【超解説】SQLiteの外部キー制約:名前の取得からトラブル解決まで
SQLite における外部キー制約の名前を取得する方法
PRAGMA TABLE_INFO を使用する
この方法は、テーブル内のすべての情報を含むため、目的の外部キー制約を見つけるためにデータをフィルタリングする必要があります。
PRAGMA TABLE_INFO([テーブル名]);
出力結果には、列名、データ型、主キー制約情報などが含まれます。外部キー制約の情報は FOREIGN KEY
列に記載されています。
CID NAME TYPE NOT NULL DEFAULT PRIMARY KEY FOREIGN KEY
------- --------- ----------- --------- -------- ------------ ------------
1 id INTEGER NOT NULL PRIMARY KEY REFERENCES parent_table(id)
2 name TEXT NOT NULL
上記の例では、id
列は parent_table
テーブルの id
列を参照する外部キー制約を持っています。
SQLite データベースブラウザツールを使用する
SQLite Studio や DBeaver など、視覚的にデータベースを操作できるツールを使用すると、外部キー制約とその名前を簡単に確認できます。
補足
- SQLite 3.18.0 以降では、
PRAGMA FOREIGN_KEY_NAME
を使用して外部キー制約の名前を取得できるようになりますが、まだ実験段階の機能です。 - 外部キー制約の名前は、スキーマの変更時に自動的に更新されないことに注意してください。手動で更新する必要があります。
-- サンプルデータベースを作成する
CREATE TABLE parent_table (
id INTEGER PRIMARY KEY,
name TEXT
);
CREATE TABLE child_table (
id INTEGER PRIMARY KEY,
parent_id INTEGER NOT NULL,
FOREIGN KEY (parent_id) REFERENCES parent_table(id)
);
-- 外部キー制約の名前を取得する
PRAGMA TABLE_INFO(child_table);
このコードを実行すると、以下の出力が得られます。
CID NAME TYPE NOT NULL DEFAULT PRIMARY KEY FOREIGN KEY
------- --------- ----------- --------- -------- ------------ ------------
1 id INTEGER NOT NULL PRIMARY KEY
2 parent_id INTEGER NOT NULL
FOREIGN KEY
列に child_table
テーブルの外部キー制約の名前が表示されます。この例では、外部キー制約の名前は fk_child_parent
です。
このコードはあくまでも例であり、実際の状況に合わせて変更する必要があります。例えば、複数の外部キー制約を持つテーブルの場合は、ループを使用してそれぞれの制約の名前を取得する必要があります。
SQLite における外部キー制約の名前を取得するその他の方法
GET_DDL ビューを使用する
SQLite 3.31.0 以降では、GET_DDL
ビューを使用してテーブルのDDLを取得できます。DDLには、外部キー制約とその名前に関する情報が含まれています。
SELECT * FROM GET_DDL('child_table');
--
-- Table: child_table
--
CREATE TABLE child_table (
id INTEGER PRIMARY KEY,
parent_id INTEGER NOT NULL,
FOREIGN KEY (parent_id) REFERENCES parent_table(id)
);
出力結果には、FOREIGN KEY
制約の定義とその名前が含まれています。
SQLite マクロを使用する
SQLite には、SQLITE_HAS_COLUMN
や SQLITE_GET_TABLE_COLUMN_NAME
などのマクロが用意されています。これらのマクロを使用して、外部キー制約に関する情報を取得することができます。
-- サンプルマクロ
BEGIN
-- 外部キー制約のカウントを取得する
FOR EACH row IN (
SELECT count(*) AS cnt
FROM pragma_table_info('child_table')
WHERE name LIKE '%FOREIGN KEY%'
);
-- 外部キー制約が存在する場合
IF cnt > 0 THEN
-- 外部キー制約の名前を取得する
FOR EACH row IN (
SELECT name
FROM pragma_table_info('child_table')
WHERE name LIKE '%FOREIGN KEY%'
);
-- 取得した名前を出力する
RAISE INFO 'Foreign key constraint name: %s', row.name;
END FOR;
END IF;
END FOR;
END;
このマクロを実行すると、child_table
テーブルの外部キー制約の名前が表示されます。
サードパーティ製のライブラリを使用する
SQLite を操作するためのサードパーティ製のライブラリの中には、外部キー制約に関する情報を取得できるものがあります。例えば、Python の pysqlite3
ライブラリには、Pragma
オブジェクトを使用して foreign_key_list
属性にアクセスする機能があります。
import sqlite3
conn = sqlite3.connect('database.db')
pragma = conn.pragma()
foreign_key_list = pragma.foreign_key_list(table_name='child_table')
for row in foreign_key_list:
print(row[1]) # 外部キー制約の名前
留意点
- 上記の方法はいずれも、SQLite 3.31.0 以降でのみ使用できます。
- マクロやライブラリを使用する場合は、その使用方法に関するドキュメントを参照してください。
sqlite