APIゲートウェイ、イベント駆動、CQRS:マイクロサービスにおけるデータベース結合パターンの詳細比較

2024-04-12

マイクロサービスとデータベース結合:詳細ガイド

このガイドでは、マイクロサービスにおけるデータベース結合の一般的な課題と、それらを克服するためのさまざまなアプローチについて説明します。

課題

マイクロサービス環境におけるデータベース結合の主な課題は以下の通りです。

  • データの分散: データが複数のサービスに分散されているため、結合に必要なすべてのデータを取得することが困難になる場合があります。
  • スキーマの非同期進化: 各サービスは独立して開発およびデプロイされるため、サービス間のデータベーススキーマが非同期に進化する可能性があります。これにより、結合ロジックの維持が困難になります。
  • イベント駆動アーキテクチャ: マイクロサービスアーキテクチャは多くの場合、イベント駆動アーキテクチャに基づいています。これは、データ変更がリアルタイムで伝播されないことを意味するため、結合が困難になる可能性があります。

アプローチ

これらの課題に対処するために、マイクロサービス環境でデータベース結合を実装するためのさまざまなアプローチがあります。以下に、最も一般的なものをいくつか紹介します。

  • APIゲートウェイ: APIゲートウェイは、複数のマイクロサービスからのデータを統合するための単一のアクセス点として機能します。ゲートウェイは、結合ロジックを実装し、クライアントに単一の統合されたビューを提供するために使用できます。
  • イベント駆動アーキテクチャ: イベント駆動アーキテクチャでは、サービス間のデータ変更はイベントとして公開されます。これらのイベントは、結合ロジックをトリガーするために使用できます。
  • データベースサガ: データベースサガは、分散トランザクションを実装するための分散トランザクションパターンです。これは、複数のサービスにまたがるデータ結合に役立ちます。
  • CQRS: CQRS(Command Query Responsibility Segregation)は、読み取りと書き込み操作を分離するアーキテクチャパターンです。これにより、結合を簡素化し、データ整合性を向上させることができます。

最適なアプローチは、特定の要件によって異なります。考慮すべき要素は以下の通りです。

  • データ分散の度合い: データがどれほど分散されているかによって、適切なアプローチが決まります。
  • スキーマの進化の速度: サービス間のデータベーススキーマがどれほど速く進化するかによって、適切なアプローチが決まります。
  • パフォーマンス要件: アプリケーションのパフォーマンス要件は、選択するアプローチに影響を与える可能性があります。
  • スキルセット: チームのスキルセットは、選択するアプローチに影響を与える可能性があります。

その他の考慮事項

データベース結合を実装する際には、以下の点にも注意する必要があります。

  • データガバナンス: データガバナンスポリシーは、データの整合性とセキュリティを確保するために重要です。
  • テスト: 結合ロジックは十分にテストする必要があります。
  • 監視: 結合ロジックは監視し、問題が発生した場合はアラートする必要があります。

マイクロサービス環境におけるデータベース結合は複雑な課題ですが、適切なアプローチを選択することで克服できます。上記のガイドラインは、開始するための出発点となるはずです。




APIゲートウェイを使用した結合

以下のコードは、APIゲートウェイを使用して 2 つのマイクロサービスからのデータを結合する方法を示しています。

from flask import Flask, request, jsonify

app = Flask(__name__)

@app.route('/orders')
def get_orders():
    # 注文マイクロサービスから注文を取得する
    orders_response = requests.get('http://orders-service/orders')
    orders_data = orders_response.json()

    # ユーザーマイクロサービスからユーザーを取得する
    user_ids = [order['user_id'] for order in orders_data]
    users_response = requests.get('http://users-service/users', params={'ids': user_ids})
    users_data = users_response.json()

    # 注文とユーザーを結合する
    combined_data = []
    for order in orders_data:
        user = next((user for user in users_data if user['id'] == order['user_id']), None)
        if user:
            combined_data.append({
                'order_id': order['id'],
                'user_id': order['user_id'],
                'username': user['username'],
                'email': user['email'],
            })

    return jsonify(combined_data)

イベント駆動アーキテクチャを使用した結合

以下のコードは、イベント駆動アーキテクチャを使用して、注文が作成されたときに注文とユーザーを結合する方法を示しています。

from kafka import KafkaConsumer, KafkaProducer

orders_topic = 'orders'
users_topic = 'users'
combined_data_topic = 'combined_data'

consumer = KafkaConsumer(orders_topic)
producer = KafkaProducer()

def process_order_event(event):
    order_data = json.loads(event.value.decode('utf-8'))
    user_id = order_data['user_id']

    # ユーザーマイクロサービスからユーザーを取得する
    user_response = requests.get('http://users-service/users/' + user_id)
    user_data = user_response.json()

    # 注文とユーザーを結合する
    combined_data = {
        'order_id': order_data['id'],
        'user_id': user_id,
        'username': user_data['username'],
        'email': user_data['email'],
    }

    # 結合されたデータを公開する
    producer.send(combined_data_topic, json.dumps(combined_data).encode('utf-8'))

for event in consumer:
    process_order_event(event)

データベースサガを使用した結合

def create_order(order_data):
    # 注文をデータベースに保存する
    order_id = insert_order(order_data)

    # ユーザーの残高を確認する
    user_id = order_data['user_id']
    user_balance = get_user_balance(user_id)

    if user_balance >= order_data['total_price']:
        # ユーザーの残高を更新する
        update_user_balance(user_id, user_balance - order_data['total_price'])

        # 注文を完了としてマークする
        mark_order_as_completed(order_id)
    else:
        # 注文をキャンセルする
        cancel_order(order_id)

CQRSを使用した結合

以下のコードは、CQRSを使用して、読み取りと書き込み操作を分離する方法を示しています。

# 読み取りモデル
class OrderView:
    def get_order(self, order_id):
        # 注文データをデータベースから取得する
        order_data = get_order_from_database(order_id)

        # ユーザーデータをデータベースから取得する
        user_id = order_data['user_id']
        user_data = get_user_from_database(user_id)

        # 注文とユーザーを結合する
        combined_data = {
            'order_id': order_data['id'],
            'user_id': user_id,
            'username': user_data['username'],
            'email': user_data['email'],
        }

        return combined_data

# 書き込みモデル
class OrderCommand:
    def create_order(self, order_data



マイクロサービスとデータベース結合:その他のアプローチ

データベース統合:

  • 複数のデータベースを単一の論理データベースとして統合するツールを使用できます。これにより、データが複数のデータベースに分散されている場合でも、単一のビューでデータにアクセスおよび操作できるようになります。
    • 例: Apache Cassandra, Amazon Redshift, Google Cloud Spanner

サービスメッシュ:

  • サービスメッシュは、マイクロサービスアーキテクチャを管理および監視するためのレイヤーです。データベース結合を含む、サービス間の通信を仲介するために使用できます。
    • 例: Istio, Linkerd, Kuma

データ複製:

  • 各マイクロサービスが関連するデータのコピーを保持するように設計できます。これにより、結合が簡素化され、パフォーマンスが向上しますが、データの一貫性を維持することがより困難になります。

APIコンポジション:

  • 個々のマイクロサービスからデータを公開する API を作成し、クライアントアプリケーションでそれらを組み合わせることができます。これは、複雑な結合ロジックが必要な場合に役立ちます。

上記以外にも、マイクロサービス環境におけるデータベース結合を実装するためのさまざまな方法があります。新しいツールやテクノロジーが常に開発されているため、最新情報を常に把握することが重要です。


database integration microservices


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