SQL Server リンクサーバー例クエリを日本語で解説

2024-09-02

SQL Serverリンクサーバーは、異なるデータベースサーバー間でデータのアクセスや操作を行うための機能です。これにより、複数のデータベースを統合して、より複雑なクエリを実行することができます。

基本的なリンクサーバーの設定

  1. リンクサーバーの作成:

    EXEC sp_addlinkedserver @server = 'LinkedServerName',
                           @srvtype = 'OLEDB',
                           @provider = 'SQLOLEDB',
                           @datasrc = 'YourServerName',
                           @provstr = 'UID=YourUsername;PWD=YourPassword;'
    
    • LinkedServerName: リンクサーバーの名前
    • srvtype: プロバイダーの種類(通常はOLEDB)
    • provider: OLEDBプロバイダーの名前
    • datasrc: データソースの名前
    • provstr: プロバイダー文字列(接続情報)
  2. EXEC sp_helplinkedserver
    

リンクサーバーを使ったクエリ例

リンクサーバーを作成したら、そのサーバーのデータにアクセスすることができます。

2つのサーバーのデータを結合する

SELECT *
FROM LinkedServerName..[DatabaseName].[SchemaName].[TableName]
INNER JOIN YourDatabase..[TableName]
ON LinkedServerName..[DatabaseName].[SchemaName].[TableName].Column = YourDatabase..[TableName].Column

リモートサーバーのデータを直接更新する

UPDATE LinkedServerName..[DatabaseName].[SchemaName].[TableName]
SET Column = 'New Value'
WHERE Condition = 'Some Condition'

リモートサーバーのストアドプロシージャを実行する

EXEC LinkedServerName..[DatabaseName].[SchemaName].[StoredProcedureName] @Parameter1 = 'Value', @Parameter2 = 'Value'

注意点

  • リンクサーバーはセキュリティリスクになる可能性があるため、適切なアクセス権限を設定してください。
  • パフォーマンスに影響を与える可能性があるため、大量のデータを扱う場合は慎重に使用してください。
  • リンクサーバーの接続が切断された場合、クエリが失敗する可能性があります。



リンクサーバーとは?

SQL Serverのリンクサーバーとは、異なるデータベースサーバー間でデータにアクセスするための機能です。まるで別のサーバーのテーブルが自分のサーバーにあるかのように扱えるため、複数のデータベースに分散したデータを統合してクエリを実行することができます。

クエリ例の詳細解説

SELECT *
FROM LinkedServerName..[DatabaseName].[SchemaName].[TableName]
INNER JOIN YourDatabase..[TableName]
ON LinkedServerName..[DatabaseName].[SchemaName].[TableName].Column = YourDatabase..[TableName].Column
  • 解説:

    • [DatabaseName].[SchemaName].[TableName]: 接続先のデータベース、スキーマ、テーブル名を指定します。
    • INNER JOIN: 2つのテーブルを結合する条件を指定します。ここでは、両方のテーブルにある共通のカラムを基準に結合しています。
    • YourDatabase..[TableName]: 自身のデータベースにあるテーブルを指定します。
UPDATE LinkedServerName..[DatabaseName].[SchemaName].[TableName]
SET Column = 'New Value'
WHERE Condition = 'Some Condition'
    • リンクサーバー上のテーブルの特定の行を更新します。
    • SET Column = 'New Value': 更新するカラムと新しい値を指定します。
    • WHERE Condition = 'Some Condition': 更新する行を絞り込む条件を指定します。
EXEC LinkedServerName..[DatabaseName].[SchemaName].[StoredProcedureName] @Parameter1 = 'Value', @Parameter2 = 'Value'
    • リンクサーバー上のストアドプロシージャを実行します。
    • [StoredProcedureName]: 実行するストアドプロシージャの名前を指定します。
    • @Parameter1 = 'Value', @Parameter2 = 'Value': ストアドプロシージャに渡すパラメータを指定します。
  • OPENQUERY: リンクサーバー上のクエリを実行する別の方法です。
    SELECT *
    FROM OPENQUERY(LinkedServerName, 'SELECT * FROM [DatabaseName].[SchemaName].[TableName]')
    
