SQL Server 2008 で発生する "INSERT EXEC ステートメントはネストできません" および "INSERT-EXEC ステートメント内で ROLLBACK ステートメントを使用できません" エラーの解決策

2024-07-27

SQL Server 2008 で、ストアドプロシージャ内で INSERT EXEC ステートメントをネストしようとすると、"INSERT EXEC ステートメントはネストできません" というエラーが発生します。さらに、INSERT-EXEC ステートメント内で ROLLBACK ステートメントを使用しようとすると、"INSERT-EXEC ステートメント内で ROLLBACK ステートメントを使用できません" というエラーが発生します。

原因

このエラーは、SQL Server 2008 の INSERT EXEC ステートメントの制限によるものです。INSERT EXEC ステートメントは、別のストアドプロシージャを呼び出し、その結果を現在のステートメントに挿入するために使用されます。しかし、ネストされた INSERT EXEC ステートメントは許可されていません。また、INSERT-EXEC ステートメントはトランザクションの一部として実行されるため、ROLLBACK ステートメントを使用して元に戻すことはできません。

解決策

この問題を解決するには、以下のいずれかの方法を使用します。

ストアドプロシージャの処理を呼び元にコピーする

最も単純な解決策は、ネストされた INSERT EXEC ステートメントを呼び出す代わりに、呼び元のステートメントにストアドプロシージャの処理を直接コピーすることです。これにより、コードの冗長性がなくなり、エラーを回避できます。

例:

-- 呼び元のステートメント
INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
EXEC sp_InsertData

-- ストアドプロシージャ sp_InsertData
CREATE PROCEDURE sp_InsertData
AS
BEGIN
    INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
    VALUES ('Data1', 'Data2');
END;

ストアドプロシージャの処理をテーブル値関数化する

より柔軟な解決策として、ストアドプロシージャの処理をテーブル値関数に変換することができます。テーブル値関数は、SELECT ステートメントの結果セットを返すことができます。この結果セットは、INSERT ステートメントで使用してデータを挿入することができます。

-- 呼び元のステートメント
INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
SELECT * FROM dbo.uf_GetTableData()

-- テーブル値関数 uf_GetTableData
CREATE FUNCTION dbo.uf_GetTableData()
RETURNS TABLE
AS
BEGIN
    RETURN
    (
        SELECT 'Data1', 'Data2'
    );
END;

OPENROWSET 関数を使用する

OPENROWSET 関数は、別のデータベースまたはリモートサーバーにあるテーブルに対してクエリを実行するために使用できます。この関数を使用して、ストアドプロシージャの結果セットを取得し、INSERT ステートメントで使用してデータを挿入することができます。

-- 呼び元のステートメント
INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
SELECT * FROM OPENROWSET('SQL Server 2012', 'SELECT * FROM MyRemoteTable').MyRemoteTable

-- リモートサーバー上のテーブル MyRemoteTable
CREATE TABLE MyRemoteTable (
    Col1 NVARCHAR(50),
    Col2 NVARCHAR(50)
);

注意事項

  • 上記の解決策を使用する場合は、ストアドプロシージャの引数と戻り値の型が互換性があることを確認してください。
  • OPENROWSET 関数を使用する場合は、適切なアクセス許可を持っていることを確認してください。



-- 呼び元のステートメント
INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
EXEC sp_InsertData

-- ストアドプロシージャ sp_InsertData
CREATE PROCEDURE sp_InsertData
AS
BEGIN
    INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
    VALUES ('Data1', 'Data2');
END;
-- 呼び元のステートメント
INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
SELECT * FROM dbo.uf_GetTableData()

-- テーブル値関数 uf_GetTableData
CREATE FUNCTION dbo.uf_GetTableData()
RETURNS TABLE
AS
BEGIN
    RETURN
    (
        SELECT 'Data1', 'Data2'
    );
END;
-- 呼び元のステートメント
INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
SELECT * FROM OPENROWSET('SQL Server 2012', 'SELECT * FROM MyRemoteTable').MyRemoteTable

-- リモートサーバー上のテーブル MyRemoteTable
CREATE TABLE MyRemoteTable (
    Col1 NVARCHAR(50),
    Col2 NVARCHAR(50)
);

