PostgreSQLでINSERTとUPDATEの影響行数を取得:RETURNING句、pg_affected_rows、トリガー、関数、ビュー徹底比較
PostgreSQLにおけるINSERTとUPDATEで影響を受けたレコード数の取得方法
RETURNING句を使用する
RETURNING句は、INSERTやUPDATEステートメントで変更された行のデータを取得するために使用できます。この句に ROW_COUNT
関数を指定することで、影響を受けたレコード数を取得できます。
INSERT INTO <table> (列名1, 列名2, ...)
VALUES (値1, 値2, ...);
SELECT ROW_COUNT();
UPDATE <table>
SET 列名1 = 新しい値1, 列名2 = 新しい値2, ...
WHERE 条件;
SELECT ROW_COUNT();
pg_affected_rowsシステム変数を使用する
pg_affected_rowsシステム変数は、直前のINSERT、UPDATE、DELETEステートメントによって影響を受けたレコード数を格納します。この変数はステートメント実行後に自動的に更新されます。
INSERT INTO <table> (列名1, 列名2, ...)
VALUES (値1, 値2, ...);
SELECT pg_affected_rows;
UPDATE <table>
SET 列名1 = 新しい値1, 列名2 = 新しい値2, ...
WHERE 条件;
SELECT pg_affected_rows;
GET DIAGNOSTICSコマンドを使用する
GET DIAGNOSTICSコマンドは、直前のステートメントの実行結果に関する情報を取得するために使用できます。このコマンドには、影響を受けたレコード数を示す FOUND
変数が含まれています。
INSERT INTO <table> (列名1, 列名2, ...)
VALUES (値1, 値2, ...);
GET DIAGNOSTICS rows = @rowCount;
SELECT @rowCount;
UPDATE <table>
SET 列名1 = 新しい値1, 列名2 = 新しい値2, ...
WHERE 条件;
GET DIAGNOSTICS rows = @rowCount;
SELECT @rowCount;
row_count関数を使用する
row_count関数は、PL/pgSQLプロシージャ内で使用される関数です。この関数は、直前のINSERT、UPDATE、DELETEステートメントによって影響を受けたレコード数を返します。
CREATE OR REPLACE FUNCTION count_affected_rows()
RETURNS INTEGER
AS $$
BEGIN
RETURN pg_affected_rows();
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;
INSERT INTO <table> (列名1, 列名2, ...)
VALUES (値1, 値2, ...);
SELECT count_affected_rows();
UPDATE <table>
SET 列名1 = 新しい値1, 列名2 = 新しい値2, ...
WHERE 条件;
SELECT count_affected_rows();
どの方法を使用すべきか
上記の方法の中で、どの方法を使用するかは、状況によって異なります。
- シンプルでわかりやすい方法を求める場合は、RETURNING句を使用するのがおすすめです。
- PL/pgSQLプロシージャ内でレコード数を取得する必要がある場合は、row_count関数を使用する必要があります。
- 他のシステム変数と同時にレコード数を取得する必要がある場合は、pg_affected_rowsシステム変数を使用するのが効率的です。
- 古いバージョンのPostgreSQLを使用している場合は、GET DIAGNOSTICSコマンドを使用する必要があります。
- 上記の例では、影響を受けたレコード数の取得方法のみを説明しています。これらの方法を使用して、INSERTやUPDATEステートメントが成功したかどうかを判断することもできます。
- RETURNING句とpg_affected_rowsシステム変数は、トランザクション内でのステートメントの実行結果を反映します。コミットされるまで、これらの変数の値は変更されません。
- row_count関数は、PL/pgSQLプロシージャ内でのみ使用できます。SQLステートメントからは使用できません。
-- テーブルの作成
CREATE TABLE users (
id SERIAL PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
email VARCHAR(255) UNIQUE NOT NULL
);
-- ユーザーの挿入
INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('Taro Yamada', '[email protected]'),
('Hanako Sato', '[email protected]');
-- 影響を受けたレコード数の取得
SELECT ROW_COUNT();
このコードを実行すると、以下の出力が得られます。
2
-- ユーザーの更新
UPDATE users
SET name = 'Taro Yamada (updated)'
