CREATE TABLE、INSERT、PRAGMA:SQLite AUTOINCREMENT開始値設定の比較
SQLiteのAUTOINCREMENTの開始値を設定する方法
この解説では、SQLiteのAUTOINCREMENTの開始値を設定する方法を、以下の3つの方法について説明します。
- CREATE TABLE ステートメント
- INSERT ステートメント
- PRAGMA コマンド
それぞれの方法について、具体的な例とコードを示しながら、詳細を説明していきます。
CREATE TABLE ステートメントを使用してテーブルを作成する際に、AUTOINCREMENTカラムの開始値を指定することができます。
CREATE TABLE テーブル名 (
カラム名1 型,
カラム名2 型,
...
主キーカラム名 INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT(開始値)
);
例:
CREATE TABLE 商品 (
商品ID INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT(100),
商品名 TEXT,
価格 INTEGER
);
この例では、商品ID
カラムはAUTOINCREMENTで、開始値は100に設定されています。
INSERT ステートメントを使用してレコードを挿入する際に、AUTOINCREMENTカラムの値を明示的に指定することができます。
INSERT INTO テーブル名 (カラム名1, カラム名2, ..., 主キーカラム名)
VALUES (値1, 値2, ..., 値);
INSERT INTO 商品 (商品名, 価格)
VALUES ('Tシャツ', 1000);
INSERT INTO 商品 (商品名, 価格, 商品ID)
VALUES ('ノート', 500, 102);
この例では、最初のINSERT文では商品ID
カラムの値を指定していないため、AUTOINCREMENTによって自動的に101が割り当てられます。2番目のINSERT文では、商品ID
カラムの値を明示的に102に設定しています。
PRAGMA コマンドを使用して、AUTOINCREMENTカラムの開始値を設定することができます。
PRAGMA table_info(テーブル名);
PRAGMA sequence_list;
PRAGMA sqlite_sequence_reset(テーブル名, 開始値);
PRAGMA table_info(商品);
-- 結果:
-- cid | name | type | notnull | dflt_value | pk
-- ---- | ---- | ---- | -------- | -------- | ----
-- 0 | 商品ID | INTEGER | 0 | NULL | 1
-- 1 | 商品名 | TEXT | 0 | NULL | 0
-- 2 | 価格 | INTEGER | 0 | NULL | 0
PRAGMA sequence_list;
-- 結果:
-- name | seq
-- ---- | ----
-- 商品_商品ID | 101
PRAGMA sqlite_sequence_reset(商品, 200);
PRAGMA table_info(商品);
-- 結果:
-- cid | name | type | notnull | dflt_value | pk
-- ---- | ---- | ---- | -------- | -------- | ----
-- 0 | 商品ID | INTEGER | 0 | NULL | 1
-- 1 | 商品名 | TEXT | 0 | NULL | 0
-- 2 | 価格 | INTEGER | 0 | NULL | 0
PRAGMA sequence_list;
-- 結果:
-- name | seq
-- ---- | ----
-- 商品_商品ID | 200
この例では、商品ID
カラムの開始値を200にリセットしています。
各方法のメリットとデメリット
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
CREATE TABLE ステートメント | テーブル作成時に設定できる | 後から変更できない |
INSERT ステートメント | 個別に設定できる | 連続した値にならない場合がある |
PRAGMA コマンド | 柔軟に変更できる | 複雑な操作が必要 |
注意事項
- AUTOINCREMENTカラムの開始値を変更すると、既存のレコードの値が影響を受ける可能性があります。
- 変更を行う前に、必ずバックアップを取ってください。
-- テーブル作成
CREATE TABLE 商品 (
商品ID INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT(100),
商品名 TEXT,
価格 INTEGER
);
-- レコード挿入
INSERT INTO 商品 (商品名, 価格)
VALUES ('Tシャツ', 1000);
INSERT INTO 商品 (商品名, 価格)
VALUES ('ノート', 500);
-- 商品IDを確認
SELECT 商品ID, 商品名, 価格 FROM 商品;
-- 結果:
-- 商品ID | 商品名 | 価格
-- ------- | ------- | --------
-- 100 | Tシャツ | 1000
-- 101 | ノート | 500
-- テーブル作成
CREATE TABLE 商品 (
商品ID INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
商品名 TEXT,
価格 INTEGER
);
-- レコード挿入
INSERT INTO 商品 (商品名, 価格)
VALUES ('Tシャツ', 1000);
INSERT INTO 商品 (商品名, 価格, 商品ID)
VALUES ('ノート', 500, 102);
-- 商品IDを確認
SELECT 商品ID, 商品名, 価格 FROM 商品;
-- 結果:
-- 商品ID | 商品名 | 価格
-- ------- | ------- | --------
-- 1 | Tシャツ | 1000
-- 102 | ノート | 500
-- テーブル作成
CREATE TABLE 商品 (
商品ID INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
商品名 TEXT,
価格 INTEGER
);
-- 商品IDの確認
PRAGMA table_info(商品);
-- 結果:
-- cid | name | type | notnull | dflt_value | pk
-- ---- | ---- | ---- | -------- | -------- | ----
-- 0 | 商品ID | INTEGER | 0 | NULL | 1
-- 1 | 商品名 | TEXT | 0 | NULL | 0
-- 2 | 価格 | INTEGER | 0 | NULL | 0
-- AUTOINCREMENTカラムの開始値を200にリセット
PRAGMA sqlite_sequence_reset(商品, 200);
-- 商品IDの確認
PRAGMA table_info(商品);
-- 結果:
-- cid | name | type | notnull | dflt_value | pk
-- ---- | ---- | ---- | -------- | -------- | ----
-- 0 | 商品ID | INTEGER | 0 | NULL | 1
-- 1 | 商品名 | TEXT | 0 | NULL | 0
-- 2 | 価格 | INTEGER | 0 | NULL | 0
-- レコード挿入
INSERT INTO 商品 (商品名, 価格)
VALUES ('Tシャツ', 1000);
-- 商品IDを確認
SELECT 商品ID, 商品名, 価格 FROM 商品;
-- 結果:
-- 商品ID | 商品名 | 価格
-- ------- | ------- | --------
-- 200 | Tシャツ | 1000
CREATE TABLE 商品 (
商品ID INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT DEFAULT 100,
商品名 TEXT,
価格 INTEGER
);
INSERT OR REPLACE ステートメント
INSERT OR REPLACE ステートメントを使用して、レコードを挿入または更新することができます。このステートメントを使用すると、AUTOINCREMENTカラムの値を明示的に指定することができます。
INSERT OR REPLACE INTO 商品 (商品ID, 商品名, 価格)
VALUES (102, 'ノート', 500);
外部キー制約
外部キー制約を使用して、AUTOINCREMENTカラムの値を別のテーブルの列を参照することができます。
CREATE TABLE 商品 (
商品ID INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
商品名 TEXT,
カテゴリID INTEGER,
FOREIGN KEY (カテゴリID) REFERENCES カテゴリ (カテゴリID)
);
CREATE TABLE カテゴリ (
カテゴリID INTEGER PRIMARY KEY,
カテゴリ名 TEXT
);
INSERT INTO カテゴリ (カテゴリ名)
VALUES ('衣服');
INSERT INTO 商品 (商品名, カテゴリID)
VALUES ('Tシャツ', 1);
sqlite