SQL Server: 挿入パフォーマンスを劇的に向上させる！知っておくべきベストプラクティス
2024-07-27
SQL Serverにおける1回のINSERT文で挿入できる最大行数
SQL Serverにおいて、1回のINSERT文で挿入できる最大行数は、1,000行に制限されています。これは、INSERTステートメント内の行値式の数が1,000を超えると、以下のエラーが発生するためです。
INSERT ステートメントの行値式の数が、1000 行値の許容最大数を超えています。
制限の理由
この制限は、以下の理由により設けられています。
- ロック: 大量の行を挿入する場合、SQL Serverは長い間テーブルをロックする可能性があります。これは、他のユーザーがテーブルにアクセスできなくなることを意味します。
- メモリ使用量: 1回のINSERT文で挿入する行数が多いほど、SQL Serverが使用するメモリ量も多くなります。メモリ不足になると、パフォーマンスの低下やエラーが発生する可能性があります。
- パフォーマンス: 大量のデータを挿入する場合、1度に多くの行を挿入しようとすると、SQL Serverのパフォーマンスが低下する可能性があります。
制限を超えた場合の対処法
1回のINSERT文で1,000行を超えるデータを挿入する必要がある場合は、以下の方法で対処できます。
- インデックスを削除する: インデックスがあると、INSERT操作のパフォーマンスが低下する可能性があります。挿入後、インデックスを再作成します。
- BULK INSERTを使用する: BULK INSERTは、高速かつ効率的に大量のデータを挿入するための方法です。
- 複数回のINSERT文を使用する: 1,000行ごとにINSERT文を分割して実行します。
上記の制限は、SQL Server 2016以降のバージョンで適用されます。それ以前のバージョンのSQL Serverでは、制限が異なる場合があります。
-- 1,000行ごとにINSERT文を分割して実行
-- 1回目のINSERT文
INSERT INTO customers (customer_id, first_name, last_name, email)
VALUES
(1, 'John', 'Doe', '[email protected]'),
(2, 'Jane', 'Doe', '[email protected]'),
...
(999, 'Mary', 'Smith', '[email protected]');
-- 2回目のINSERT文
INSERT INTO customers (customer_id, first_name, last_name, email)
VALUES
(1000, 'Peter', 'Jones', '[email protected]'),
(1001, 'Linda', 'Jones', '[email protected]'),
...
(2000, 'Michael', 'Williams', '[email protected]');
-- ...
BULK INSERTを使用する場合
-- BULK INSERTを使用して大量のデータを挿入
BULK INSERT customers
FROM 'C:\customers.csv'
WITH (DATAFILETYPE = 'csv',
FIRSTROW = 2,
FORMAT = 'Delimited',
FIELDTERMINATOR = ',',
ROWTERMINATOR = '\n'
);
インデックスを削除してから挿入し、その後再作成する場合
-- インデックスを削除
DROP INDEX idx_customers_customer_id ON customers;
-- 大量のデータを挿入
INSERT INTO customers (customer_id, first_name, last_name, email)
-- ... (データソースを指定)
-- インデックスを再作成
CREATE INDEX idx_customers_customer_id ON customers (customer_id);
注意事項
- インデックスを削除すると、データの検索パフォーマンスが低下する可能性があります。
- BULK INSERTを使用する場合は、データファイルの形式とオプションを正しく設定する必要があります。
- 上記のコードはあくまで例であり、状況に合わせて変更する必要があります。
1回のINSERT文で挿入する行値式を複数に分割することで、1,000行の制限を超えることができます。具体的には、以下の方法が考えられます。
例:
WITH customer_data AS (
SELECT *
FROM customers_temp
WHERE customer_id BETWEEN 1 AND 1000
)
INSERT INTO customers (customer_id, first_name, last_name, email)
SELECT *
FROM customer_data;
バッチサイズを調整する
SQL Serverには、SET BATCHSIZEというオプションを使用して、1回のトランザクションで処理する行数を設定することができます。バッチサイズを大きくすることで、1回のINSERT文で挿入できる行数を増やすことができます。
SET BATCHSIZE = 2000;
INSERT INTO customers (customer_id, first_name, last_name, email)
-- ... (データソースを指定)
非同期処理を使用する
大量のデータを挿入する場合は、非同期処理を使用して、INSERT操作を複数のタスクに分割することができます。これにより、1回のINSERT文で挿入できる行数の制限を回避することができます。
-- 非同期処理を使用してデータを挿入
DECLARE @data TABLE (
customer_id INT,
first_name NVARCHAR(50),
last_name NVARCHAR(50),
email NVARCHAR(255)
);
INSERT INTO @data
-- ... (データソースを指定)
-- 非同期的にデータを挿入する
BEGIN TRANSACTION;
INSERT INTO customers
SELECT *
FROM @data;
COMMIT;
- 非同期処理を使用する場合は、デッドロックなどの問題が発生する可能性があります。
- バッチサイズを大きくすると、メモリの使用量が増加する可能性があります。
- 上記の方法を使用する場合は、パフォーマンスとロックの問題に注意する必要があります。
SQL Serverで1回のINSERT文で挿入できる最大行数を増やす方法はいくつかあります。状況に合わせて適切な方法を選択してください。
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