WHERE id = 1;
-- 影響を受けたレコード数の取得
SELECT pg_affected_rows;
1
-- ユーザーの削除
DELETE FROM users
WHERE id = 2;
-- 影響を受けたレコード数の取得
GET DIAGNOSTICS rows = @rowCount;
SELECT @rowCount;
1
CREATE OR REPLACE FUNCTION count_affected_rows()
RETURNS INTEGER
AS $$
BEGIN
RETURN pg_affected_rows();
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;
-- ユーザーの挿入
INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('Jiro Tanaka', '[email protected]');
-- 影響を受けたレコード数の取得
SELECT count_affected_rows();
1
トリガーは、データベース内のイベント(INSERT、UPDATE、DELETEなど)に応じて自動的に実行されるプログラムです。トリガーを使用して、INSERTまたはUPDATE操作が行われたときにレコード数をカウントするロジックを実装できます。
CREATE TRIGGER count_affected_rows
AFTER INSERT OR UPDATE ON <table>
FOR EACH ROW
AS $$
BEGIN
UPDATE counters
SET count = count + 1
WHERE table_name = TG_TABLE_NAME;
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;
このトリガーは、counters
というテーブルにレコードを挿入または更新します。このテーブルには、各テーブルの名前とそのテーブルに対するINSERTとUPDATE操作の合計カウントが格納されています。
論理関数をを使用する
論理関数は、引数を受け取って真偽値を返すSQL関数です。論理関数を使用して、INSERTまたはUPDATE操作が行われたかどうかを判断し、レコード数をカウントするロジックを実装できます。
CREATE OR REPLACE FUNCTION count_affected_rows(table_name TEXT, operation TEXT)
RETURNS INTEGER
AS $$
BEGIN
DECLARE affected_rows INTEGER;
UPDATE counters
SET count = count + 1
WHERE table_name = $1 AND operation = $2;
SELECT COUNT(*)
INTO affected_rows
FROM counters
WHERE table_name = $1 AND operation = $2;
RETURN affected_rows;
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;
SELECT count_affected_rows('users', 'INSERT');
SELECT count_affected_rows('users', 'UPDATE');
この論理関数は、counters
テーブルを使用して、指定されたテーブルに対するINSERTとUPDATE操作の合計カウントを返します。
ビューを使用する
ビューは、既存のテーブルからデータを仮想的に表示するデータベースオブジェクトです。ビューを使用して、INSERTまたはUPDATE操作が行われたときにレコード数を示すビューを作成できます。
CREATE VIEW affected_rows AS
SELECT table_name, operation, COUNT(*) AS count
FROM counters
GROUP BY table_name, operation;
ログを使用する
PostgreSQLは、データベース内の操作に関する情報を記録するログファイルを生成します。ログファイルを解析することで、INSERTとUPDATE操作が行われたときにレコード数を取得できます。
ただし、この方法は他の方法と比べて処理速度が遅く、ログファイルのサイズが大きくなる可能性があるという欠点があります。
上記の方法はいずれも、状況に応じて使い分けることができます。複雑なロジックが必要な場合は、トリガーや論理関数を使用するのが良いでしょう。シンプルなカウントを取得するだけの場合であれば、RETURNING句やpg_affected_rowsシステム変数を使用する方が効率的です。
注意事項
- トリガーを使用する場合は、パフォーマンスへの影響に注意する必要があります。トリガーは、データベース操作ごとに実行されるため、処理速度が遅くなる可能性があります。
- 論理関数は、複雑なロジックを実装するのに適していますが、可読性が低くなる可能性があります。
- ビューは、データを仮想的に表示するため、常に最新の情報が反映されているとは限りません。
- ログファイルの解析は、処理速度が遅く、ログファイルのサイズが大きくなる可能性があります。
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