MySQL/MariaDBの識別子名:短く、分かりやすく、そして制限を超えない
MySQLとMariaDBにおける最大識別子名の長さ制限と拡張方法
- MySQL 5.7 以前: 最大64文字
- MySQL 5.7 以降、MariaDB 10.2 以前: 最大64バイト (UTF-8 エンコーディングの場合、約128文字)
識別子名が制限を超えると、エラーが発生します。例えば、以下のクエリを実行するとエラーが発生します。
CREATE TABLE example_table (
id INT PRIMARY KEY,
very_long_column_name VARCHAR(255)
);
このエラーを回避するには、以下の方法で識別子名の長さを制限内に収める必要があります。
識別子名を短くする
最も簡単な方法は、識別子名を短くすることです。例えば、very_long_column_name
を long_column_name
に変更します。
別名を付ける
長い識別子名に短い別名を付けることもできます。例えば、very_long_column_name
を vlcn
という別名で定義し、クエリ内で使用することができます。
CREATE TABLE example_table (
id INT PRIMARY KEY,
vlcn VARCHAR(255)
);
SELECT * FROM example_table;
データベースのバージョンを上げる
MariaDB 10.2 以降を使用すれば、識別子名の最大長を1024バイトまで拡張することができます。ただし、この変更にはデータベースの互換性に関する影響があることに注意する必要があります。
カスタム文字列型を使用する
MySQL 8.0 以降では、VARCHAR(MAX)
や TEXT
などのカスタム文字列型を使用して、識別子名を最大65535バイトまで拡張することができます。
MariaDBでのみ利用可能なオプション
MariaDB 10.0.16 以降では、innodb_long_table_names
設定変数を有効にすることで、InnoDB テーブルの識別子名を最大1024バイトまで拡張することができます。ただし、この設定は実験段階であり、すべての環境で動作するとは限りません。
識別子名の長さの変更に関する注意事項
識別子名の長さを変更する前に、以下の点に注意する必要があります。
- データベースの互換性: 識別子名の長さを変更すると、古いバージョンのデータベースと互換性がなくなる可能性があります。
- パフォーマンス: 長い識別子名は、クエリのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
- 可読性: 識別子名は短く、分かりやすいものにする必要があります。
識別子名の長さ制限は、データベース設計において考慮すべき重要な要素です。識別子名を短くするか、別名を付けることで、この制限を回避することができます。MariaDB 10.2以降を使用している場合は、識別子名の最大長を1024バイトまで拡張することもできます。ただし、識別子名の長さを変更する前に、上記の説明で述べた注意事項を必ず考慮してください。
識別子名を短くする
CREATE TABLE example_table (
id INT PRIMARY KEY,
short_name VARCHAR(255)
);
別名を付ける
CREATE TABLE example_table (
id INT PRIMARY KEY,
vlcn VARCHAR(255)
);
SELECT * FROM example_table;
MariaDB 10.2以降で識別子名の最大長を拡張する
SET innodb_long_table_names=1;
CREATE TABLE example_table (
id INT PRIMARY KEY,
very_long_identifier_name VARCHAR(255)
);
- 上記のコードは、MySQL 5.7以降、MariaDB 10.2以降で動作します。
innodb_long_table_names
設定変数は、MariaDB 10.0.16以降でのみ使用できます。- 識別子名の長さを変更する前に、データベースの互換性、パフォーマンス、可読性などの影響を考慮する必要があります。
その他の識別子名の長さ制限を拡張する方法
スキーマモデリングを変更する
識別子名を短くする必要がないように、スキーマモデリングを変更することができます。例えば、長い名前のテーブルを複数の小さなテーブルに分割したり、エンティティを別の方法で表現したりすることができます。
キャメルケースまたはスネークケースを使用する
識別子名にキャメルケースまたはスネークケースを使用することで、可読性を高め、必要な文字数を減らすことができます。
example_table_name
very_long_column_name
exampleTableName
veryLongColumnName
略語を使用する
よく使用される長い識別子名の略語を使用することができます。
tbl_example
col_very_long
接頭辞と接尾辞を使用する
識別子名に接頭辞や接尾辞を追加することで、識別子の種類や目的を区別することができます。例えば、テーブル名には tbl_
接頭辞を、列名には col_
接頭辞を使用することができます。
tbl_example_table
col_very_long_column_name
カスタム識別子名スキーマを使用する
独自の識別子名スキーマを定義することで、識別子名の長さをより細かく制御することができます。
- MariaDB 10.5以降:
innodb_large_prefix
設定変数を有効にすることで、InnoDB テーブルの識別子のプレフィックス長を最大256バイトまで拡張することができます。 - Spider: Spider は、MariaDB用のオープンソースストレージエンジンであり、最大65535バイトまでの識別子名をサポートしています。
識別子名の長さの変更を検討する際のその他の考慮事項
- 既存のコードへの影響: 識別子名の長さを変更すると、既存のコードを修正する必要がある場合があります。
- サードパーティ製ツールのサポート: 使用しているサードパーティ製ツールが、長い識別子名をサポートしているかどうかを確認する必要があります。
- 文書化: 識別子名の変更を文書化しておくことで、将来のメンテナンスが容易になります。
上記に記載された方法は、あくまでも参考情報であり、すべての状況に適用できるわけではありません。具体的な状況については、データベース管理者またはその他の専門家に相談することをお勧めします。
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