MySQL、SQL、MariaDBにおける「外部キー制約が正しく形成されていない」エラーの原因と解決策

2024-07-27

このエラーが発生する理由

MySQL、SQL、MariaDBで「外部キー制約が正しく形成されていない」というエラーが発生する場合、主に以下の3つの原因が考えられます。

  1. 参照カラムと参照されるカラムのデータ型が一致していない
  2. 参照されるカラムにインデックスが設定されていない
  3. 外部キー制約の定義に誤りがある

解決策

それぞれの原因に対する解決策は以下の通りです。

参照カラムと参照されるカラムのデータ型を一致させる

参照カラムと参照されるカラムのデータ型が一致していない場合は、どちらかのデータ型を変更する必要があります。一般的には、参照カラムのデータ型を、参照されるカラムのデータ型に合わせる方が簡単です。

例:

-- 参照カラムのデータ型がINT型の場合
ALTER TABLE 子テーブル
MODIFY COLUMN 親カラム_ID INT;

-- 参照されるカラムのデータ型がBIGINT型の場合
ALTER TABLE 親テーブル
MODIFY COLUMN ID BIGINT;

参照されるカラムにインデックスを設定する

参照されるカラムにインデックスが設定されていない場合は、インデックスを作成する必要があります。インデックスは、外部キー制約の参照処理を効率化するために必要です。

CREATE INDEX idx_親テーブル_ID ON 親テーブル (ID);

外部キー制約の定義に誤りがある場合は、定義を修正する必要があります。よくある誤りとしては、参照カラム名や参照されるカラム名のスペルミス、参照されるテーブル名の誤りなどがあります。

-- 参照カラム名のスペルミス
ALTER TABLE 子テーブル
ADD CONSTRAINT fk_親テーブル_ID FOREIGN KEY (親カラム_ID)
REFERENCES 親テーブル (ID);

-- 参照されるカラム名のスペルミス
ALTER TABLE 子テーブル
ADD CONSTRAINT fk_親テーブル_ID FOREIGN KEY (親カラム_ID)
REFERENCES 親テーブル (親カラム_ID);

-- 参照されるテーブル名の誤り
ALTER TABLE 子テーブル
ADD CONSTRAINT fk_親テーブル_ID FOREIGN KEY (親カラム_ID)
REFERENCES 誤ったテーブル名 (ID);



-- 親テーブル (親テーブル名)を作成
CREATE TABLE 親テーブル名 (
  ID INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  -- その他のカラム
);

-- 子テーブル (子テーブル名)を作成
CREATE TABLE 子テーブル名 (
  ID INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  親カラム_ID INT NOT NULL,
  -- その他のカラム,
  FOREIGN KEY (親カラム_ID) REFERENCES 親テーブル名 (ID)
);

説明

  • 上記のコードでは、親テーブル名子テーブル名という2つのテーブルを作成します。
  • 親カラム_IDカラムは、親テーブル名テーブルのIDカラムを参照します。
  • 外部キー制約により、子テーブル名テーブルの親カラム_IDカラムに格納される値は、必ず親テーブル名テーブルのIDカラムに存在する値であることが保証されます。

以下は、書籍管理システムにおける書籍と著者テーブルの例です。

-- 書籍テーブル (books)を作成
CREATE TABLE books (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  title VARCHAR(255) NOT NULL,
  author_id INT NOT NULL,
  -- その他のカラム
  FOREIGN KEY (author_id) REFERENCES authors (id)
);

-- 著者テーブル (authors)を作成
CREATE TABLE authors (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) NOT NULL
);

この例では、booksテーブルのauthor_idカラムは、authorsテーブルのidカラムを参照します。つまり、booksテーブルに登録されている書籍は、必ずauthorsテーブルに登録されている著者によって書かれた書籍であることが保証されます。

注意事項

  • 外部キー制約を作成する前に、必ず参照されるテーブルが存在していることを確認してください。
  • 外部キー制約を作成すると、その制約を削除するまで、参照されるテーブルのデータ構造を変更することはできません。



