SQLite EXCEPTとALTER TABLEでデータベースを賢く操る:重複データの除去からデータ分析まで

2024-06-25

SQLiteにおけるEXCEPTとALTER TABLEの活用ガイド

SQLiteは、軽量で使いやすいオープンソースのデータベース管理システムです。EXCEPTとALTER TABLEは、SQLiteでデータを操作する際に役立つ重要なコマンドです。このガイドでは、これらのコマンドの機能と使用方法をわかりやすく解説します。

EXCEPTコマンドは、2つのクエリの結果セットを比較し、最初のクエリで取得された行のうち、2番目のクエリで取得されなかった行のみを抽出するものです。つまり、2つのクエリで共通する行を除外することで、差異のみを抽出できます。

構文

SELECT *
FROM table1
EXCEPT
SELECT *
FROM table2;

以下の例では、customersテーブルとordersテーブルを使用して、注文を行っていない顧客のリストを取得します。

SELECT *
FROM customers
EXCEPT
SELECT customer_id
FROM orders;

ALTER TABLEコマンドは、既存のテーブルの構造を変更するために使用されます。具体的には、列の追加、削除、変更、名前の変更などが可能です。

ALTER TABLE table_name
ALTER COLUMN column_name data_type;

以下の例では、customersテーブルに新しい列emailを追加します。

ALTER TABLE customers
ADD COLUMN email TEXT;

EXCEPTとALTER TABLEを組み合わせることで、より複雑なデータ操作を行うことができます。例えば、以下の例では、customersテーブルとordersテーブルを使用して、注文を行っていない顧客のリストを取得し、そのリストにemail列を追加します。

SELECT *, 'added' AS order_status
FROM (
  SELECT *
  FROM customers
  EXCEPT
  SELECT customer_id
  FROM orders
) AS customers_without_orders
UNION ALL
SELECT *, 'removed' AS order_status
FROM (
  SELECT customer_id
  FROM orders
  EXCEPT
  SELECT *
  FROM customers
) AS customers_with_orders;

EXCEPTとALTER TABLEは、SQLiteでデータを操作する際に役立つ重要なコマンドです。これらのコマンドを組み合わせることで、より複雑なデータ操作を行うことができます。

    補足

    • EXCEPTコマンドは、結果セットの行を比較します。列を比較することはできません。
    • ALTER TABLEコマンドは、既存のテーブルのみを変更できます。新しいテーブルを作成するには、CREATE TABLEコマンドを使用します。



    SQLiteにおけるEXCEPTとALTER TABLEのサンプルコード

    このセクションでは、EXCEPTとALTER TABLEコマンドを実際に使用する際の参考となるサンプルコードを紹介します。

    例1:EXCEPTによる重複データの削除

    -- customersテーブルとordersテーブルを作成
    CREATE TABLE customers (
      customer_id INTEGER PRIMARY KEY,
      name TEXT
    );
    
    CREATE TABLE orders (
      order_id INTEGER PRIMARY KEY,
      customer_id INTEGER,
      order_date DATE,
      FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
    );
    
    -- customersテーブルにデータ挿入
    INSERT INTO customers (customer_id, name) VALUES
      (1, 'Alice'),
      (2, 'Bob'),
      (3, 'Charlie'),
      (2, 'Bob');
    
    -- ordersテーブルにデータ挿入
    INSERT INTO orders (customer_id, order_date) VALUES
      (1, '2023-10-01'),
      (2, '2023-11-01'),
      (1, '2023-12-01'),
      (3, '2024-01-01');
    
    -- 重複する顧客レコードを削除
    DELETE FROM customers
    WHERE customer_id IN (
      SELECT customer_id
      FROM customers
      EXCEPT
      SELECT DISTINCT customer_id
      FROM orders
    );
    

    例2:ALTER TABLEによる列の追加

    -- customersテーブルにemail列を追加
    ALTER TABLE customers
    ADD COLUMN email TEXT;
    
    -- customersテーブルにemailデータ挿入
    UPDATE customers
    SET email = '[email protected]'
    WHERE customer_id = 1;
    
