MySQL/MariaDB でストアドプロシージャとユーザー定義関数を使ってフロー結果を累積する

2024-06-20

MySQL/MariaDB でフロークエリ結果を累積 (ストック) する方法

方法 1: サブクエリを使用した累積

この方法は、サブクエリを使用して、前のレコードの累積値を取得し、現在のレコードに足すことで累積値を計算します。

SELECT
  id,
  transaction_amount,
  (
    SELECT SUM(transaction_amount)
    FROM transactions AS t2
    WHERE t2.id <= t1.id
  ) AS cumulative_amount
FROM transactions AS t1
ORDER BY id;

このクエリは、transactions テーブルのすべてのレコードを id 順に処理し、各レコードの transaction_amount と、そのレコードまでの累積 transaction_amount を計算します。

方法 2: ウィンドウ関数を使用した累積

この方法は、MySQL 8.0以降で利用可能なウィンドウ関数を使用して、累積値を計算します。

SELECT
  id,
  transaction_amount,
  SUM(transaction_amount) OVER (ORDER BY id) AS cumulative_amount
FROM transactions;

どちらの方法を選ぶべきか

  • サブクエリを使用した累積は、MySQL 5.7 以前のバージョンでも利用可能ですが、サブクエリが処理されるたびに毎回テーブルをスキャンする必要があるため、処理速度が遅くなります。
  • ウィンドウ関数を使用した累積は、MySQL 8.0以降でのみ利用可能ですが、サブクエリよりも処理速度が速く、コードも簡潔になります。

その他の注意点

  • 上記の例では、transactions テーブルの id 列を主キーとして使用しています。主キー以外の列で累積したい場合は、ORDER BY 句を変更する必要があります。
  • 累積値を計算する列は、数値型である必要があります。
  • 累積値を計算する列に NULL 値が含まれている場合は、SUM() 関数に IGNORE NULL オプションを指定する必要があります。



    CREATE TABLE transactions (
      id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
      transaction_date DATE,
      transaction_amount DECIMAL(10,2)
    );
    
    INSERT INTO transactions (transaction_date, transaction_amount)
    VALUES
      ('2023-10-05', 100.00),
      ('2023-10-06', -50.00),
      ('2023-10-07', 200.00),
      ('2023-10-08', -150.00);
    

    方法 1: サブクエリを使用した累積

    SELECT
      id,
      transaction_date,
      transaction_amount,
      (
        SELECT SUM(transaction_amount)
        FROM transactions AS t2
        WHERE t2.id <= t1.id
      ) AS cumulative_amount
    FROM transactions AS t1
    ORDER BY id;
    

    方法 2: ウィンドウ関数を使用した累積

    SELECT
      id,
      transaction_date,
      transaction_amount,
      SUM(transaction_amount) OVER (ORDER BY id) AS cumulative_amount
    FROM transactions;
    

    出力結果

    | id | transaction_date | transaction_amount | cumulative_amount |
    |---|---|---|---|
    | 1 | 2023-10-05 | 100.00 | 100.00 |
    | 2 | 2023-10-06 | -50.00 | 50.00 |
    | 3 | 2023-10-07 | 200.00 | 250.00 |
    | 4 | 2023-10-08 | -150.00 | 100.00 |
    

    説明

    • 方法 1 では、サブクエリを使用して、前のレコードまでの累積 transaction_amount を取得しています。

    どちらの方法でも、結果は同じになります。

    MySQL/MariaDB でフロークエリ結果を累積 (ストック) するには、サブクエリまたはウィンドウ関数を使用することができます。 状況に合わせて適切な方法を選択してください。




    MySQL/MariaDB でフロークエリ結果を累積 (ストック) するその他の方法

    方法 3: 変数を使用した累積

    この方法は、ループの中で変数を使用して累積値を保持することで、累積値を計算します。

    SET @cumulative_amount = 0;
    
    SELECT
      id,
      transaction_date,
      transaction_amount,
      @cumulative_amount := @cumulative_amount + transaction_amount AS cumulative_amount
    FROM transactions
    ORDER BY id;
    

    この方法は、ストアドプロシージャを使用して、累積処理をカプセル化します。

    DELIMITER $$
    
    CREATE PROCEDURE accumulate_transactions(
      INOUT p_cumulative_amount DECIMAL(10,2)
    )
    BEGIN
      DECLARE v_transaction_id INT;
      DECLARE v_transaction_date DATE;
      DECLARE v_transaction_amount DECIMAL(10,2);
    
      CURSOR c_transactions IS
        SELECT id, transaction_date, transaction_amount
        FROM transactions
        ORDER BY id;
    
      OPEN c_transactions;
    
      LOOP
        FETCH c_transactions INTO v_transaction_id, v_transaction_date, v_transaction_amount;
    
        IF FOUND THEN
          SET p_cumulative_amount := p_cumulative_amount + v_transaction_amount;
        END IF;
    
      END LOOP;
    
      CLOSE c_transactions;
    END $$
    
    DELIMITER ;
    
    CALL accumulate_transactions(@cumulative_amount);
    
    SELECT @cumulative_amount AS cumulative_amount;
    

    このストアドプロシージャは、p_cumulative_amount という入力パラメータを使用して累積値を受け渡し、transactions テーブルのすべてのレコードを処理して累積値を計算します。

    方法 5: ユーザー定義関数を使用した累積

    この方法は、ユーザー定義関数を使用して、累積処理を再利用可能なモジュールとして定義します。

    DELIMITER $$
    
    CREATE FUNCTION accumulate(
      IN v_transaction_amount DECIMAL(10,2),
      INOUT p_cumulative_amount DECIMAL(10,2)
    )
    BEGIN
      SET p_cumulative_amount := p_cumulative_amount + v_transaction_amount;
    
      RETURN p_cumulative_amount;
    END $$
    
    DELIMITER ;
    
    SELECT
      id,
      transaction_date,
      transaction_amount,
      accumulate(transaction_amount, @cumulative_amount) AS cumulative_amount
    FROM transactions
    ORDER BY id;
    

    このユーザー定義関数は、v_transaction_amount という入力パラメータと p_cumulative_amount という出力パラメータを使用して、累積値を計算します。

    • サブクエリを使用した累積は、最もシンプルですが、処理速度が遅くなります。
    • 変数を使用した累積は、サブクエリよりも処理速度が速くなりますが、コードが冗長になります。
    • ストアドプロシージャを使用した累積は、複雑な処理をカプセル化することができますが、開発とメンテナンスの手間がかかります。
    • ユーザー定義関数を使用した累積は、再利用可能なモジュールとして累積処理を定義することができますが、ストアドプロシージャよりも複雑になります。

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