点数の保存に使用されます。精度は約7桁です。
各データ型の詳細
- MONEY:
- 主に金銭データの保存に使用されます。
- 内部的にはDECIMAL(19,4)として表現され、小数点以下4桁まで保存できます。
- 金銭計算に特化した演算子や関数を提供しています。
- REAL:
- 単精度浮動小数点数の保存に使用されます。
- 精度は約7桁です。
- 科学計算や工学計算など、幅広い用途で使用できます。
- 計算速度が速いという利点があります。
- FLOAT:
- REAL型よりも高い精度が必要な場合に使用されます。
- 計算速度はREAL型よりも遅くなります。
選択の指針
- 精度: 保存が必要な桁数と小数点以下の桁数に基づいて、適切なデータ型を選択します。
- 用途: 金銭データの場合はMONEY/SMALLMONEY、科学計算の場合はREAL/FLOATを選択するなど、用途に応じて適切なデータ型を選択します。
- パフォーマンス: 計算速度が重要な場合はREAL/FLOATを選択肢に含めます。
- 互換性: 既存のデータベーススキーマとの互換性を考慮する必要があります。
- 上記のデータ型以外にも、特殊な用途向けのデータ型が存在します。
- 詳細については、SQL Serverの公式ドキュメントを参照してください。
sql-server sqldatatypes