    UPDATE customers
    SET email = '[email protected]'
    WHERE customer_id = 2;
    
    UPDATE customers
    SET email = '[email protected]'
    WHERE customer_id = 3;
    

    例3:EXCEPTとALTER TABLEの組み合わせ

    -- 注文を行っていない顧客のリストを取得
    SELECT *, 'added' AS order_status
    FROM (
      SELECT *
      FROM customers
      EXCEPT
      SELECT customer_id
      FROM orders
    ) AS customers_without_orders
    UNION ALL
    SELECT *, 'removed' AS order_status
    FROM (
      SELECT customer_id
      FROM orders
      EXCEPT
      SELECT *
      FROM customers
    ) AS customers_with_orders;
    
    -- 取得したリストにemail列を追加
    ALTER TABLE customers_without_orders
    ADD COLUMN email TEXT;
    
    -- 取得したリストにemailデータ挿入
    UPDATE customers_without_orders
    SET email = '[email protected]'
    WHERE customer_id = 1;
    
    -- 注意事項
    
    * 上記の例はあくまでもサンプルであり、実際の使用状況に合わせて変更する必要があります。
    * ALTER TABLEコマンドを使用する前に、必ずデータのバックアップを取っておくことをお勧めします。
    



    SQLiteで重複行を削除するには、EXCEPT以外にもいくつかの方法があります。ここでは、代表的な3つの方法を紹介します。

    DISTINCTキーワードは、SELECTクエリの結果から重複する行を除外するために使用できます。

    SELECT DISTINCT column1, column2, ...
    FROM table_name;
    
    SELECT DISTINCT name
    FROM customers;
    

    GROUP BY句は、列をグループ化し、各グループに対して集計値を計算するために使用できます。重複行を削除するには、GROUP BY句とCOUNT関数を使用します。

    SELECT column1, COUNT(*) AS count
    FROM table_name
    GROUP BY column1;
    
    SELECT name, COUNT(*) AS count
    FROM customers
    GROUP BY name
    HAVING count = 1;
    

    CTE (Common Table Expression)

    CTEは、一時的な結果セットを定義するために使用できるサブクエリです。重複行を削除するには、CTEとNOT IN句を使用します。

    WITH temp_table AS (
      SELECT *
      FROM table_name
    )
    SELECT *
    FROM temp_table
    WHERE rowid NOT IN (
      SELECT rowid
      FROM temp_table
      ORDER BY rowid
      OFFSET 1
    );
    
    WITH temp_table AS (
      SELECT *
      FROM customers
      ORDER BY name
    )
    SELECT *
    FROM temp_table
    WHERE rowid NOT IN (
      SELECT rowid
      FROM temp_table
      ORDER BY rowid
      OFFSET 1
    );
    

    EXCEPT以外にも、DISTINCTキーワード、GROUP BY句、CTEを使用してSQLiteで重複行を削除することができます。それぞれの方法には長所と短所があるので、状況に合わせて適切な方法を選択してください。

    長所と短所

    方法長所短所
    EXCEPTシンプルでわかりやすい複雑な条件での削除には不向き
    DISTINCT複数の列での重複行削除が可能集計値の取得には不向き
    GROUP BY集計値の取得と重複行削除を同時に可能比較的複雑な構文
    CTE柔軟性が高い可読性が低い場合がある
    • 上記の方法以外にも、サブクエリやウィンドウ関数を使用して重複行を削除することもできます。
    • どの方法を選択する場合も、必ずデータのバックアップを取っておくことをお勧めします。

    sqlite


    INSERT INTO SELECTステートメントでデータをコピーする

    方法INSERT ステートメントを使って、挿入する列と値を指定します。VALUES キーワードを使って、挿入する行のデータのリストを指定します。複数の行を挿入するには、VALUES キーワードの後に複数のデータのリストをカンマで区切って指定します。...


    データ管理を効率化!SQLite の SELECT INTO ステートメントをマスターしよう

    例:SELECT 句でコピーしたい列を指定します。INTO 句で新しいテーブルの名前を指定します。FROM 句でデータを取得する既存のテーブルを指定します。WHERE 句はオプションで、コピーするデータの条件を指定できます。SELECT INTO ステートメントの利点:...


