MariaDBで発生するエラー「Foreign key constraint is incorrectly formed」の原因と解決方法

2024-04-11

MariaDBでテーブル操作を行う際に、「Foreign key constraint is incorrectly formed」というエラーが発生することがあります。これは、外部キー制約に問題があることを示しており、データの整合性を保つために解決する必要があります。

原因

このエラーが発生する主な原因は次の3つです。

  • 外部キーと参照キーのデータ型が一致していない
  • 参照キーが存在しない
  • 外部キー制約の定義に誤りがある

解決方法

エラーの原因を特定し、それに応じた解決方法を適用する必要があります。

外部キーと参照キーは、同じデータ型である必要があります。データ型が異なる場合は、両方のカラムのデータ型を同じに変更する必要があります。

-- テーブル定義
CREATE TABLE parent (
  id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  PRIMARY KEY (id)
);

CREATE TABLE child (
  parent_id INT,
  FOREIGN KEY (parent_id) REFERENCES parent(id)
);

上記の例では、childテーブルのparent_idカラムはINT型ですが、parentテーブルのidカラムはVARCHAR(255)型です。この場合、childテーブルのparent_idカラムをINT型に変更する必要があります。

ALTER TABLE child
MODIFY parent_id INT NOT NULL;

参照キーの存在

外部キーが参照するキーが存在しない場合、このエラーが発生します。参照キーが存在することを確認し、必要に応じてキーを作成する必要があります。

-- テーブル定義
CREATE TABLE parent (
  id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  PRIMARY KEY (id)
);

CREATE TABLE child (
  parent_id INT,
  FOREIGN KEY (parent_id) REFERENCES parent(id)
);

-- エラー発生
INSERT INTO child (parent_id) VALUES (100);

上記の例では、parentテーブルにはid=100というデータが存在しません。この場合、parentテーブルにid=100というデータを追加するか、childテーブルのparent_idカラムの値を変更する必要があります。

外部キー制約の定義に誤りがある場合、このエラーが発生します。外部キー制約の定義を確認し、誤りがあれば修正する必要があります。

-- テーブル定義
CREATE TABLE parent (
  id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  PRIMARY KEY (id)
);

CREATE TABLE child (
  parent_id INT,
  FOREIGN KEY (parent_id) REFERENCES parent(id)
  ON DELETE CASCADE
);

-- エラー発生
DELETE FROM parent WHERE id = 1;

上記の例では、childテーブルの外部キー制約にON DELETE CASCADEオプションが指定されています。これは、parentテーブルからデータが削除された場合、childテーブルからも関連するデータが自動的に削除されることを意味します。しかし、parentテーブルにはchildテーブルから参照されているデータが存在するため、この削除操作はエラーになります。

この場合、childテーブルの外部キー制約のON DELETEオプションをNO ACTIONに変更するか、parentテーブルからデータを削除する前に、childテーブルから関連するデータを削除する必要があります。

上記の情報に加えて、以下の情報も役に立つ可能性があります。

  • 使用しているMariaDBのバージョン
  • 使用しているデータベース管理ツール
  • エラーメッセージの詳細

これらの情報を提供することで、より具体的なアドバイスを得ることができます。




-- 親テーブル
CREATE TABLE parent (
  id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  PRIMARY KEY (id)
);

-- 子テーブル
CREATE TABLE child (
  id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
  parent_id INT,
  FOREIGN KEY (parent_id) REFERENCES parent(id),
  PRIMARY KEY (id)
);

データ挿入

-- 親テーブルにデータ挿入
INSERT INTO parent (name) VALUES ('親データ1'), ('親データ2');

-- 子テーブルにデータ挿入
INSERT INTO child (parent_id) VALUES (1), (2);

外部キー制約違反

-- 存在しない親IDを子テーブルに挿入
INSERT INTO child (parent_id) VALUES (100);

-- エラー発生: Foreign key constraint is incorrectly formed
SHOW CREATE TABLE child;

-- 結果:
-- ...
-- CONSTRAINT `child_ibfk_1` FOREIGN KEY (`parent_id`) REFERENCES `parent` (`id`) ON DELETE RESTRICT ON UPDATE RESTRICT,
-- ...
ALTER TABLE child
DROP FOREIGN KEY `child_ibfk_1`;



外部キー制約を定義する他の方法

REFERENCES句を使用しない方法

CREATE TABLE child (
  id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
  parent_id INT,
  PRIMARY KEY (id),
  INDEX parent_id_idx (parent_id)
);

ALTER TABLE child
ADD CONSTRAINT child_ibfk_1 FOREIGN KEY (parent_id)
REFERENCES parent (id)
ON DELETE RESTRICT ON UPDATE RESTRICT;

この方法は、REFERENCES句をALTER TABLEステートメントで別に指定する方法です。

CHECK制約を使用する方法

CREATE TABLE child (
  id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
  parent_id INT,
  PRIMARY KEY (id),
  CHECK (parent_id IN (SELECT id FROM parent))
);

この方法は、CHECK制約を使用して、parent_idカラムの値がparentテーブルのidカラムの値に存在することを確認する方法です。

トリガーを使用する方法

DELIMITER //

CREATE TRIGGER child_before_insert
BEFORE INSERT ON child
FOR EACH ROW
BEGIN
  IF (EXISTS (SELECT * FROM parent WHERE id = NEW.parent_id)) THEN
    -- 親データが存在する場合
  ELSE
    -- 親データが存在しない場合
    SIGNAL SQLSTATE '45000' SET MESSAGE_TEXT '親データが存在しません';
  END IF;
END; //

DELIMITER ;

この方法は、トリガーを使用して、childテーブルにデータが挿入される前に、parentテーブルに関連するデータが存在することを確認する方法です。

どの方法を選択するかは、それぞれの状況によって異なります。一般的には、REFERENCES句を使用する方法が最もシンプルで効率的です。ただし、CHECK制約やトリガーを使用する方が、より柔軟な制約を定義できる場合があります。


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