特定の単語を含む文書をサクッと検索!PostgreSQL正規表現の境界テクニック
PostgreSQLにおける正規表現での単語境界
PostgreSQLは、強力な正規表現機能を提供しており、テキストデータの処理や分析に役立ちます。正規表現には、単語境界と呼ばれる特殊なメタ文字があり、単語の始まりまたは終わりに一致するパターンを定義することができます。
単語境界とは
単語境界は、単語と単語の間に存在する位置を指します。具体的には、以下のいずれかに該当します。
- 文字列の先頭
- 英数字とアンダースコア以外の文字
- 2つの英数字またはアンダースコアの間
PostgreSQLにおける単語境界の表現
PostgreSQLでは、以下の2つの方法で単語境界を表現することができます。
- メタ文字 \y
\y
は、単語境界に一致するメタ文字です。以下の例のように、単語の始まりまたは終わりに \y
を使用することができます。
SELECT * FROM documents WHERE title ~ '\y[A-Za-z]+\y'; -- 英字のみの単語を含む文書を取得
- 文字クラス [:<:] と [:>:]
[:<:]
と [:>:]
は、それぞれ単語の始まりと終わりに一致する文字クラスです。以下の例のように、[]
内に文字クラスを指定することで、単語の始まりまたは終わりに一致するパターンを定義することができます。
SELECT * FROM documents WHERE title ~ '[[:<:]]\w+[[:>:]]'; -- 英数字またはアンダースコアを含む単語を含む文書を取得
注意点
- 単語境界は、ロケールによって異なる場合があります。ロケールに依存しない単語境界マッチングを行う場合は、
\b
メタ文字を使用することができます。
PostgreSQLの正規表現機能を活用することで、テキストデータから単語を効率的に抽出したり、単語の出現頻度を分析したりすることができます。単語境界の概念を理解することで、より精度の高い正規表現パターンを作成することができます。
- この解説は、PostgreSQL 14.2 をベースにしています。
- PostgreSQLのバージョンによって、正規表現機能が異なる場合があります。
補足
- PostgreSQLには、
REGEXP_MATCHES
関数とREGEXP_REPLACE
関数以外にも、正規表現を使用する関数があります。詳細は、PostgreSQLのマニュアルを参照してください。 - 正規表現は、複雑なパターンを記述するために強力なツールですが、使いこなすにはある程度の練習が必要です。
PostgreSQLにおける正規表現での単語境界:サンプルコード
このセクションでは、PostgreSQLにおける正規表現での単語境界を理解するために、いくつかのサンプルコードを紹介します。
サンプルコード1:単語の出現頻度をカウントする
このサンプルコードでは、documents
テーブル内の文書から単語の出現頻度をカウントします。
SELECT word, count(*) AS count
FROM (
SELECT regexp_matches(title, '\y[A-Za-z]+\y') AS words
FROM documents
) AS words_list
UNNEST(words) AS word
GROUP BY word
ORDER BY count DESC;
コードの説明
regexp_matches
関数を使用して、title
列の各文書から単語を抽出します。UNNEST
関数を使用して、抽出された単語を1行ずつ処理します。GROUP BY
句を使用して、単語ごとにグループ化します。ORDER BY
句を使用して、出現頻度の多い順に単語をソートします。
サンプルコード2:特定の単語を含む文書を検索する
SELECT *
FROM documents
WHERE title ~ '\y[A-Za-z]+\y' && 'cat';
title
列の各文書に対して、\y[A-Za-z]+\y
とcat
という2つの正規表現をAND結合 (&&
) してマッチングを行います。- 2つの正規表現が両方とも一致する文書のみを検索します。
サンプルコード3:単語の最初と最後の文字を大文字に変換する
UPDATE documents
SET title = regexp_replace(title, '\y([A-Za-z])[A-Za-z]*\y', E'\U\1\E\2', 'g');
\y([A-Za-z])[A-Za-z]*\y
という正規表現は、単語に一致します。E'\U\1\E\2
という置換文字列は、単語の最初の文字を大文字に変換し、残りの文字はそのままにします。'g'
というフラグは、すべての単語を置換することを指示します。
これらのサンプルコードは、PostgreSQLにおける正規表現での単語境界を理解するための出発点として役立ちます。
- PostgreSQLには、正規表現を使用する関数以外にも、テキストデータの処理や分析に役立つさまざまな関数があります。詳細は、PostgreSQLのマニュアルを参照してください。
PostgreSQLにおける単語境界:他の方法
PostgreSQLで単語境界を表現するには、前述の \y
メタ文字と [:<:]
と [:>:]
文字クラスに加えて、以下の方法も利用できます。
否定演算子 NOT
NOT
演算子を使用して、単語境界以外の部分を否定することで、単語境界に一致するパターンを定義することができます。
SELECT * FROM documents WHERE title ~ '^[[:<:]]\w+[[:>:]]$'; -- 文書のタイトルの先頭と末尾に英数字またはアンダースコアを含む文書を取得
ルックアヘッドとルックビハインドは、現在の位置から前方または後方を参照するパターンを定義することができます。
SELECT * FROM documents WHERE title ~ '(?<=\b)[A-Za-z]+(?=\b)'; -- 文書のタイトルに単語として存在する英字のみの単語を取得
正規表現エンジン PCRE の機能
PostgreSQLは、PCRE (Perl Compatible Regular Expressions) エンジンを使用しています。PCRE には、単語境界に関連する以下の機能があります。
\b
メタ文字: 単語境界に一致します。(?<=\b)
ルックビハインド: 現在の位置の直前に単語境界があることを確認します。
正規表現ライブラリ
PostgreSQLには、正規表現ライブラリがいくつか用意されています。これらのライブラリは、より複雑な単語境界マッチングパターンを定義するために使用することができます。
PostgreSQLにおける単語境界を表現するには、様々な方法があります。それぞれの方法には長所と短所があるため、状況に合わせて適切な方法を選択することが重要です。
- PostgreSQLのマニュアルには、正規表現に関する詳細情報が記載されています。
regex postgresql word-boundary