データベースのNULL値を制する:PostgreSQLにおける不等号とNULLの達人ガイド
PostgreSQLにおける不等号とNULL
PostgreSQLで不等号とNULLを扱う場合、直感とは異なる挙動が見られることがあります。このチュートリアルでは、<>や**!=などの不等号演算子と、IS NULLやIS NOT NULL**などのNULLチェック演算子を使用する際の注意点について解説します。
不等号演算子とNULL
PostgreSQLの不等号演算子(<>や**!=**)は、2つの値を直接比較します。しかし、一方または両方の値がNULLの場合、結果は予期しないものになる可能性があります。
例:
SELECT 10 <> NULL;
このクエリは、TRUEを返します。これは直感的に正しいように思えるかもしれませんが、NULLは他のどの値とも等しくありません。PostgreSQLの不等号演算子は、NULLを別の不明な値として扱い、真偽判定を論理式で行うためです。
IS NULLとIS NOT NULL
IS NULLとIS NOT NULL演算子は、NULLかどうかを直接検査します。これらの演算子は、不等号演算子よりもNULLの扱いが明確です。
SELECT 10 IS NULL;
このクエリは、FALSEを返します。
NULLの扱いに関する注意点
- 不等号演算子を使用する場合は、NULLが別の値として扱われることを常に念頭に置いてください。
- NULLかどうかを明確に判断したい場合は、IS NULLまたはIS NOT NULL演算子を使用してください。
- CASE WHEN式を使用すると、NULL値を別の値として処理することもできます。
例
SELECT column_name
FROM table_name
WHERE column_name IS NOT NULL
OR column_name = '特定の値';
このクエリは、column_nameがNULLではないまたは特定の値に等しいすべての行を返します。
PostgreSQLにおける不等号とNULL:サンプルコード
この例では、不等号演算子(<>)を使用してNULLを比較します。
-- customersテーブルにcustomer_id、name、email列があるとする
-- customer_idはプライマリキーであり、NULL不可である
-- nameはNULL可である
-- emailはNULL可である
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_id <> NULL
AND name <> NULL
AND email <> NULL;
このクエリは、customer_id、name、emailがすべてNULLではないすべての顧客レコードを返します。
この例では、IS NULLとIS NOT NULL演算子を使用してNULLを検査します。
-- 上記と同じcustomersテーブルを使用する
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_id IS NOT NULL
AND (name IS NOT NULL OR name = 'John Doe')
AND email IS NULL;
このクエリは、customer_idがNULLではない、nameがNULLではないまたは**'John Doe'である、emailがNULLであるすべての顧客レコード**を返します。
例 3:CASE WHEN式
この例では、CASE WHEN式を使用してNULL値を別の値として処理します。
-- 上記と同じcustomersテーブルを使用する
SELECT customer_id,
name,
CASE WHEN email IS NULL THEN 'no email provided' ELSE email END AS email
FROM customers;
PostgreSQLにおける不等号とNULL:その他の方法
COALESCE関数
SELECT column_name
FROM table_name
WHERE column_name IS NOT NULL
OR COALESCE(column_name, 'デフォルト値') = '特定の値';
NULLIF関数
NULLIF関数を使用すると、2つの値が等しい場合にNULLを返します。
SELECT column_name
FROM table_name
WHERE column_name <> NULLIF(column_name, '特定の値');
EXISTSおよびNOT EXISTSサブクエリ
EXISTSおよびNOT EXISTSサブクエリを使用して、関連テーブルのデータに基づいてNULLを処理することもできます。
-- ordersテーブルにorder_id、customer_id列があるとする
-- customer_idはordersテーブルとcustomersテーブルの外部キーである
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_id NOT EXISTS (
SELECT 1
FROM orders
WHERE customer_id = customers.customer_id
);
このクエリは、ordersテーブルに対応する注文がないすべての顧客**を返します。
これらの方法は、PostgreSQLにおける不等号とNULLを扱うための柔軟なオプションを提供します。
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