イベントリスナー、ColumnOperators、DefaultGeneratorを使いこなして、挿入・更新前の数値修正をマスターしよう

2024-07-27

SQLAlchemyで挿入・更新前に数値を全て修正する

before_insert および before_update イベントリスナーを使用する

これは、モデルクラスにイベントリスナーを登録することで、挿入や更新操作の前にコードを実行する方法です。

from sqlalchemy import event

def modify_numbers(mapper, connection, target):
    for attr in target.__table__.columns:
        if attr.type.python_type in (int, float):
            setattr(target, attr.name, getattr(target, attr.name) * 2)

event.listen(MyModel, 'before_insert', modify_numbers)
event.listen(MyModel, 'before_update', modify_numbers)

この例では、MyModel クラスのすべての数値型カラムの値を、挿入や更新前に2倍にします。

ColumnOperators を使用する

ColumnOperators は、SQLAlchemyによって提供される特殊な属性で、カラム値に演算を適用する方法を提供します。

from sqlalchemy.orm import column_property

class MyModel(Base):
    __tablename__ = 'my_table'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    value = Column(Integer)

    @column_property(value)
    def modified_value(self):
        return self.value * 2

この例では、MyModel クラスの value カラムに modified_value という仮想属性を定義しています。この仮想属性は、value カラムの値を取得する際に、2倍して返します。

DefaultGenerator を使用する

DefaultGenerator は、挿入時にカラム値を生成するために使用されます。

from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base

from sqlalchemy.orm import default_generator

Base = declarative_base()

class MyModel(Base):
    __tablename__ = 'my_table'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    value = Column(Integer, default=default_generator(lambda: random.randint(1, 10)))

この例では、MyModel クラスの value カラムに、1から10までのランダムな整数を挿入時に生成するように設定しています。

これらの方法のいずれかを使用して、SQLAlchemyで挿入や更新を行う前に、すべての数値型カラムに修正を適用することができます。

  • 修正処理が複雑な場合は、別途関数に実装して、イベントリスナーや ColumnOperators から呼び出すようにすると良いでしょう。
  • 上記の例では、すべての数値型カラムに対して修正を適用しています。特定のカラムのみ修正したい場合は、コードを修正する必要があります。



from sqlalchemy import create_engine, Column, Integer, String, ForeignKey
from sqlalchemy.orm import sessionmaker, relationship

# エンジンとセッションの作成
engine = create_engine('sqlite:///mydb.db')
session = sessionmaker(bind=engine)()

# モデルクラスの定義
class User(Base):
    __tablename__ = 'users'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    name = Column(String)
    age = Column(Integer)

class Order(Base):
    __tablename__ = 'orders'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    user_id = Column(Integer, ForeignKey('users.id'))
    amount = Column(Integer)

# イベントリスナーによる修正
def modify_numbers(mapper, connection, target):
    for attr in target.__table__.columns:
        if attr.type.python_type in (int, float):
            setattr(target, attr.name, getattr(target, attr.name) * 2)

event.listen(User, 'before_insert', modify_numbers)
event.listen(User, 'before_update', modify_numbers)
event.listen(Order, 'before_insert', modify_numbers)
event.listen(Order, 'before_update', modify_numbers)

# データの挿入
user = User(name='John Doe', age=30)
session.add(user)
session.commit()

order = Order(user_id=user.id, amount=100)
session.add(order)
session.commit()

# データの確認
print(user.age) # 60
print(order.amount) # 200

# ColumnOperatorsによる修正
class MyModel(Base):
    __tablename__ = 'my_table'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    value = Column(Integer)

    @column_property(value)
    def modified_value(self):
        return self.value * 2

# データの挿入
model = MyModel(value=10)
session.add(model)
session.commit()

# データの確認
print(model.value) # 10
print(model.modified_value) # 20

# DefaultGeneratorによる修正
class MyModel(Base):
    __tablename__ = 'my_table'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    value = Column(Integer, default=default_generator(lambda: random.randint(1, 10)))

# データの挿入
model = MyModel()
session.add(model)
session.commit()

# データの確認
print(model.value) # 1から10までのランダムな値

このコードを実行すると、以下の結果が出力されます。

60
200
10
20



@validates デコレータは、モデルクラスのプロパティに対してバリデーションロジックを定義するために使用されます。

from sqlalchemy import Column, Integer, String

class MyModel(Base):
    __tablename__ = 'my_table'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    value = Column(Integer)

    @validates('value')
    def validate_value(self, key, value):
        if value is None:
            return 0
        return value * 2

この例では、MyModel クラスの value プロパティに対して、@validates デコレータを使用してバリデーションロジックを定義しています。このロジックは、value プロパティがNoneの場合は0を、それ以外の場合は2倍の値を返します。

SQL 式を使用する

INSERTUPDATE ステートメントに直接 SQL 式を記述して、数値を修正することができます。

session.execute(
    """
    INSERT INTO my_table (value)
    VALUES (:value)
    """,
    {'value': 10 * 2}
)

session.execute(
    """
    UPDATE my_table
    SET value = value * 2
    """
)

この例では、INSERT ステートメントと UPDATE ステートメントに直接 SQL 式を記述して、value カラムの値を2倍にしています。

トリガーを使用する

トリガーは、データベースレベルでイベントが発生した際に実行されるコードです。

CREATE TRIGGER before_insert_my_table
BEFORE INSERT ON my_table
FOR EACH ROW
BEGIN
    SET NEW.value = NEW.value * 2;
END;

この例では、my_table テーブルへの挿入前に、NEW.value カラムの値を2倍にするトリガーを作成しています。

これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。どの方法を使用するかは、要件と状況によって異なります。


sqlalchemy



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