MySQLで予約語を識別子として使う方法:グレーブアクセント(バッククォート)の活用
MySQLでバッククォート(`)を使う必要がある理由
予約語との区別
MySQLには、SELECT、CREATE、UPDATEなど、データベース操作に使用する予約語が多数存在します。もし識別子に予約語と同じ名前を使おうとすると、構文エラーが発生してしまいます。
例:
CREATE TABLE user (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
);
SELECT * FROM user;
この例では、user
という名前は予約語なので、テーブル名として使用できません。しかし、バッククォートで囲むことで、識別子として正しく認識されます。
CREATE TABLE `user` (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
);
SELECT * FROM `user`;
空白を含む識別子の扱い
MySQLの識別子は、英数字、アンダースコア(_)、ドル記号($)で構成できます。しかし、空白は使用できません。もし識別子に空白を含めたい場合は、バッククォートで囲む必要があります。
CREATE TABLE `user information` (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
);
予約語ではない識別子でも、バッククォートを使用する推奨事項
上記のように、予約語との区別や空白を含む識別子の扱いという点では、バッククォートの使用が必須です。しかし、予約語ではない識別子であっても、以下の理由からバッククォートを使用することを推奨します。
- 可読性の向上: コードの見やすさが向上し、メンテナンス性も向上します。
- 将来的な変更への備え: 将来的に識別子を予約語に変更する場合でも、問題なく移行できます。
例外:ANSI_QUOTESモード
MySQL 5.7以降では、ANSI_QUOTES
モードを有効にすることで、識別子の引用符を省略することができます。ただし、このモードは互換性に問題がある可能性があるため、一般的には推奨されていません。
MySQLで識別子を定義する際は、一般的にバッククォートを使用する必要があります。これは、予約語との区別と、空白を含む識別子の扱いの2つの理由からです。また、予約語ではない識別子であっても、可読性と将来的な変更への備えのために、バッククォートを使用することを推奨します。
- バッククォートは、グレーブアクセントとも呼ばれます。
Consider a table named customer_orders
with a column named order date
. Without backticks, the query would be ambiguous:
SELECT order date FROM customer_orders;
To correctly identify the column, enclose the column name in backticks:
SELECT `order date` FROM customer_orders;
Using reserved words as identifiers
While it's generally discouraged, you can use reserved words as identifiers by enclosing them in backticks. Suppose you have a table named user
with columns id
, name
, and password
:
CREATE TABLE `user` (
`id` INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
`name` VARCHAR(255) NOT NULL,
`password` VARCHAR(255) NOT NULL
);
Creating tables with names containing spaces
If you want to create a table with a name containing spaces, you must enclose the entire table name in backticks:
CREATE TABLE `My Products`;
Renaming tables with reserved words
To rename an existing table to a reserved word, you need to use backticks:
ALTER TABLE `old_table_name` RENAME TO `new_table_name`;
MySQLにおけるバッククォートの代替方法
ダブルクォート("")
MySQL 5.0以降では、ダブルクォート(""
)を使用して識別子を囲むこともできます。これは、ANSI SQL標準に準拠しており、移植性の高いコードを作成したい場合に役立ちます。
CREATE TABLE "user" (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
);
SELECT * FROM "user";
利点:
- ANSI SQL標準に準拠している
- 他のプログラミング言語との互換性が高い
欠点:
- バッククォートよりも見にくく、読みづらいと感じる人もいる
- 予約語と区別しにくい場合がある(例: "SELECT" は予約語、"user" は識別子)
アンダースコア(_)
識別子に空白を含めたくない場合は、アンダースコア(_)を使用して繋ぎ文字として使うことができます。
CREATE TABLE user_information (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
);
- バッククォートやダブルクォートを使用する必要がない
- 識別子が読みやすい
- 識別子の長さが長くなる
- 場合によっては、アンダースコアが多用されて読みづらくなる
MySQLでは、識別子に以下の記号を使用することができます。
- 英数字(a-z、A-Z、0-9)
- ドル記号($)
ただし、以下の記号は使用できません。
- バッククォート(`)
- 空白
- 制御文字
注意事項
- 識別子の先頭文字は英字である必要があります。
- 識別子は、大文字と小文字を区別します。
- 識別子の長さは最大64文字です。
mysql sql syntax-error