「ContextSwitchDeadlock」エラーって何？C#、SQL Server、Visual Studio での発生原因と解決方法
Visual Studio で発生する "ContextSwitchDeadlock" エラーの詳細解説
この解説では、"ContextSwitchDeadlock" エラーの原因と解決方法について、C#、SQL Server、Visual Studio に関連するプログラミングに焦点を当てて、分かりやすく日本語で説明します。
"ContextSwitchDeadlock" エラーは、Visual Studio のマネージド デバッグ アシスタント (MDA) によって発生する警告です。これは、COM コンテキスト間のスレッド切り替えが 60 秒間以上行われていないことを示します。
エラー発生の原因
"ContextSwitchDeadlock" エラーが発生する主な原因は、以下の2つです。
シングルスレッド アパートメント (STA) スレッドがメッセージを処理していない
STA スレッドは、メッセージ処理を行うスレッドです。STA スレッドがメッセージ処理を行わずに長時間待機したり、長時間の処理を行ったりしていると、"ContextSwitchDeadlock" エラーが発生します。
ファイナライザスレッドが COM コンポーネントの解放を待機している
ファイナライザスレッドは、不要になったオブジェクトを解放するスレッドです。ファイナライザスレッドが、アンマネージド COM コンポーネントの解放を待機している場合、"ContextSwitchDeadlock" エラーが発生する可能性があります。
エラーの解決方法
STA スレッドがメッセージ処理を行うようにするには、以下の方法があります。
Application.DoEvents()メソッドを定期的に呼び出すSystem.Windows.Forms.Timerコントロールを使用するSystem.Threading.Thread.Sleep(0)メソッドを使用する
ファイナライザスレッドが待機する時間を短縮するには、以下の方法があります。
GC.Collect()メソッドを呼び出すSystem.Runtime.InteropServices.ComUnregisterFunction()関数を使用する
"ContextSwitchDeadlock" エラーが頻繁に発生する場合は、MDA を無効にすることで警告を表示させないようにすることができます。
MDA を無効にするには、以下の手順を行います。
- Visual Studio のメニューバーから デバッグ > 例外 を選択します。
- マネージド デバッグ アシスタント ノードを展開します。
- ContextSwitchDeadlock チェックボックスをオフにします。
補足
"ContextSwitchDeadlock" エラーは、必ずしもコードの問題を示しているわけではありません。しかし、このエラーが発生した場合は、原因を特定して適切な対策を講じる必要があります。
"ContextSwitchDeadlock" エラー発生例
using System;
using System.Threading;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// STA スレッドを作成
Thread thread = new Thread(new ThreadStart(ThreadProc));
thread.SetApartmentState(ApartmentState.STA);
thread.Start();
// メインスレッドで長時間処理を行う
for (int i = 0; i < 1000000; i++)
{
// 何もしない
}
// STA スレッドを終了
thread.Join();
}
static void ThreadProc()
{
// メッセージ処理を行う
while (true)
{
Application.DoEvents();
}
}
}
このコードを実行すると、"ContextSwitchDeadlock" エラーが発生します。
エラー解決方法
このエラーを解決するには、以下の方法があります。
改良コード
以下のコードは、Application.DoEvents() メソッドを定期的に呼び出すことで、"ContextSwitchDeadlock" エラーを解決した例です。
using System;
using System.Threading;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// STA スレッドを作成
Thread thread = new Thread(new ThreadStart(ThreadProc));
thread.SetApartmentState(ApartmentState.STA);
thread.Start();
// メインスレッドで処理を行う
for (int i = 0; i < 1000000; i++)
{
// 100回ループごとにメッセージ処理を行う
if (i % 100 == 0)
{
Application.DoEvents();
}
}
// STA スレッドを終了
thread.Join();
}
static void ThreadProc()
{
// メッセージ処理を行う
while (true)
{
Application.DoEvents();
}
}
}
"ContextSwitchDeadlock" エラーは、STA スレッドが長時間メッセージ処理を行わない場合に発生します。このエラーを解決するには、STA スレッドが定期的にメッセージ処理を行うようにする必要があります。
"ContextSwitchDeadlock" エラーの解決方法：その他の方法
using System;
using System.Threading;
using System.Windows.Forms;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// STA スレッドを作成
Thread thread = new Thread(new ThreadStart(ThreadProc));
thread.SetApartmentState(ApartmentState.STA);
thread.Start();
// タイマーを作成
Timer timer = new Timer();
timer.Interval = 100; // 100ミリ秒間隔でメッセージ処理を行う
timer.Tick += new EventHandler(Timer_Tick);
timer.Start();
// メインスレッドで長時間処理を行う
for (int i = 0; i < 1000000; i++)
{
// 何もしない
}
// STA スレッドを終了
thread.Join();
}
static void ThreadProc()
{
// メッセージ処理を行う
while (true)
{
Application.DoEvents();
}
}
static void Timer_Tick(object sender, EventArgs e)
{
// メッセージ処理を行う
Application.DoEvents();
}
}
using System;
using System.Threading;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// STA スレッドを作成
Thread thread = new Thread(new ThreadStart(ThreadProc));
thread.SetApartmentState(ApartmentState.STA);
thread.Start();
// メインスレッドで処理を行う
for (int i = 0; i < 1000000; i++)
{
// 100回ループごとにスレッドを短時間休止させる
if (i % 100 == 0)
{
Thread.Sleep(0);
}
}
// STA スレッドを終了
thread.Join();
}
static void ThreadProc()
{
// メッセージ処理を行う
while (true)
{
Application.DoEvents();
}
}
}
デバッグ時の設定を変更する
Visual Studio のデバッグ設定を変更することで、"ContextSwitchDeadlock" エラーの発生を抑止することができます。
方法
- タイムアウト > スレッド切り替えのタイムアウト 値を大きくします。
注意事項
この設定を変更すると、デバッグ処理が長時間になる可能性があります。
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