エンティティ関係データベース プログラミング入門
エンティティ関係データベースのプログラミング解説
ERDB プログラミングは、データベースにエンティティと関係を定義し、データの操作を行うためのコードを書くことです。主なプログラミング言語は SQL ですが、Python や Java などの汎用プログラミング言語も使用できます。
エンティティ
エンティティは、データベースで管理される実世界のオブジェクトです。例えば、顧客、商品、注文などがエンティティとなります。エンティティは、属性 と呼ばれる特性を持ちます。顧客エンティティであれば、名前、住所、電話番号などが属性となります。
関係
関係は、エンティティ間の関連性を表します。例えば、顧客と注文の関係は、顧客が注文を行うという関連性を表します。関係は、主キー と 外部キー を用いてエンティティと関連付けられます。主キーはエンティティを一意に識別する属性であり、外部キーは別のエンティティの主キーを参照する属性です。
ERDB プログラミングは、以下の手順で行われます。
-
ER図の作成
- エンティティと関係を定義します。
- エンティティの属性と関係の主キー・外部キーを定義します。
-
データベースの作成
- ER図に基づいて、データベーススキーマを作成します。
- SQL を使用して、テーブル、列、制約などを定義します。
-
データの操作
プログラミング言語
ERDB プログラミングには、主に以下のプログラミング言語が使用されます。
-
SQL
- データベース操作に特化した言語
- ERDB プログラミングで最も広く使用される言語
-
Python -汎用プログラミング言語
ERDB は、データを論理的に構造化し、管理するための有効な手段です。ERDB プログラミングは、データベースの設計、構築、運用に欠かせない技術です。
ER図
顧客
- 顧客ID (主キー)
- 名前
- 住所
- 電話番号
注文
- 注文ID (主キー)
- 顧客ID (外部キー)
- 商品ID (外部キー)
- 注文日
- 配送先
商品
- 商品ID (主キー)
- 商品名
- 価格
- 在庫数
SQL コード
-- テーブル作成
CREATE TABLE 顧客 (
顧客ID INT PRIMARY KEY,
名前 VARCHAR(255) NOT NULL,
住所 VARCHAR(255) NOT NULL,
電話番号 VARCHAR(255) NOT NULL
);
CREATE TABLE 注文 (
注文ID INT PRIMARY KEY,
顧客ID INT NOT NULL,
商品ID INT NOT NULL,
注文日 DATETIME NOT NULL,
配送先 VARCHAR(255) NOT NULL,
FOREIGN KEY (顧客ID) REFERENCES 顧客(顧客ID),
FOREIGN KEY (商品ID) REFERENCES 商品(商品ID)
);
CREATE TABLE 商品 (
商品ID INT PRIMARY KEY,
商品名 VARCHAR(255) NOT NULL,
価格 INT NOT NULL,
在庫数 INT NOT NULL
);
-- データ挿入
INSERT INTO 顧客 (顧客ID, 名前, 住所, 電話番号)
VALUES (1, '山田 太郎', '東京都渋谷区', '03-1234-5678');
INSERT INTO 顧客 (顧客ID, 名前, 住所, 電話番号)
VALUES (2, '佐藤 花子', '大阪府大阪市', '06-9876-5432');
INSERT INTO 商品 (商品ID, 商品名, 価格, 在庫数)
VALUES (1, 'Tシャツ', 1000, 10);
INSERT INTO 商品 (商品ID, 商品名, 価格, 在庫数)
VALUES (2, 'ノート', 500, 20);
INSERT INTO 注文 (注文ID, 顧客ID, 商品ID, 注文日, 配送先)
VALUES (1, 1, 1, '2024-03-31', '東京都渋谷区');
INSERT INTO 注文 (注文ID, 顧客ID, 商品ID, 注文日, 配送先)
VALUES (2, 2, 2, '2024-03-31', '大阪府大阪市');
-- データ検索
SELECT * FROM 顧客;
SELECT * FROM 商品;
SELECT * FROM 注文;
SELECT 顧客.名前, 商品.商品名
FROM 注文
INNER JOIN 顧客 ON 注文.顧客ID = 顧客.顧客ID
INNER JOIN 商品 ON 注文.商品ID = 商品.商品ID;
このコードは、顧客、注文、商品のテーブルを作成し、データの挿入、検索を行う例です。
ERDB プログラミングは、データベースの種類や規模によって、様々な方法で実装できます。より複雑なアプリケーション開発には、フレームワークやライブラリの利用も検討しましょう。
ERDB プログラミングの他の方法
オブジェクト指向プログラミング (OOP) を使用して、エンティティと関係をオブジェクトとして表現できます。OOP は、エンティティ間の複雑な関係を表現するのに適しています。
代表的な言語:
- C++
- Python
特徴:
- エンティティと関係をオブジェクトとして表現
- 複雑な関係を表現しやすい
- コードの再利用性が高い
フレームワーク
ERDB プログラミングを容易にするフレームワークが多数存在します。フレームワークは、データベースとの接続、データの操作、スキーマの管理などを簡略化できます。
代表的なフレームワーク:
- Hibernate (Java)
- Spring Data (Java)
- Django (Python)
- SQLAlchemy (Python)
- データベースとの接続、データの操作、スキーマの管理などを簡略化
- 開発効率を向上
- コードの保守性を向上
ORM ツール
ORM (Object-Relational Mapping) ツールは、エンティティと関係をオブジェクトとマッピングし、データベースとのアクセスを抽象化します。ORM ツールを使うことで、SQL を直接記述することなく、オブジェクト指向のコードでデータベース操作を行うことができます。
- SQL を直接記述することなく、オブジェクト指向のコードでデータベース操作
上記の以外にも、NoSQL データベースなど、ERDB 以外のデータベースを使用する選択肢もあります。NoSQL データベースは、構造化されていないデータを扱う場合に有効です。
代表的な NoSQL データベース:
- MongoDB
- Cassandra
- Redis
- 構造化されていないデータを扱える
- 柔軟性が高い
- スケーラビリティが高い
ERDB プログラミングには、SQL 以外にも様々な方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、開発するアプリケーションや環境によって最適な方法は異なります。
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