SQLにおける結合の種類と使い分け:内部結合、外部結合、クロス結合など

2024-06-04

SQLにおける複数テーブル結合:詳細ガイド

概要

内部結合は、一致する行のみを返します。例えば、顧客テーブルと注文テーブルを内部結合すると、注文がある顧客のみが表示されます。

外部結合は、一致する行と一致しない行の両方を含む可能性があります。例えば、顧客テーブルと注文テーブルを左外部結合すると、注文がある顧客と注文がない顧客の両方が表示されますが、注文がない顧客には注文に関する列は NULL 値となります。

クロス結合は、すべての行を組み合わせます。例えば、顧客テーブルと注文テーブルをクロス結合すると、すべての顧客に対してすべての注文が表示されます。

複数テーブルの結合

複数のテーブルを結合するには、JOIN キーワードを使用します。JOIN キーワードには、結合の種類と結合条件を指定する必要があります。

以下は、2 つのテーブルを内部結合する基本的な構文です。

SELECT *
FROM table1
JOIN table2
ON table1.column1 = table2.column2;

このクエリは、table1table2 のすべての列を選択し、table1.column1table2.column2 に等しい行を結合します。

複数のテーブルを結合する例

次の例では、customers テーブル、orders テーブル、products テーブルを結合して、各顧客が注文した製品とその詳細を表示するクエリを作成します。

SELECT customers.name,
       orders.order_id,
       orders.order_date,
       products.product_name,
       products.unit_price
FROM customers
JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id
JOIN products
ON orders.product_id = products.product_id;

このクエリは、次の結果を返します。

名前注文 ID注文日製品名単価
田中太郎10012023-11-15リンゴ120円
田中太郎10022023-11-16バナナ80円
佐藤花子10032023-11-17牛乳200円

結合の種類

前述のように、SQL にはさまざまな種類の結合があります。以下に、最も一般的な結合をいくつか紹介します。

  • 内部結合 (INNER JOIN): 一致する行のみを返します。
  • 左外部結合 (LEFT JOIN): 左側のテーブルのすべての行と、右側のテーブルの一致する行 (存在する場合) を返します。一致する行がない場合は、右側のテーブルの列は NULL 値となります。
  • クロス結合 (CROSS JOIN): 左側のテーブルのすべての行と右側のテーブルのすべての行を組み合わせます。

結合のヒント

  • 結合を使用する前に、テーブル間の関係を明確に理解することが重要です。
  • 適切な結合の種類を選択することが重要です。間違った種類の結合を選択すると、不要な行が返される可能性があります。
  • 結合条件を明確かつ簡潔に記述することが重要です。
  • 結合が多すぎると、クエリのパフォーマンスが低下する可能性があることに注意してください。



顧客、注文、製品テーブルを結合する

テーブル定義

CREATE TABLE customers (
  customer_id INT PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255) NOT NULL
);

CREATE TABLE orders (
  order_id INT PRIMARY KEY,
  customer_id INT NOT NULL,
  order_date DATE NOT NULL,
  FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);

CREATE TABLE products (
  product_id INT PRIMARY KEY,
  product_name VARCHAR(255) NOT NULL,
  unit_price DECIMAL(10,2) NOT NULL
);

データ挿入

INSERT INTO customers (customer_id, name)
VALUES
  (1, '田中太郎'),
  (2, '佐藤花子');

INSERT INTO orders (order_id, customer_id, order_date)
VALUES
  (1001, 1, '2023-11-15'),
  (1002, 1, '2023-11-16'),
  (1003, 2, '2023-11-17');

INSERT INTO products (product_id, product_name, unit_price)
VALUES
  (1, 'リンゴ', 120),
  (2, 'バナナ', 80),
  (3, '牛乳', 200);

結合クエリ

SELECT customers.name,
       orders.order_id,
       orders.order_date,
       products.product_name,
       products.unit_price
FROM customers
JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id
JOIN products
ON orders.product_id = products.product_id;

結果

名前注文 ID注文日製品名単価
田中太郎10012023-11-15リンゴ120円
田中太郎10022023-11-16バナナ80円
佐藤花子10032023-11-17牛乳200円

その他の結合例

以下の例は、さまざまな種類の結合を示しています。

内部結合:

SELECT *
FROM customers
INNER JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id;
SELECT *
FROM customers
LEFT JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id;
SELECT *
FROM customers
RIGHT JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id;
SELECT *
FROM customers
FULL OUTER JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id;

クロス結合:

SELECT *
FROM customers
CROSS JOIN orders;

これらの例は、SQL における結合の基本的な使用方法を示しています。結合をマスターすることで、複雑なデータから洞察を得ることができるようになります。

留意事項

  • 上記の例は、SQLite データベースを使用しています。他のデータベース管理システムを使用している場合は、構文が多少異なる場合があります。



SQLにおける複数テーブル結合の代替方法

サブクエリを使用して、別のテーブルからデータを抽出する方法です。

例:

SELECT customer_name, order_date, product_name, unit_price
FROM customers
WHERE customer_id IN (
  SELECT customer_id
  FROM orders
);

このクエリは、customers テーブルからすべての顧客の名前、注文日、orders テーブルから関連する注文情報、products テーブルから関連する製品情報を取得します。

利点:

  • 可読性が高い場合がある
  • 複雑な結合条件を処理できる
  • 結合よりも非効率的な場合がある
  • サブクエリが深くネストされると、クエリが読みづらくなる

ウィンドウ関数を使用して、フレーム内の行に基づいてデータを操作する方法です。

SELECT customer_name,
       order_date,
       product_name,
       unit_price,
       ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY customer_id ORDER BY order_date) AS order_number
FROM customers
JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id
JOIN products
ON orders.product_id = products.product_id;
  • 集計や分析に役立つ
  • 習得するのが難しい場合がある
  • すべてのデータベース管理システムでサポートされているわけではない

CTE (共通表式)

CTEを使用して、一時的な結果セットを定義する方法です。

WITH orders_with_products AS (
  SELECT orders.order_id,
         orders.customer_id,
         orders.order_date,
         products.product_name,
         products.unit_price
  FROM orders
  JOIN products
  ON orders.product_id = products.product_id
)
SELECT customer_name, order_date, product_name, unit_price
FROM customers
JOIN orders_with_products
ON customers.customer_id = orders_with_products.customer_id;

このクエリは、orders テーブルと products テーブルを結合した一時的な結果セット orders_with_products を作成し、customers テーブルと結合して最終結果を取得します。

  • 複雑なクエリをより読みやすく分割できる
  • コードを再利用できる

    選択方法

    • 結合が最も一般的で汎用性の高い方法です。
    • サブクエリは、複雑な結合条件を処理する場合に役立ちます。
    • ウィンドウ関数は、集計や分析に役立ちます。
    • CTEは、複雑なクエリをより読みやすく分割する場合に役立ちます。

    どの方法を選択する場合でも、クエリのパフォーマンスと可読性を考慮することが重要です。


    sql sqlite join


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