【互換性落とし穴!】MySQLとMariaDBのFROM句におけるサブクエリの違いを徹底解説

2024-05-17

MySQLとMariaDBにおける非互換性:FROM句におけるサブクエリ

問題点

MySQLとMariaDBでは、FROM句でサブクエリを使用する場合、以下の点で互換性がありません。

  • サブクエリの種類: MySQLでは、FROM句で導出表のみを使用できますが、MariaDBでは導出表と**共通表式表現 (CTE)**の両方が使用できます。
  • 列のエイリアス: MySQLでは、サブクエリ内の列にエイリアスを付け必須ですが、MariaDBではオプションです。
  • 結合: MySQLでは、サブクエリと他の表を結合する際に、外結合のみ許可されますが、MariaDBでは内結合外結合クロス結合のいずれも許可されます。

これらの違いにより、同じSQLコードをMySQLとMariaDBで実行すると、異なる結果が得られる可能性があります。

以下の例は、MySQLとMariaDBで異なる結果を返す可能性のあるSQLコードです。

SELECT *
FROM (
  SELECT id, name
  FROM customers
  WHERE city = '東京'
) AS sub
JOIN orders
  ON sub.id = orders.customer_id;

このコードでは、customersテーブルから東京に住む顧客のみを選択し、その結果をsubという名前の導出表に格納します。その後、ordersテーブルとsubテーブルをcustomer_id列で結合します。

MySQLでは、このコードは東京に住む顧客の注文のみを返します。しかし、MariaDBでは、東京に住む顧客の注文東京に住まない顧客の注文の両方が返される可能性があります。これは、MariaDBが外結合だけでなく内結合**も許可しているためです。

対策

MySQLとMariaDBで同じSQLコードを実行する必要がある場合は、以下の点に注意する必要があります。

  • サブクエリの種類: MariaDBでしか使用できないCTEを使用しないようにする。
  • 列のエイリアス: MySQLで実行する場合は、サブクエリ内のすべての列にエイリアスを付ける。
  • 結合: MySQLで実行する場合は、サブクエリと他の表を結合する際に外結合のみを使用する。

上記の対策に加えて、異なるDBMSでSQLコードを実行する場合は、常に互換性を確認することが重要です。これは、公式ドキュメントを参照するか、データベース管理者に相談することで行うことができます。




    SELECT *
    FROM (
      SELECT id, name
      FROM customers
      WHERE city = '東京'
    ) AS sub
    LEFT JOIN orders
      ON sub.id = orders.customer_id;
    

    このコードは、東京に住む顧客の注文のみを返します。

    MariaDBで動作するサンプルコード

    SELECT *
    FROM (
      SELECT id, name
      FROM customers
      WHERE city = '東京'
    ) AS sub
    JOIN orders
      ON sub.id = orders.customer_id;
    

    このコードは、東京に住む顧客の注文東京に住まない顧客の注文**の両方が返される可能性があります。

    注意事項

    • 上記のコードはあくまで例であり、実際の状況に合わせて変更する必要があります。
    • 異なるDBMSでSQLコードを実行する場合は、常に互換性を確認することが重要です。

    補足

    MySQLとMariaDBは、多くの点で互換性がありますが、いくつかの非互換性もあります。これらの非互換性について理解しておくことは、異なるDBMSでSQLコードを実行する際に重要です。

    上記以外にも、MySQLとMariaDBの間にはいくつかの違いがあります。詳細は、それぞれの公式ドキュメントを参照してください。




      共通部分式抽出 (CTE)

      MySQL 8.0以降とMariaDB 10.2以降では、CTEを使用して、複雑なサブクエリをより読みやすく、メンテナンスしやすいコードブロックに分割することができます。CTEを使用すると、同じサブクエリをコード内で複数回記述する必要がなくなり、コードの冗長性を減らすことができます。

      以下のコードは、CTEを使用して上記のサンプルコードを書き換えたものです。

      WITH customer_data AS (
        SELECT id, name
        FROM customers
        WHERE city = '東京'
      )
      SELECT *
      FROM customer_data AS sub
      LEFT JOIN orders
        ON sub.id = orders.customer_id;
      

      ビューは、データベース内の既存の表から論理的な表を作成する方法です。ビューを使用すると、複雑なサブクエリをよりシンプルなSELECTステートメントに変換することができます。

      CREATE VIEW customer_orders AS
      SELECT *
      FROM customers AS c
      LEFT JOIN orders AS o
        ON c.id = o.customer_id
      WHERE c.city = '東京';
      
      SELECT *
      FROM customer_orders;
      

      導出表は、一時的な表を作成する方法です。導出表は、サブクエリの結果を格納するために使用することができます。

      SELECT *
      FROM (
        SELECT id, name
        FROM customers
        WHERE city = '東京'
      ) AS sub
      LEFT JOIN orders
        ON sub.id = orders.customer_id;
      

      結合の種類を変更する

      MySQLで実行する場合は、サブクエリと他の表を結合する際に外結合のみを使用する必要があります。これは、LEFT JOINキーワードを使用して行うことができます。

      SELECT *
      FROM (
        SELECT id, name
        FROM customers
        WHERE city = '東京'
      ) AS sub
      LEFT JOIN orders
        ON sub.id = orders.customer_id;
      

      別のデータベース管理システムを使用する

      上記のいずれの方法も使用できない場合は、別のデータベース管理システムを使用することを検討する必要があります。 PostgreSQLやOracle Databaseなどの他のDBMSは、MySQLとMariaDBよりも多くの機能を備えている場合があります。

      最適な方法は、個々の状況によって異なります。コードの複雑さ、パフォーマンス要件、および互換性の要件などの要因を考慮する必要があります。

      MySQLとMariaDBにおけるFROM句におけるサブクエリの非互換性に対処するには、いくつかの方法があります。最適な方法は、個々の状況によって異なります。


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