  • OPENROWSET: OLE DB プロバイダーを使用してリモートデータにアクセスするアドホックな方法です。
  • セキュリティ: リンクサーバーはセキュリティリスクとなる可能性があるため、適切なアクセス権限を設定し、慎重に利用する必要があります。
  • パフォーマンス: リンクサーバー経由のクエリは、ローカルのクエリよりもパフォーマンスが低下する可能性があります。

リンクサーバーは、複数のデータベースに分散したデータを統合し、一元的に管理したい場合に非常に便利な機能です。しかし、セキュリティやパフォーマンスに注意しながら、適切な設定を行うことが重要です。

  • 上記の例では、OLEDBプロバイダーを使用していますが、他のプロバイダーも使用可能です。
  • リンクサーバーの設定方法や、より複雑なクエリについては、SQL Serverの公式ドキュメントをご参照ください。

キーワード: SQL Server, リンクサーバー, クエリ, データベース, 結合, 更新, ストアドプロシージャ, OPENQUERY, OPENROWSET

関連する日本語キーワード:

  • SQL Server 統合
  • 複数データベース連携
  • 分散クエリ
  • リモートデータアクセス



フェデレーテッドクエリ

  • 特徴:

    • T-SQL内で、複数のデータソースに対して統一的なクエリを実行できます。
    • リンクサーバーと比較して、より柔軟なクエリが可能です。
    • データ仮想化の概念に近いアプローチです。
  • メリット:

    • 複数のデータソースを透過的にアクセスできる。
    • クエリのパフォーマンスチューニングがしやすく、複雑な結合も可能。
    • 設定が複雑になる場合がある。
    • パフォーマンスに影響を与える可能性がある。
  • 例:

    SELECT *
    FROM OPENROWSET('SQLNCLI',
                     'Server=YourServerName;Database=YourDatabase;Trusted_Connection=yes;',
                     'SELECT * FROM YourTable') AS rs
    

中間テーブル

    • 定期的に、またはトリガーを使用して、必要なデータを別のデータベースにコピーします。
    • ローカルなデータに対してクエリを実行します。
    • クエリのパフォーマンスが向上する。
    • データの整合性管理が容易になる。
    • データの同期に時間がかかる。
    • ストレージ容量を消費する。
    • SQL Server Agent ジョブを使用して、定期的にデータをコピーする。
    • トリガーを使用して、元のデータが変更されたときに自動的に中間テーブルを更新する。

データ仮想化ツール

    • 複数のデータソースを統合し、仮想的なデータレイヤーを作成します。
    • BIツールやアプリケーションから、仮想的なデータレイヤーにアクセスできます。
    • 複雑なデータ統合を視覚的に行える。
    • さまざまなデータソースに対応できる。
    • Microsoft Power BI Dataflow
    • Azure Data Factory

Change Data Capture (CDC)

  • 特徴:
    • データベース内のデータ変更をキャプチャし、他のシステムに配信します。
    • 近似リアルタイムでデータの同期を実現できます。
  • メリット:
    • リアルタイムに近いデータ同期が可能。
    • 柔軟なデータ配信が可能。

API

  • 特徴:
  • メリット:
    • 様々なプログラミング言語からアクセスできる。
  • デメリット:
    • ネットワークの遅延が発生する可能性がある。
    • APIの仕様に依存する。

選択のポイント

  • データ量: 小規模なデータであれば、リンクサーバーやフェデレーテッドクエリで十分な場合が多いです。大規模なデータの場合は、中間テーブルやデータ仮想化ツールが適している場合があります。
  • リアルタイム性: リアルタイム性が求められる場合は、CDCやAPIが適しています。
  • 複雑さ: 複雑なデータ統合が必要な場合は、データ仮想化ツールが便利です。
  • コスト: ツールのコストや、データ同期にかかるコストを考慮する必要があります。
  • セキュリティ: データのセキュリティレベルに応じて、適切な方法を選択する必要があります。

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