WITH句、SETステートメント、ALTER TABLEステートメントによるクエリの優先順位変更
MS SQLにおけるクエリの優先順位
MS SQL Serverでは、複数のクエリが同時に実行されることがあります。その際、どのクエリを優先的に実行するかを決めるための規則が「クエリの優先順位」です。
優先順位の決定
クエリの優先順位は以下の要素によって決定されます。
- クエリの種類
- データ操作言語 (DML) クエリ (INSERT、UPDATE、DELETE) は、データ読取言語 (DQL) クエリ (SELECT) よりも優先されます。
- DDL クエリ (CREATE、ALTER、DROP) は、DML および DQL クエリよりも優先されます。
- トランザクションの開始順序
- ロックの待機時間
- クエリの重要度
クエリの優先順位は、以下の方法で変更できます。
- WITH 句
- SET ステートメント
- ALTER TABLE ステートメント
例
-- WITH 句を使用してクエリの優先順位を指定する
WITH t AS (
SELECT *
FROM dbo.Table1
ORDER BY Column1
)
SELECT *
FROM t
OPTION (PRIORITY HIGH);
-- SET ステートメントを使用してクエリの優先順位を変更する
SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ COMMITTED;
SELECT *
FROM dbo.Table1;
-- ALTER TABLE ステートメントを使用してインデックスの優先順位を変更する
ALTER TABLE dbo.Table1
ALTER INDEX IX_Column1
SET (PRIORITY HIGH);
WITH 句を使用してクエリの優先順位を指定する
-- 通常のクエリ
SELECT *
FROM dbo.Table1
ORDER BY Column1;
-- 高優先度のクエリ
WITH t AS (
SELECT *
FROM dbo.Table1
ORDER BY Column1
)
SELECT *
FROM t
OPTION (PRIORITY HIGH);
SET ステートメントを使用してクエリの優先順位を変更する
-- 通常のクエリ
SELECT *
FROM dbo.Table1;
-- 高優先度のクエリ
SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ COMMITTED;
SELECT *
FROM dbo.Table1;
この例では、SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ COMMITTED
ステートメントを使用して、トランザクションの分離レベルを READ COMMITTED
に設定しています。この設定により、コミットされていないデータは他のトランザクションからは見えないようになり、クエリの優先順位が高くなります。
ALTER TABLE ステートメントを使用してインデックスの優先順位を変更する
-- 通常のインデックス
CREATE INDEX IX_Column1 ON dbo.Table1 (Column1);
-- 高優先度のインデックス
ALTER TABLE dbo.Table1
ALTER INDEX IX_Column1
SET (PRIORITY HIGH);
この例では、ALTER TABLE
ステートメントを使用して、IX_Column1
という名前のインデックスの優先順位を高めています。
上記のサンプルコードは、クエリの優先順位を変更する方法のほんの一例です。実際の使用例に合わせて、適切な方法を選択してください。
注意事項
- クエリ
クエリの優先順位を変更するその他の方法
クエリヒント
-- 通常のクエリ
SELECT *
FROM dbo.Table1;
-- 高優先度のクエリ
/* OPTION (PRIORITY HIGH) */
SELECT *
FROM dbo.Table1;
この例では、OPTION (PRIORITY HIGH)
クエリヒントを使用して、クエリの優先順位を高めています。
リソースガバナーは、SQL Serverのワークロード管理機能です。リソースガバナーを使用すると、特定のクエリグループに割り当てることができるリソースの量を制限できます。
CREATE RESOURCE GOVERNOR CLASS MyRG
WITH (MAX_CPU_PERCENTAGE = 50);
ALTER RESOURCE GOVERNOR CLASS MyRG
ADD WORKLOAD GROUP MyWG;
GO
EXEC sp_addworkloadgroupmember @workload_group_name = 'MyWG', @member_name = 'MyQuery';
この例では、MyRG
という名前のリソースガバナーのクラスを作成し、CPU 使用率を最大50%に制限しています。その後、MyWG
という名前のワークロードグループを作成し、MyQuery
という名前のクエリをそのグループに追加しています。
スケジュールジョブを使用すると、特定の時間にクエリを実行するように設定できます。
USE msdb;
GO
CREATE SCHEDULE Job1
ENABLED = 1;
CREATE JOB STEP JobStep1
ON SCHEDULE Job1
EXEC xp_cmdshell 'sqlcmd -S localhost -d MyDatabase -Q "SELECT * FROM dbo.Table1"'
この例では、Job1
という名前のスケジュールジョブを作成し、MyDatabase
データベースの dbo.Table1
テーブルに対して SELECT
クエリを実行するように設定しています。
クエリの優先順位を変更するには、さまざまな方法があります。上記の例を参考に、実際の使用例に合わせて適切な方法を選択してください。
注意事項
- クエリヒントは、クエリオプティマイザーの動作に影響を与える可能性があります。クエリのヒントを使用する前に、その影響を理解しておくことが重要です。
- リソースガバナーは、SQL Serverの複雑な機能です。リソースガバナーを使用する前に、その使用方法を理解しておくことが重要です。
- スケジュールジョブは、意図せず大量のデータ処理を実行してしまう可能性があります。スケジュールジョブを使用する前に、その影響を理解しておくことが重要です。
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