INSERT ... ON DUPLICATE KEY UPDATE vs INSERT IGNORE: どっちを選ぶ?

2024-04-02

MySQLでINSERT時に重複行を挿入せず、デッドロックも発生させない方法

MySQLでINSERTを行う際、すでに同じデータが存在する場合は重複行の挿入を防ぎたい場合があります。また、複数の接続が同時にINSERTを行う場合、デッドロックが発生する可能性も考慮する必要があります。

解決策

以下の3つの方法があります。

INSERT ... ON DUPLICATE KEY UPDATE

UNIQUEまたはPRIMARY KEY制約のあるカラムに対してINSERTを行う場合、この方法が最適です。

  • 存在しない場合はINSERT、存在する場合はUPDATEを実行します。
  • デッドロックが発生する可能性は低くなります。

例:

INSERT INTO テーブル名 (カラム名1, カラム名2)
VALUES (?, ?)
ON DUPLICATE KEY UPDATE
  カラム名2 = VALUES(カラム名2);

INSERT IGNORE

重複行の挿入を無視します。

  • 主キーが重複する場合、エラーが発生せず既存の行が更新されます。
  • 他のカラムの重複も無視するため、データの整合性に問題が発生する可能性があります。
INSERT IGNORE INTO テーブル名 (カラム名1, カラム名2)
VALUES (?, ?);

SELECT ... FOR UPDATEを使用して、行をロックしてからINSERTを行います。

  • デッドロックが発生する可能性はありますが、確実に重複行の挿入を防ぐことができます。
  • 他の接続からの更新もロックされるため、処理速度が低下する可能性があります。
START TRANSACTION;

SELECT * FROM テーブル名
WHERE カラム名1 = ?
FOR UPDATE;

INSERT INTO テーブル名 (カラム名1, カラム名2)
VALUES (?, ?);

COMMIT;

それぞれの方法の比較

方法メリットデメリット
INSERT ... ON DUPLICATE KEY UPDATEデッドロック発生率が低い主キー重複時は既存行が更新される
INSERT IGNOREデッドロック発生率が低いデータの整合性に問題が発生する可能性がある
SELECT ... FOR UPDATE + INSERT重複行挿入を確実に防げる処理速度が低下する可能性がある

推奨方法

  • 主キーまたはUNIQUE制約のあるカラムがある場合は、INSERT ... ON DUPLICATE KEY UPDATEを使用するのがおすすめです。
  • 主キー重複時の挙動が許容できる場合は、INSERT IGNOREを使用すると処理速度を向上できます。
  • データの整合性を重視する場合は、SELECT ... FOR UPDATE + INSERTを使用する必要があります。

補足

  • 上記の方法は、InnoDBエンジンを使用している場合にのみ有効です。
  • その他にも、アプリケーションロジックで重複チェックを行う方法もあります。



# テーブル作成
CREATE TABLE IF NOT EXISTS users (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) UNIQUE,
  email VARCHAR(255)
);

# INSERT
INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]')
ON DUPLICATE KEY UPDATE
  email = VALUES(email);
# INSERT
INSERT IGNORE INTO users (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]');

SELECT ... FOR UPDATE + INSERT

# START TRANSACTION
START TRANSACTION;

# ロック
SELECT * FROM users
WHERE name = 'John Doe'
FOR UPDATE;

# INSERT
INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]');

# COMMIT
COMMIT;
  • 上記のコードは、あくまでサンプルです。実際の使用状況に合わせて変更してください。
  • エラー処理など、必要な処理を追加してください。



INSERT ... SELECT ... WHERE NOT EXISTS

  • 複雑なSQLになる可能性があります。
INSERT INTO テーブル名 (カラム名1, カラム名2)
SELECT ?, ?
WHERE NOT EXISTS (
  SELECT * FROM テーブル名
  WHERE カラム名1 = ?
);

アプリケーションロジックで重複チェック

INSERTを行う前に、アプリケーションロジックで重複チェックを行います。

  • アプリケーション側の処理が増えます。
def insert_user(name, email):
  # 重複チェック
  if User.objects.filter(name=name).exists():
    return

  # INSERT
  user = User(name=name, email=email)
  user.save()
方法メリットデメリット
INSERT ... ON DUPLICATE KEY UPDATEデッドロック発生率が低い主キー重複時は既存行が更新される
INSERT IGNOREデッドロック発生率が低いデータの整合性に問題が発生する可能性がある
SELECT ... FOR UPDATE + INSERT重複行挿入を確実に防げる処理速度が低下する可能性がある
INSERT ... SELECT ... WHERE NOT EXISTSデッドロック発生率が低い複雑なSQLになる可能性がある
アプリケーションロジックで重複チェックデッドロックが発生しないアプリケーション側の処理が増える
  • 状況に合わせて最適な方法を選択してください。

mysql sql innodb


データベースの全項目を網羅的に検索:Oracleデータベースの全テーブル、全フィールドを特定の値で検索

ALL_TAB_COLUMNS と USER_TAB_COLUMNS を使うこの方法は、すべてのユーザーのテーブルを検索するか、現在のユーザーのテーブルのみを検索するかを選択できます。すべてのユーザーのテーブルを検索DBMS_METADATA を使う...


ネストカーソルとは?SQL Serverで複雑なデータ処理をマスターする

ネストカーソルの利点:複雑なデータ操作の簡素化: 複数のテーブルやクエリからのデータを関連付け、結合や集計などの複雑な処理を、複数回のカーソルフェッチで効率的に実行できます。柔軟性の向上: 親カーソルで取得した各レコードに対して、子カーソルを使用して関連データを取得・処理することで、高度なデータ分析やレポート作成が可能になります。...


【保存版】MySQLデータベースをSQLiteに変換する6つの方法!コマンドライン・GUI・プログラム…初心者でも安心

MySQL データベースを SQLite に変換するには、いくつかの方法があります。方法コマンドラインツールを使う mysqldump コマンドを使って MySQL データベースをダンプし、sqlite3 コマンドを使って SQLite データベースにインポートします。 sqlite-utils コマンドラインツールを使って、MySQL データベースを SQLite データベースに変換します。...


MySQLのSELECT INTO OUTFILEでヘッダー付きCSVファイル出力:代替方法と比較

MySQLのSELECT INTO OUTFILE句は、クエリ結果をファイルに保存するために使用されます。オプションのHEADERキーワードを指定することで、出力ファイルの先頭に1行のヘッダー行を追加することができます。このヘッダー行には、SELECTステートメントの列名に対応するラベルが含まれます。...


MySQL show statusコマンドでアクティブな接続数と最大接続数を取得する

MySQL show statusコマンドは、MySQLサーバーの状態に関する情報を表示します。このコマンドには、接続に関する多くのオプションがあります。active connectionsオプション: Threads_connected説明: 現在の接続数...