LAST_INSERT_ID()関数でSCOPE_IDENTITY()の代わりにできること
MySQLにおけるSCOPE_IDENTITY()関数の同等機能
SCOPE_IDENTITY()
は、Microsoft SQL Serverで使用される関数で、直前に挿入された行の自動生成されたIDを取得するために使用されます。MySQLでは、SCOPE_IDENTITY()
関数と同等の機能をいくつかの方法で実現できます。
方法
- LAST_INSERT_ID()関数
LAST_INSERT_ID()
関数は、最後に挿入された行のIDを取得します。これはSCOPE_IDENTITY()
関数と最も似ていますが、いくつかの違いがあります。
LAST_INSERT_ID()
は、接続されているスレッド内で最後に挿入された行のIDのみを取得します。SCOPE_IDENTITY()
は、現在のスコープ内で最後に挿入された行のIDを取得します。LAST_INSERT_ID()
は、IDENTITY
列を持つテーブルにのみ使用できます。SCOPE_IDENTITY()
は、IDENTITY
列を持たないテーブルでも使用できます。
例
INSERT INTO users (name, email) VALUES ("John Doe", "[email protected]");
# 最後に挿入された行のIDを取得
SELECT LAST_INSERT_ID();
- @@IDENTITY変数
@@IDENTITY
は、セッション全体で最後に挿入された行のIDを格納します。LAST_INSERT_ID()
は、接続されているスレッド内で最後に挿入された行のIDのみを格納します。
INSERT INTO users (name, email) VALUES ("John Doe", "[email protected]");
# 最後に挿入された行のIDを取得
SELECT @@IDENTITY;
- トリガー
トリガーを使用して、挿入操作後に自動的にIDを取得することもできます。
CREATE TRIGGER after_insert_user
AFTER INSERT ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
# 挿入された行のIDを取得
SELECT LAST_INSERT_ID() INTO @user_id;
# IDを使用して何か処理を行う
...
END;
- 最後に挿入された行のIDをすぐに取得したい場合は、
LAST_INSERT_ID()
関数または@@IDENTITY
変数を使用するのが最も簡単です。 - 現在のスコープ内で最後に挿入された行のIDを取得したい場合は、
LAST_INSERT_ID()
関数を使用する必要があります。 - 挿入操作後にIDを使用して何か処理を行う場合は、トリガーを使用するのが最善の方法です。
# usersテーブルにデータ挿入
INSERT INTO users (name, email) VALUES ("John Doe", "[email protected]");
# 最後に挿入された行のIDを取得
SELECT LAST_INSERT_ID();
@@IDENTITY変数を使用したサンプルコード
# usersテーブルにデータ挿入
INSERT INTO users (name, email) VALUES ("John Doe", "[email protected]");
# 最後に挿入された行のIDを取得
SELECT @@IDENTITY;
トリガーを使用したサンプルコード
# トリガーを作成
CREATE TRIGGER after_insert_user
AFTER INSERT ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
# 挿入された行のIDを取得
SELECT LAST_INSERT_ID() INTO @user_id;
# IDを使用して何か処理を行う
# 例:別のテーブルにデータを挿入
INSERT INTO user_details (user_id, age) VALUES (@user_id, 30);
END;
# usersテーブルにデータ挿入
INSERT INTO users (name, email) VALUES ("John Doe", "[email protected]");
# user_detailsテーブルにデータが挿入されていることを確認
SELECT * FROM user_details;
他の方法
情報スキーマテーブルを使用する
MySQLの情報スキーマテーブルには、挿入された行のIDに関する情報が含まれています。これらのテーブルを使用して、SCOPE_IDENTITY()
関数と同等の結果を取得できます。
# usersテーブルにデータ挿入
INSERT INTO users (name, email) VALUES ("John Doe", "[email protected]");
# 最後に挿入された行のIDを取得
SELECT LAST_INSERT_ID() FROM information_schema.tables WHERE table_name = 'users';
GENERATED_ALWAYS属性を使用する
MySQL 8.0以降では、GENERATED_ALWAYS
属性を使用して、自動生成された列の値を常に取得できます。
CREATE TABLE users (
id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
email VARCHAR(255) NOT NULL,
created_at TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP
);
# usersテーブルにデータ挿入
INSERT INTO users (name, email) VALUES ("John Doe", "[email protected]");
# 挿入された行のIDを取得
SELECT id FROM users WHERE name = 'John Doe';
カスタム関数を使用する
独自の関数を作成して、SCOPE_IDENTITY()
関数の同等機能を実現することもできます。
DELIMITER //
CREATE FUNCTION get_last_insert_id() RETURNS INT
BEGIN
DECLARE last_insert_id INT;
# 最後に挿入された行のIDを取得
SELECT LAST_INSERT_ID() INTO last_insert_id;
RETURN last_insert_id;
END;
//
# usersテーブルにデータ挿入
INSERT INTO users (name, email) VALUES ("John Doe", "[email protected]");
# 最後に挿入された行のIDを取得
SELECT get_last_insert_id();
- より多くの制御が必要な場合は、情報スキーマテーブルを使用するか、カスタム関数を作成することができます。
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