MySQL/MariaDB でストアドプロシージャとユーザー定義関数を使ってフロー結果を累積する
MySQL/MariaDB でフロークエリ結果を累積 (ストック) する方法
方法 1: サブクエリを使用した累積
この方法は、サブクエリを使用して、前のレコードの累積値を取得し、現在のレコードに足すことで累積値を計算します。
SELECT
id,
transaction_amount,
(
SELECT SUM(transaction_amount)
FROM transactions AS t2
WHERE t2.id <= t1.id
) AS cumulative_amount
FROM transactions AS t1
ORDER BY id;
このクエリは、transactions
テーブルのすべてのレコードを id
順に処理し、各レコードの transaction_amount
と、そのレコードまでの累積 transaction_amount
を計算します。
方法 2: ウィンドウ関数を使用した累積
この方法は、MySQL 8.0以降で利用可能なウィンドウ関数を使用して、累積値を計算します。
SELECT
id,
transaction_amount,
SUM(transaction_amount) OVER (ORDER BY id) AS cumulative_amount
FROM transactions;
どちらの方法を選ぶべきか
- サブクエリを使用した累積は、MySQL 5.7 以前のバージョンでも利用可能ですが、サブクエリが処理されるたびに毎回テーブルをスキャンする必要があるため、処理速度が遅くなります。
- ウィンドウ関数を使用した累積は、MySQL 8.0以降でのみ利用可能ですが、サブクエリよりも処理速度が速く、コードも簡潔になります。
その他の注意点
- 上記の例では、
transactions
テーブルのid
列を主キーとして使用しています。主キー以外の列で累積したい場合は、ORDER BY
句を変更する必要があります。 - 累積値を計算する列は、数値型である必要があります。
- 累積値を計算する列に NULL 値が含まれている場合は、
SUM()
関数にIGNORE NULL
オプションを指定する必要があります。
CREATE TABLE transactions (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
transaction_date DATE,
transaction_amount DECIMAL(10,2)
);
INSERT INTO transactions (transaction_date, transaction_amount)
VALUES
('2023-10-05', 100.00),
('2023-10-06', -50.00),
('2023-10-07', 200.00),
('2023-10-08', -150.00);
方法 1: サブクエリを使用した累積
SELECT
id,
transaction_date,
transaction_amount,
(
SELECT SUM(transaction_amount)
FROM transactions AS t2
WHERE t2.id <= t1.id
) AS cumulative_amount
FROM transactions AS t1
ORDER BY id;
方法 2: ウィンドウ関数を使用した累積
SELECT
id,
transaction_date,
transaction_amount,
SUM(transaction_amount) OVER (ORDER BY id) AS cumulative_amount
FROM transactions;
出力結果
| id | transaction_date | transaction_amount | cumulative_amount |
|---|---|---|---|
| 1 | 2023-10-05 | 100.00 | 100.00 |
| 2 | 2023-10-06 | -50.00 | 50.00 |
| 3 | 2023-10-07 | 200.00 | 250.00 |
| 4 | 2023-10-08 | -150.00 | 100.00 |
説明
- 方法 1 では、サブクエリを使用して、前のレコードまでの累積
transaction_amount
を取得しています。
どちらの方法でも、結果は同じになります。
MySQL/MariaDB でフロークエリ結果を累積 (ストック) するには、サブクエリまたはウィンドウ関数を使用することができます。 状況に合わせて適切な方法を選択してください。
MySQL/MariaDB でフロークエリ結果を累積 (ストック) するその他の方法
方法 3: 変数を使用した累積
この方法は、ループの中で変数を使用して累積値を保持することで、累積値を計算します。
SET @cumulative_amount = 0;
SELECT
id,
transaction_date,
transaction_amount,
@cumulative_amount := @cumulative_amount + transaction_amount AS cumulative_amount
FROM transactions
ORDER BY id;
この方法は、ストアドプロシージャを使用して、累積処理をカプセル化します。
DELIMITER $$
CREATE PROCEDURE accumulate_transactions(
INOUT p_cumulative_amount DECIMAL(10,2)
)
BEGIN
DECLARE v_transaction_id INT;
DECLARE v_transaction_date DATE;
DECLARE v_transaction_amount DECIMAL(10,2);
CURSOR c_transactions IS
SELECT id, transaction_date, transaction_amount
FROM transactions
ORDER BY id;
OPEN c_transactions;
LOOP
FETCH c_transactions INTO v_transaction_id, v_transaction_date, v_transaction_amount;
IF FOUND THEN
SET p_cumulative_amount := p_cumulative_amount + v_transaction_amount;
END IF;
END LOOP;
CLOSE c_transactions;
END $$
DELIMITER ;
CALL accumulate_transactions(@cumulative_amount);
SELECT @cumulative_amount AS cumulative_amount;
このストアドプロシージャは、p_cumulative_amount
という入力パラメータを使用して累積値を受け渡し、transactions
テーブルのすべてのレコードを処理して累積値を計算します。
方法 5: ユーザー定義関数を使用した累積
この方法は、ユーザー定義関数を使用して、累積処理を再利用可能なモジュールとして定義します。
DELIMITER $$
CREATE FUNCTION accumulate(
IN v_transaction_amount DECIMAL(10,2),
INOUT p_cumulative_amount DECIMAL(10,2)
)
BEGIN
SET p_cumulative_amount := p_cumulative_amount + v_transaction_amount;
RETURN p_cumulative_amount;
END $$
DELIMITER ;
SELECT
id,
transaction_date,
transaction_amount,
accumulate(transaction_amount, @cumulative_amount) AS cumulative_amount
FROM transactions
ORDER BY id;
このユーザー定義関数は、v_transaction_amount
という入力パラメータと p_cumulative_amount
という出力パラメータを使用して、累積値を計算します。
- サブクエリを使用した累積は、最もシンプルですが、処理速度が遅くなります。
- 変数を使用した累積は、サブクエリよりも処理速度が速くなりますが、コードが冗長になります。
- ストアドプロシージャを使用した累積は、複雑な処理をカプセル化することができますが、開発とメンテナンスの手間がかかります。
- ユーザー定義関数を使用した累積は、再利用可能なモジュールとして累積処理を定義することができますが、ストアドプロシージャよりも複雑になります。
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