PHP, MySQL, SQL Serverで知っておきたいINSERT INTO... SELECT... ON DUPLICATE KEY UPDATE affecting 0 rows
MariaDB INSERT INTO... SELECT... ON DUPLICATE KEY UPDATE affecting 0 rows のプログラミング解説
MariaDBのINSERT INTO... SELECT... ON DUPLICATE KEY UPDATE
ステートメントは、データ挿入と更新を効率的に行うための便利な機能です。このステートメントは、挿入しようとしたデータが既存のレコードと重複する場合、既存のレコードを更新するように動作します。
影響行数
このステートメントを実行した際に表示される「影響行数」は、以下の3つのケースに対応しています。
- 重複なし: 0行
- 既存行更新: 2行
- 新規行挿入: 1行
0行の影響行数
影響行数が0行の場合、以下の原因が考えられます。
- UNIQUEキーまたはPRIMARYキーの制約違反: 挿入しようとしたデータが、UNIQUEキーまたはPRIMARYキーの制約に違反する場合、エラーが発生し、処理が中断されます。
- SELECT句からのデータがない:
SELECT
句で取得したデータがない場合、挿入処理も更新処理も実行されません。 - 重複するレコードが存在しない: 挿入しようとしたデータが既存のレコードと一致しないため、更新処理も実行されません。
詳細解説
動作例
以下の例は、users
テーブルにデータ挿入と更新を行うステートメントです。
INSERT INTO users (id, name, email)
SELECT id, name, email
FROM users_temp
ON DUPLICATE KEY UPDATE email = '[email protected]';
このステートメントは、users_temp
テーブルからusers
テーブルへデータ挿入を行います。もしusers
テーブルに挿入しようとしたデータと一致するレコードが存在する場合、そのレコードのemail
列のみを[email protected]
に更新します。
プログラミングでの利用
INSERT INTO... SELECT... ON DUPLICATE KEY UPDATE
ステートメントは、PHPなどのプログラミング言語でデータベース操作を行うライブラリやフレームワークで利用できます。
注意事項
- 既存のレコードを更新する処理は、意図しないデータ変更につながる可能性があるため、注意が必要です。
- 複数のUNIQUEキーまたはPRIMARYキーが存在する場合は、どのキーで重複を判断するかを明確にする必要があります。
ON DUPLICATE KEY UPDATE
句で更新する列は、UNIQUEキーまたはPRIMARYキーを含むことができません。
代替手段
UPDATE
ステートメント: 既存のレコードを直接更新します。REPLACE
ステートメント: 既存のレコードを削除してから挿入を行います。INSERT IGNORE
ステートメント: 重複するレコードを無視して挿入を行います。
INSERT INTO... SELECT... ON DUPLICATE KEY UPDATE
ステートメントは、データ挿入と更新を効率的に行うための便利な機能ですが、動作を理解した上で適切に利用する必要があります。
- 他のデータベース管理システムでは、
INSERT INTO... SELECT... ON DUPLICATE KEY UPDATE
ステートメントの動作が異なる場合があります。 - 本解説は、MariaDB 10.5を対象としています。
<?php
$mysqli = new mysqli("localhost", "username", "password", "dbname");
if ($mysqli->connect_error) {
die("Connection failed: " . $mysqli->connect_error);
}
$sql = "INSERT INTO users (id, name, email)
SELECT id, name, email
FROM users_temp
ON DUPLICATE KEY UPDATE email = '[email protected]';";
if ($mysqli->query($sql) === TRUE) {
echo "Data inserted/updated successfully.";
} else {
echo "Error: " . $mysqli->error;
}
$mysqli->close();
説明
mysqli_query()
関数を使用してステートメントを実行し、成功した場合と失敗した場合の処理を記述しています。- 既存のレコードと一致するレコードの
email
列は、[email protected]
に更新されます。 INSERT INTO... SELECT... ON DUPLICATE KEY UPDATE
ステートメントを使用して、users_temp
テーブルからusers
テーブルへデータ挿入と更新を行います。- このコードは、MySQLi拡張機能を使用してMariaDBに接続します。
- データベースへの接続情報やテーブル名などは、ご自身の環境に合わせて変更してください。
- このコードはあくまで例であり、実際の環境に合わせて変更する必要があります。
改善点
- トランザクション処理を使用する
- パラメータ化されたクエリを使用する
- エラー処理をより詳細にする
REPLACE INTO
ステートメントは、既存のレコードを削除してから、新しいレコードを挿入します。INSERT INTO... SELECT... ON DUPLICATE KEY UPDATE
ステートメントと異なり、既存のレコードを更新することはできません。
利点
- 既存のレコードを確実に置き換えることができる
- シンプルで分かりやすい構文
欠点
- 更新処理ができない
- 既存のレコードを完全に削除するため、データ損失のリスクがある
例
REPLACE INTO users (id, name, email)
SELECT id, name, email
FROM users_temp;
INSERT IGNORE
- エラー処理が不要
- 既存のレコードを確実に保持できる
- 重複レコードを処理できない
INSERT IGNORE INTO users (id, name, email)
SELECT id, name, email
FROM users_temp;
UPDATE ステートメント
- WHERE句を使用して、更新対象レコードを絞り込むことができる
- 新しいレコードを挿入できない
- 複雑な構文になる場合がある
UPDATE users
SET email = '[email protected]'
WHERE id IN (SELECT id FROM users_temp);
MERGE ステートメント
MERGE
ステートメントは、INSERT
とUPDATE
を組み合わせたような機能です。既存のレコードと一致するレコードは更新し、一致しないレコードは挿入します。
- 複雑な更新処理にも対応できる
INSERT
とUPDATE
の両方の処理を1つのステートメントで行える
- 構文が複雑になる場合がある
- 比較的新しい機能であり、対応していないデータベース管理システムもある
MERGE INTO users AS t
USING users_temp AS s
ON t.id = s.id
WHEN MATCHED THEN
UPDATE SET email = s.email
WHEN NOT MATCHED THEN
INSERT (id, name, email) VALUES (s.id, s.name, s.email);
上記の以外にも、カスタムロジックを使用して重複レコードの処理を行うこともできます。ただし、複雑になりやすく、メンテナンスが大変になる可能性があるため、注意が必要です。
選択の指針
どの方法を選択するかは、以下の要素を考慮する必要があります。
- 開発者のスキル
- プログラミング言語
- データベース管理システム
- 重複レコードの処理方法(無視、更新、削除など)
- 処理内容(挿入、更新、削除など)
php mysql sql-server