トリガー

トリガーは、データベース操作に応じて自動的に実行されるプログラムです。外部キー制約の参照整合性を保証するために、以下のトリガーを作成することができます。

  • INSERTトリガー: 子テーブルにレコードを挿入する前に、親テーブルに該当するレコードが存在することを確認するトリガーを作成します。
  • UPDATEトリガー: 子テーブルのレコードを更新する前に、親テーブルに該当するレコードが存在し、かつ更新後の値が有効な値であることを確認するトリガーを作成します。
-- 子テーブルにレコードを挿入する前に親テーブルに該当するレコードが存在することを確認するINSERTトリガー
CREATE TRIGGER before_insert_child
BEFORE INSERT ON 子テーブル名
FOR EACH ROW
BEGIN
  IF NOT EXISTS (
    SELECT 1
    FROM 親テーブル名
    WHERE ID = NEW.親カラム_ID
  ) THEN
    SIGNAL SQLSTATE '45000' SET MESSAGE_TEXT = '親レコードが存在しません';
  END IF;
END;

-- 子テーブルのレコードを更新する前に親テーブルに該当するレコードが存在し、かつ更新後の値が有効な値であることを確認するUPDATEトリガー
CREATE TRIGGER before_update_child
BEFORE UPDATE ON 子テーブル名
FOR EACH ROW
BEGIN
  IF NOT EXISTS (
    SELECT 1
    FROM 親テーブル名
    WHERE ID = NEW.親カラム_ID
  ) THEN
    SIGNAL SQLSTATE '45000' SET MESSAGE_TEXT = '親レコードが存在しません';
  END IF;

  -- 更新後の値が有効な値であることを確認する処理
END;

-- 親テーブルのレコードを削除する前に、そのレコードを参照している子テーブルのレコードをすべて削除するDELETEトリガー
CREATE TRIGGER before_delete_parent
BEFORE DELETE ON 親テーブル名
FOR EACH ROW
BEGIN
  DELETE FROM 子テーブル名
  WHERE 親カラム_ID = OLD.ID;
END;

アプリケーションロジック

アプリケーションロジックの中で、データベース操作を実行する前に、参照整合性をチェックする処理を実装することができます。

def insert_child_record(child_data, parent_id):
  # 親レコードが存在することを確認
  if not Parent.objects.filter(id=parent_id).exists():
    raise ValueError('親レコードが存在しません')

  # 子レコードを挿入
  Child.objects.create(parent_id=parent_id, **child_data)

def update_child_record(child_id, child_data, parent_id):
  # 親レコードが存在することを確認
  if not Parent.objects.filter(id=parent_id).exists():
    raise ValueError('親レコードが存在しません')

  # 子レコードを更新
  child = Child.objects.get(id=child_id)
  child.parent_id = parent_id
  child.update(child_data)

def delete_parent_record(parent_id):
  # そのレコードを参照している子レコードをすべて削除
  Child.objects.filter(parent_id=parent_id).delete()

  # 親レコードを削除
  Parent.objects.filter(id=parent_id).delete()

データベーススキーマ設計

データベーススキーマを適切に設計することで、参照整合性を保証することができます。具体的には、以下の方法が有効です。

  • エンティティ正規化: エンティティを適切に正規化することで、データ冗長性を排除し、参照整合性を保証しやすくなります。
  • 参照カラムのデータ型を適切に選択する: 参照カラムのデータ型を適切に選択することで、参照整合性を保証しやすくなります。例えば、主キーカラムは、一意制約が保証されたデータ型を選択する必要があります。
  • 1対1の関係の場合は、どちらかのテーブルに主キーカラムと外部キーカラムを定義し、もう一方のテーブルには主キーカラムのみを定義します。
  • 多対多の関係の場合は、中間テーブルを作成し、両方のテーブルから中間テーブルへの外部キーカ

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