PostgreSQLでトリガーを一時的に無効にする方法
PostgreSQLでトリガーを一時的に無効にする方法
特定のトリガーを無効にする
方法 1: ALTER TRIGGERコマンドを使用する
ALTER TRIGGER トリガー名 DISABLE;
このコマンドは、指定されたトリガーを無効にします。トリガーを再度有効にするには、次のコマンドを使用します。
ALTER TRIGGER トリガー名 ENABLE;
方法 2: TEMPORARYキーワードを使用する
CREATE TRIGGER トリガー名 ...
ON TABLE テーブル名
...
TEMPORARY;
TEMPORARY
キーワードを指定すると、トリガーは現在のセッションでのみ有効になります。セッションが終了すると、トリガーは自動的に削除されます。
全てのトリガーを無効にする
SET TRIGGER ALL OFF;
SET TRIGGER ALL ON;
方法 2: plpgsql関数を用いる
CREATE FUNCTION disable_all_triggers() RETURNS void AS $$
BEGIN
EXECUTE 'ALTER TRIGGER ' || quote_ident(t.tgname) || ' DISABLE;'
FROM pg_trigger t;
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;
SELECT disable_all_triggers();
この関数は、pg_trigger
システムカタログテーブルをループ処理し、全てのトリガーを無効にする ALTER TRIGGER
コマンドを実行します。
バルク挿入時のトリガー無効化
方法 1: COPYコマンドの TRIGGER オプションを使用する
COPY テーブル名 (列名, ...)
FROM ファイル名
DELIMITER ','
CSV
TRIGGER NO;
TRIGGER NO
オプションを指定すると、COPYコマンド実行中にトリガーが起動されません。
方法 2: SET CONSTRAINTS ALL DEFERRED を使用する
SET CONSTRAINTS ALL DEFERRED;
-- バルク挿入処理
SET CONSTRAINTS ALL IMMEDIATE;
SET CONSTRAINTS ALL DEFERRED
コマンドは、全ての制約チェックを遅延させます。これにより、トリガーを含む制約がバルク挿入処理中に実行されません。処理完了後、SET CONSTRAINTS ALL IMMEDIATE
コマンドを実行して、制約チェックを再度有効化します。
注意点
トリガーを無効にする前に、以下の点に注意が必要です。
- トリガーがデータ整合性に重要な役割を果たしている場合、無効化によってデータ不整合が発生する可能性があります。
- トリガーが複雑な処理を実行している場合、無効化によってパフォーマンスが向上するとは限りません。
これらの点を考慮した上で、状況に応じて最適な方法を選択してください。
特定のトリガーを無効にする
-- トリガー "before_update_product" を無効にする
ALTER TRIGGER before_update_product DISABLE;
-- 製品情報を更新
UPDATE products
SET price = 100
WHERE id = 1;
-- トリガー "before_update_product" を再度有効にする
ALTER TRIGGER before_update_product ENABLE;
全てのトリガーを無効にする
-- 全てのトリガーを無効にする
SET TRIGGER ALL OFF;
-- データ操作処理
-- 全てのトリガーを再度有効にする
SET TRIGGER ALL ON;
バルク挿入時のトリガー無効化
-- CSVファイルから "products" テーブルにデータを挿入
COPY products (id, name, price)
FROM 'products.csv'
DELIMITER ','
CSV
TRIGGER NO;
-- plpgsql関数による全トリガー無効化
CREATE FUNCTION disable_all_triggers() RETURNS void AS $$
BEGIN
EXECUTE 'ALTER TRIGGER ' || quote_ident(t.tgname) || ' DISABLE;'
FROM pg_trigger t;
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;
SELECT disable_all_triggers();
-- バルク挿入処理
SELECT enable_all_triggers();
PostgreSQLでトリガーを一時的に無効にする他の方法
pg_ctlコマンドを使用する
pg_ctl reload -D データベースディレクトリ名
このコマンドは、PostgreSQLサーバーを再起動します。再起動中は、全てのトリガーが無効になります。
注意: この方法は、データベース接続を切断するため、他のユーザーに影響を与えます。
# すべてのトリガーを無効にする
host all all 0.0.0.0/0 postgres trust
host all all ::/0 postgres trust
pg_hba.conf
ファイルに trust
認証方法を無効化することで、トリガーを含む全ての PostgreSQL 機能へのアクセスを制限できます。
トリガーのソースコードを変更して、無効化ロジックを追加することもできます。
CREATE TRIGGER before_update_product
BEFORE UPDATE ON products
FOR EACH ROW
BEGIN
-- トリガーが有効かどうかを確認
IF NOT EXISTS (SELECT 1 FROM pg_settings WHERE name = 'trigger_enabled' AND setting = 'true') THEN
RETURN;
END IF;
-- 処理
...
END;
注意: この方法は、トリガーのソースコードを変更する必要があるため、複雑な場合もあります。
PostgreSQLでトリガーを一時的に無効にする方法はいくつかあります。状況に応じて最適な方法を選択してください。
postgresql triggers bulkinsert