説明

  • 上記の例では、MyTable というテーブルにデータを挿入する INSERT ステートメントを使用しています。
  • 例1 では、sp_InsertData というストアドプロシージャを呼び出してデータを挿入します。このストアドプロシージャは、MyTable テーブルに 2 行のデータ (Data1, Data2) を挿入します。
  • 例2 では、dbo.uf_GetTableData というテーブル値関数を使用してデータを挿入します。この関数は、MyTable テーブルに 1 行のデータ (Data1, Data2) を返す結果セットを返します。
  • 例3 では、OPENROWSET 関数を使用して、リモートサーバーにある MyRemoteTable テーブルからデータを挿入します。
  • 上記の例はあくまでも説明目的であり、実際の状況に合わせて調整する必要があります。
  • ストアドプロシージャやテーブル値関数を作成する場合は、適切な権限を持っていることを確認してください。
  • OPENROWSET 関数を使用する場合は、ファイアウォール設定などのネットワーク設定を考慮する必要があります。



ネストされた INSERT EXEC ステートメントを回避する 1 つの方法は、臨時テーブルを使用することです。まず、ストアドプロシージャ内でデータを臨時テーブルに挿入し、その後、呼び元のステートメントで INSERT ステートメントを使用してそのデータをターゲットテーブルに挿入します。

-- 呼び元のステートメント
INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
SELECT * FROM #TempTable

-- ストアドプロシージャ sp_InsertData
CREATE PROCEDURE sp_InsertData
AS
BEGIN
    INSERT INTO #TempTable (Col1, Col2)
    VALUES ('Data1', 'Data2');
END;

ステージングテーブルを使用する

臨時テーブルと同様に、ステージングテーブルを使用してデータを一時的に格納することもできます。ステージングテーブルは、ターゲットテーブルとは別の構造を持つことができます。これにより、データ変換やクリーニングなどの処理を容易にすることができます。

-- 呼び元のステートメント
INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
SELECT * FROM StagingTable

-- ストアドプロシージャ sp_InsertData
CREATE PROCEDURE sp_InsertData
AS
BEGIN
    INSERT INTO StagingTable (Col2, Col3)
    VALUES ('Data2', 'Data3');

    -- データ変換処理

    INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
    SELECT Col1, Col2 FROM StagingTable;
END;

ビューを使用する

ビューを使用して、ストアドプロシージャの結果セットを仮想的なテーブルとして公開することもできます。その後、呼び元のステートメントで INSERT ステートメントを使用してビューからデータを挿入することができます。

-- 呼び元のステートメント
INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
SELECT * FROM MyView

-- ストアドプロシージャ sp_InsertData
CREATE PROCEDURE sp_InsertData
AS
BEGIN
    INSERT INTO #TempTable (Col1, Col2)
    VALUES ('Data1', 'Data2');
END;

CREATE VIEW MyView
AS
SELECT * FROM #TempTable;

トランザクションを使用する

ストアドプロシージャ内で複数の INSERT ステートメントを実行する必要がある場合は、トランザクションを使用してデータの一貫性を保つことができます。トランザクションを使用すると、エラーが発生した場合にすべての変更をロールバックすることができます。

-- 呼び元のステートメント
BEGIN TRANSACTION;
EXEC sp_InsertData;
COMMIT TRANSACTION;

-- ストアドプロシージャ sp_InsertData
CREATE PROCEDURE sp_InsertData
AS
BEGIN
    BEGIN TRANSACTION;

    INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
    VALUES ('Data1', 'Data2');

    INSERT INTO MyTable (Col1, Col2)
    VALUES ('Data3', 'Data4');

    COMMIT TRANSACTION;
END;
  • 上記の方法は、それぞれ一長一短があります。状況に合わせて適切な方法を選択してください。
  • 複雑なロジックを使用する場合は、パフォーマンスと可読性を考慮する必要があります。
  • トランザクションを使用する場合は、デッドロックなどの問題に注意する必要があります。

これらの方法は、INSERT EXEC ステートメントをネストできないという制限を回避するための代替手段として役立ちます。

  • [ステージングテーブル (https://azure.microsoft.com/en-us/resources/cloud-computing-dictionary/what-is-a-data-warehouse)

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