SQLAlchemy と Alembic を活用したマイグレーション:不要なテーブルの除外戦略
SQLAlchemy と Alembic を使ってマイグレーション時に他の製品で作成したテーブルを無視する方法
Alembic でマイグレーションファイルを自動生成する場合、他の製品で作成した既存のデータベーステーブルを誤って処理してしまうことがあります。これは、意図しないデータ操作やエラーにつながる可能性があります。
そこで、Alembic には、include_object()
と exclude_object()
関数を使用して、マイグレーション対象から特定のテーブルを除外するオプションが用意されています。
詳細
以下の手順で、Alembic でマイグレーション時に他の製品で作成したテーブルを無視することができます。
env.py
ファイルを作成します。env.py
ファイルで、include_object()
関数を使用して、マイグレーション対象とするテーブルを指定します。- Alembic コマンドを使用して、マイグレーションファイルを生成します。
例
from sqlalchemy import MetaData
from alembic import autogenerate
metadata = MetaData()
# マイグレーション対象とするテーブルを指定
include_object = [
metadata.tables["my_table1"],
metadata.tables["my_table2"],
]
# マイグレーション対象から除外するテーブルを指定
exclude_object = [
metadata.tables["other_product_table1"],
metadata.tables["other_product_table2"],
]
# マイグレーションファイルを生成
autogenerate(
metadata,
include_object=include_object,
exclude_object=exclude_object,
)
補足
include_object()
関数とexclude_object()
関数は、引数としてTable
オブジェクトまたはDeclarativeBase
サブクラスを受け取ります。- 複数のテーブルを指定する場合は、リスト形式で記述します。
include_object()
関数とexclude_object()
関数は、同時に使用することができます。
上記以外にも、Alembic には、マイグレーション時に特定のテーブルを操作しないように設定するオプションがいくつか用意されています。詳細については、Alembic ドキュメントを参照してください。
SQLAlchemy と Alembic を使ってマイグレーション時に他の製品で作成したテーブルを無視する - サンプルコード
env.py ファイル
from sqlalchemy import MetaData
from alembic import autogenerate
metadata = MetaData()
# マイグレーション対象とするテーブルを指定
include_object = [
metadata.tables["my_table1"],
metadata.tables["my_table2"],
]
# マイグレーション対象から除外するテーブルを指定
exclude_object = [
metadata.tables["other_product_table1"],
metadata.tables["other_product_table2"],
]
この例では、my_table1
と my_table2
という名前のテーブルのみをマイグレーション対象としています。other_product_table1
と other_product_table2
という名前のテーブルは、マイグレーション対象から除外されます。
マイグレーションファイルを生成するコマンド
alembic revision --message="マイグレーションメッセージ"
上記のコマンドを実行すると、alembic
フォルダ内に新しいマイグレーションファイルが生成されます。
- 上記のコードは、あくまでも一例です。実際の環境に合わせて、テーブル名やその他の設定を変更する必要があります。
- マイグレーション対象とするテーブルや除外するテーブルは、ご自身の環境に合わせて設定してください。
SQLAlchemy と Alembic を使ってマイグレーション時に他の製品で作成したテーブルを無視する方法 - 他の方法
Alembic でマイグレーション時に他の製品で作成したテーブルを無視するには、env.py
ファイルを使用する方法以外にも、いくつかの方法があります。
方法
- alembic.context.skip_table() デコレータを使用する
alembic.context.skip_table()
デコレータを使用して、特定のテーブルをマイグレーション対象から除外することができます。
from alembic import op
from sqlalchemy import Table
def upgrade():
# マイグレーション対象とするテーブルの操作
pass
@op.skip_table("other_product_table1")
@op.skip_table("other_product_table2")
def downgrade():
# マイグレーションを元に戻す操作
pass
この例では、upgrade()
関数と downgrade()
関数で op.skip_table()
デコレータを使用しています。このデコレータは、引数としてテーブル名を指定することで、そのテーブルをマイグレーション対象から除外することができます。
- alembic.autogenerate() の exclude_tables オプションを使用する
alembic.autogenerate()
関数の exclude_tables
オプションを使用して、マイグレーション対象から除外するテーブルを指定することができます。
from alembic import autogenerate
from sqlalchemy import MetaData
metadata = MetaData()
# マイグレーション対象とするテーブルを指定
include_object = [
metadata.tables["my_table1"],
metadata.tables["my_table2"],
]
# マイグレーション対象から除外するテーブルを指定
exclude_tables = [
"other_product_table1",
"other_product_table2",
]
# マイグレーションファイルを生成
autogenerate(
metadata,
include_object=include_object,
exclude_tables=exclude_tables,
)
この例では、autogenerate()
関数の exclude_tables
オプションに、other_product_table1
と other_product_table2
という名前のテーブルを指定しています。これにより、これらのテーブルは自動生成されたマイグレーションファイルから除外されます。
sqlalchemy alembic