データベース操作の影響を取得:RETURNING句、サブクエリ、OUTPUTパラメータ、トリガー、ストアドプロシージャ徹底比較

2024-06-19

SQLにおけるRETURNING句を用いた変数値代入:詳細解説

SQLのRETURNING句は、INSERT、UPDATE、DELETE文の実行結果をPL/pgSQL変数に格納するために使用されます。これにより、操作の影響を受けた行のデータを取得したり、操作ステートメントの成功/失敗を判断したりすることが可能になります。

RETURNING句の構文

INSERT INTO table_name (column1, column2, ...)
VALUES (value1, value2, ...)
RETURNING column1, column2, ... INTO variable1, variable2, ...;

UPDATE table_name
SET column1 = value1, column2 = value2, ...
WHERE condition
RETURNING column1, column2, ... INTO variable1, variable2, ...;

DELETE FROM table_name
WHERE condition
RETURNING column1, column2, ... INTO variable1, variable2, ...;

動作原理

RETURNING句は、指定された列の値を、対応するPL/pgSQL変数に代入します。INSERT文の場合は、挿入された行の値が返されます。UPDATE文の場合は、更新された行の値が返されます。DELETE文の場合は、削除された行の値が返されます。

注意点

  • RETURNING句は、PL/pgSQL内でしか使用できません。
  • RETURNING句で指定できる列は、INSERT、UPDATE、DELETE文で選択された列のみです。
  • 複数の行が返される場合は、最初の行のみが変数に代入されます。

INSERT文でのRETURNING句の使用

INSERT INTO customers (name, email, phone_number)
VALUES ('山田 太郎', '[email protected]', '090-1234-5678')
RETURNING customer_id INTO @customer_id;

SELECT * FROM customers WHERE customer_id = @customer_id;

この例では、新しい顧客レコードがcustomers表に挿入され、そのcustomer_id@customer_id変数に代入されます。その後、customer_idを使用して、挿入されたレコードの詳細を取得することができます。

UPDATE customers
SET email = '[email protected]'
WHERE customer_id = 1234
RETURNING affected_rows INTO @affected_rows;

SELECT @affected_rows;

この例では、customers表のcustomer_idが1234のレコードのメールアドレスが[email protected]に変更され、影響を受けた行数が@affected_rows変数に代入されます。

DELETE FROM customers
WHERE customer_id = 1234
RETURNING name, email, phone_number INTO @customer_name, @customer_email, @customer_phone_number;

SELECT @customer_name, @customer_email, @customer_phone_number;

この例では、customers表のcustomer_idが1234のレコードが削除され、削除されたレコードの名前、メールアドレス、電話番号がそれぞれ@customer_name@customer_email@customer_phone_number変数に代入されます。

  • 操作の影響を受けた行のデータを簡単に取得できます。
  • 操作ステートメントの成功/失敗を判断できます。
  • トリガーやプロシージャ内で柔軟な処理を行うことができます。

RETURNING句は、SQLにおける強力な機能であり、INSERT、UPDATE、DELETE文の結果をPL/pgSQL変数に格納することで、様々な処理を可能にします。データベース操作のロジックを強化し、より柔軟なアプリケーション開発に役立ちます。

    上記以外にも、RETURNING句に関する様々な情報がインターネット上で公開されています。ご自身のニーズに合った情報を見つけて、理解を深めてください。




    PostgreSQLにおけるRETURNING句を用いた変数値代入:サンプルコード

    このセクションでは、RETURNING句を用いた変数値代入の理解を深めるために、いくつかのサンプルコードを紹介します。各例では、RETURNING句の構文と使用方法を説明し、具体的な動作を示します。

    この例では、customers表に新しいレコードを挿入し、その主キーであるcustomer_id@customer_id変数に代入します。

    INSERT INTO customers (name, email, phone_number)
    VALUES ('山田 太郎', '[email protected]', '090-1234-5678')
    RETURNING customer_id INTO @customer_id;
    
    SELECT * FROM customers WHERE customer_id = @customer_id;
    

    解説

    1. INSERT INTO customers (name, email, phone_number): この部分は、customers表に新しいレコードを挿入することを示します。
    2. VALUES ('山田 太郎', '[email protected]', '090-1234-5678'): この部分は、挿入するレコードの値を指定します。
    3. RETURNING customer_id INTO @customer_id: この部分は、挿入された行のcustomer_id列の値を@customer_id変数に代入することを示します。
    4. SELECT * FROM customers WHERE customer_id = @customer_id: この部分は、挿入されたレコードの詳細を取得するためにSELECT文を実行します。
    UPDATE customers
    SET email = '[email protected]'
    WHERE customer_id = 1234
    RETURNING affected_rows INTO @affected_rows;
    
