SQL ServerのIdentity列におけるuniqueidentifier(GUID)とbigintの比較
SQL ServerのIdentity列は、テーブル内の各行を一意に識別するために使用される特別な列です。この列のデータ型として、uniqueidentifier(GUID)とbigintのどちらを選択すべきか悩む場合があります。
uniqueidentifier(GUID)
- 128ビットのランダムな値
- 重複の可能性は極めて低い
- 主キーとして使用する場合に有効
- データベースの移行やレプリケーションに適している
bigint
- 64ビットの整数
- シーケンス番号として使用する場合に有効
- ソートやフィルタリングがしやすい
- ストレージ容量が小さい
どちらを選択すべきか
- 主キーとして使用する場合は、重複の可能性が低いためuniqueidentifier(GUID)が推奨されます。
- シーケンス番号として使用する場合は、bigintの方が効率的です。
- ストレージ容量が限られている場合は、bigintの方が有利です。
以下、それぞれのデータ型の特徴と利点・欠点について詳しく説明します。
- 特徴
- 128ビットのランダムな値で構成される
- 16進数表記で32桁の文字列として表現される
- 利点
- 主キーとして使用する場合に、重複によるデータの整合性問題を防ぐことができる
- データベースの移行やレプリケーションを行う際に、異なるデータベース間でも一意性を保つことができる
- 欠点
- bigintと比べてストレージ容量が大きい
- ソートやフィルタリング処理に時間がかかる場合がある
- 特徴
- 利点
- シーケンス番号として使用する場合に、効率的に値を生成することができる
- ソートやフィルタリング処理が高速に実行できる
- uniqueidentifier(GUID)と比べてストレージ容量が小さい
- 欠点
- 重複の可能性があり、データの整合性問題が発生する可能性がある
Identity列のデータ型を選択する際には、以下の点を考慮する必要があります。
- データの性質
- 主キーとして使用するかどうか
- ストレージ容量
CREATE TABLE MyTable (
Id uniqueidentifier NOT NULL PRIMARY KEY DEFAULT NEWSEQUENTIALID(),
Name nvarchar(50) NOT NULL
);
bigintを使用する例
CREATE TABLE MyTable (
Id bigint NOT NULL IDENTITY(1,1) PRIMARY KEY,
Name nvarchar(50) NOT NULL
);
説明
uniqueidentifier(GUID)
を使用する例では、Id
列は128ビットのランダムな値で構成されるuniqueidentifier型になっています。DEFAULT NEWSEQUENTIALID()
によって、新しい行が挿入されるたびに新しいGUID値が自動的に生成されます。bigint
を使用する例では、Id
列は64ビットの整数型になっています。IDENTITY(1,1)
によって、新しい行が挿入されるたびに、1ずつ増加するシーケンス番号が自動的に生成されます。
CREATE TABLE MyTable (
Id uniqueidentifier NOT NULL PRIMARY KEY DEFAULT NEWSEQUENTIALID(),
Name nvarchar(50) NOT NULL
);
CREATE TABLE OtherTable (
Id uniqueidentifier NOT NULL PRIMARY KEY DEFAULT NEWSEQUENTIALID(),
MyTableId uniqueidentifier NOT NULL FOREIGN KEY REFERENCES MyTable(Id)
);
- シーケンス番号としてbigintを使用する例
CREATE TABLE MyTable (
Id bigint NOT NULL IDENTITY(1,1) PRIMARY KEY,
Name nvarchar(50) NOT NULL,
OrderDate datetime NOT NULL
);
SELECT Id, Name, OrderDate
FROM MyTable
ORDER BY Id DESC;
Identity列の代替方法
- パフォーマンスの問題: Identity列は自動的に値を生成するため、データ挿入時にパフォーマンスの低下が発生する場合があります。
- 複雑なクエリ: Identity列は自動的に値を生成するため、複雑なクエリを作成する場合に難しさが増す場合があります。
これらの欠点を克服するために、Identity列の代わりに以下の方法を使用することができます。
手動で一意の値を生成する
アプリケーションコードで一意の値を生成し、それをテーブルに挿入することができます。この方法は、パフォーマンスの向上と複雑なクエリの作成を容易にすることができます。
シーケンスを使用する
データベースのシーケンス機能を使用して、一意の値を生成することができます。シーケンスは、Identity列よりもパフォーマンスが向上し、複雑なクエリを作成しやすくなります。
外部キーを使用する
別のテーブルの主キーを外部キーとして使用することができます。この方法は、データの整合性を保つために有効です。
それぞれの方法の利点と欠点は以下の表の通りです。
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
手動で一意の値を生成する | パフォーマンスの向上 | アプリケーションコードが複雑になる |
シーケンスを使用する | パフォーマンスの向上 | シーケンスの管理が必要 |
外部キーを使用する | データの整合性の向上 | 外部キーの管理が必要 |
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