    Android SQLite 主キーの選び方:パフォーマンス、ストレージ、一意性、使いやすさを考慮

    結論から言うと、GUIDを主キーとして使用することは できます が 、 いくつかの 注意点 があります。GUID (Globally Unique Identifier) は、128ビットのランダムな値で構成される識別子です。UUID (Universally Unique Identifier) とも呼ばれます。GUIDは、ネットワーク上のデバイスやデータ項目を一意に識別するために使用されます。...


    【最新版】Entity Framework Core 6.0.2とSystem.Data.SQLite 1.0.91.0でできること

    C# は、Microsoft が開発した汎用プログラミング言語です。Web アプリケーション、デスクトップ アプリケーション、ゲーム開発など、幅広い用途で利用されています。Entity Framework Core (EF) は、C# 用のオブジェクト関係マッピング (ORM) フレームワークです。ORM は、データベースとオブジェクト指向のアプリケーションコードの間の橋渡し役を果たし、データベース操作をより簡単かつ効率的に行うことを可能にします。...


    Entity Framework Core Code First で SQLite を使用する際のエラー 14: 'データベース ファイルを開くことができません' - 原因と解決策

    Entity Framework Core Code First で SQLite を使用する場合、データベース ファイルを開く際にエラー 14: 'データベース ファイルを開くことができません' が発生することがあります。これは、通常、以下のいずれかの原因が考えられます。...


    SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



    PythonでATTACHコマンドを使って開いたSQLiteデータベースのテーブル一覧を表示する

    SQLiteデータベースファイルを開いた後、ATTACHコマンドを使って別のデータベースファイルを接続すると、複数のデータベースをまとめて操作できます。この場合、接続されたデータベースのテーブル一覧を表示する方法について解説します。手順以下の手順で、ATTACHコマンドを使って開いたデータベースのテーブル一覧を表示できます。


    SQLite 複合主キーとFOREIGN KEY制約の連携

    SQLiteで複数の列に主キーを設定するには、CREATE TABLE ステートメントで PRIMARY KEY 制約を指定します。具体的には、以下の2つの方法があります。列名をカンマで区切るPRIMARY KEY 制約を複数回指定するどちらの方法でも、複合主キーとして指定された列の組み合わせは、テーブル内のすべての行で一意である必要があります。


    sqlite_master テーブル、pragma_table_info、EXISTS キーワードを使ったテーブル存在確認

    sqlite_master テーブルは、SQLiteデータベース内のすべてのテーブルとビューに関する情報を格納します。このテーブルを使用して、特定のテーブルが存在するかどうかを次のように確認できます。このクエリは、sqlite_master テーブルから name 列を返し、type 列が table で、name 列が指定されたテーブル名と一致する行を選択します。


    SQLiteのINSERT-per-secondパフォーマンスをチューニングする

    この問題を解決するために、いくつかの方法があります。バッチ処理データをまとめて挿入することで、INSERT処理のオーバーヘッドを減らすことができます。例えば、100件のデータを1件ずつ挿入するよりも、100件まとめて挿入する方が効率的です。


    ロック、トランザクション、WALモード...AndroidでSQLiteの同時実行問題を解決する最適な方法は?

    問題点複数のスレッドが同時に同じデータを書き込もうとすると、データの競合が発生し、データが破損する可能性があります。1つのスレッドが読み込みを行っている間に別のスレッドがデータを書き換えると、読み込み結果が不正確になる可能性があります。データベースへのアクセスが集中すると、パフォーマンスが低下する可能性があります。


    【完全解説】SQLiteでテーブル構造を確認する方法!DESCRIBEコマンドの代替手段も紹介

    カラム名データ型主キーかどうかNULL値を許容するかどうかデフォルト値DESCRIBEコマンドは、テーブルの構造を理解したり、データ型を確認したりする際に役立ちます。SQLiteには、DESCRIBEコマンドと完全に同じ機能を持つコマンドはありません。しかし、以下の方法で同様の情報を得ることができます。