    SELECT @affected_rows;
    
    1. UPDATE customers: この部分は、customers表を更新することを示します。
    2. SET email = '[email protected]': この部分は、email列を[email protected]に変更することを示します。
    3. WHERE customer_id = 1234: この部分は、更新対象のレコードをcustomer_idが1234のレコードに絞り込みます。
    4. RETURNING affected_rows INTO @affected_rows: この部分は、更新された行数を@affected_rows変数に代入することを示します。
    5. SELECT @affected_rows: この部分は、影響を受けた行数を表示するためにSELECT文を実行します。
    DELETE FROM customers
    WHERE customer_id = 1234
    RETURNING name, email, phone_number INTO @customer_name, @customer_email, @customer_phone_number;
    
    SELECT @customer_name, @customer_email, @customer_phone_number;
    
    1. RETURNING name, email, phone_number INTO @customer_name, @customer_email, @customer_phone_number: この部分は、削除されたレコードのnameemailphone_number列の値をそれぞれ@customer_name@customer_email@customer_phone_number変数に代入することを示します。
    2. SELECT @customer_name, @customer_email, @customer_phone_number: この部分は、削除されたレコードの詳細を



    SQLにおける変数値代入の代替方法

    サブクエリを使用して、INSERT、UPDATE、DELETE文の影響を受けた行のデータを抽出することができます。

    例:INSERT文の場合

    INSERT INTO customers (name, email, phone_number)
    VALUES ('山田 太郎', '[email protected]', '090-1234-5678');
    
    SELECT customer_id
    FROM customers
    WHERE name = '山田 太郎' AND email = '[email protected]' AND phone_number = '090-1234-5678'
    INTO @customer_id;
    

    OUTPUTパラメータは、SQL Serverで使用できる機能であり、INSERT、UPDATE、DELETE文の影響を受けた行のデータをプロシージャまたは関数の出力パラメータとして取得することができます。

    CREATE PROCEDURE InsertCustomer
      @name VARCHAR(50),
      @email VARCHAR(100),
      @phone_number VARCHAR(20),
      @customer_id OUT INT
    AS
    BEGIN
      INSERT INTO customers (name, email, phone_number)
      VALUES (@name, @email, @phone_number);
    
      SET @customer_id = SCOPE_IDENTITY();
    END;
    
    DECLARE @customer_id INT;
    
    EXEC InsertCustomer
      @name = '山田 太郎',
      @email = '[email protected]',
      @phone_number = '090-1234-5678',
      @customer_id = @customer_id OUTPUT;
    
    SELECT @customer_id;
    

    トリガーは、データベース操作が発生したときに自動的に実行されるプログラムであり、INSERT、UPDATE、DELETE文の影響を受けた行のデータを処理することができます。

    CREATE TRIGGER customer_insert_trigger
    AFTER INSERT ON customers
    FOR EACH ROW
    BEGIN
      INSERT INTO customer_logs (customer_id, operation)
      VALUES (NEW.customer_id, 'INSERT');
    END;
    

    ストアドプロシージャは、事前に定義された一連のSQLステートメントであり、INSERT、UPDATE、DELETE文の影響を受けた行のデータを処理することができます。

    CREATE PROCEDURE InsertCustomerWithLog
      @name VARCHAR(50),
      @email VARCHAR(100),
      @phone_number VARCHAR(20)
    AS
    BEGIN
      INSERT INTO customers (name, email, phone_number)
      VALUES (@name, @email, @phone_number);
    
      INSERT INTO customer_logs (customer_id, operation)
      SELECT customer_id, 'INSERT'
      FROM customers
      WHERE customer_id = SCOPE_IDENTITY();
    END;
    
    CALL InsertCustomerWithLog
      @name = '山田 太郎',
      @email = '[email protected]',
      @phone_number = '090-1234-5678';
    

    それぞれの方法の比較

    方法利点欠点
    RETURNING句シンプルでわかりやすいPostgreSQLのみ対応
    サブクエリ汎用性が高い複雑になりがち
    OUTPUTパラメータSQL Serverに限定プロシージャ/関数を必要とする
    トリガー自動処理に適しているトリガーの管理が複雑になる
    ストアドプロシージャ複雑な処理をまとめられる開発・保守の手間がかかる

    RETURNING句は、PostgreSQLにおける変数値代入にシンプルで便利な方法ですが、サブクエリ、OUTPUTパラメータ、トリガー、ストアドプロシージャなどの代替方法も状況に応じて検討することができます。それぞれの方法の利点と欠点を理解し、適切な方法を選択することが重要です。


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