【MySQL使いこなし術】UNION句とORDER BY句でデータ操作の効率をグッとアップ
MySQLにおけるUNION句とORDER BY句の使い方
MySQLでは、UNION句とORDER BY句を組み合わせて、複数のSELECT結果を結合し、ソートされた結果セットを取得することができます。この機能は、複雑なデータ分析やレポート作成において非常に役立ちます。
UNION句
UNION句は、2つ以上のSELECT文の結果セットを結合するために使用されます。重複する行は自動的に削除され、結合された結果は単一のテーブルのように扱われます。
ORDER BY句
ORDER BY句は、SELECT結果を特定の列に基づいてソートするために使用されます。昇順ソートと降順ソートのどちらでも指定できます。
組み合わせた使用
UNION句とORDER BY句を組み合わせることで、複数のSELECT結果を結合し、ソートされた結果セットを取得することができます。ただし、いくつかの注意点があります。
- SELECT句の列構成: UNIONで結合するSELECT文は、列構成が一致している必要があります。
- データ型: 結合する列のデータ型は一致している必要があります。
- ORDER BY句の位置: ORDER BY句は、UNION句の後に配置する必要があります。
例
次の例では、customers
テーブルとorders
テーブルからデータを結合し、顧客名と注文額を昇順でソートしています。
SELECT customer_name, order_amount
FROM customers
UNION
SELECT customer_name, order_amount
FROM orders
ORDER BY customer_name, order_amount ASC;
この例では、まずcustomers
テーブルから顧客名と注文額を取得し、次にorders
テーブルから顧客名と注文額を取得します。その後、UNION句で2つの結果セットを結合し、ORDER BY句で顧客名と注文額を昇順にソートします。
- UNION句には、UNION ALLというバリエーションもあります。UNION ALLは、重複する行を削除せず、すべての行を結果セットに含めます。
- ORDER BY句は、結合された結果セット全体に適用されます。個々のSELECT文にORDER BY句を配置することはできません。
- もっと複雑なソート条件を設定したい場合は、GROUP BY句やHAVING句と組み合わせて使用することができます。
-- employeesテーブルとdepartmentsテーブルを作成します。
CREATE TABLE employees (
employee_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
employee_name VARCHAR(255) NOT NULL,
department_id INT NOT NULL,
salary DECIMAL(10,2) NOT NULL
);
CREATE TABLE departments (
department_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
department_name VARCHAR(255) NOT NULL
);
-- employeesテーブルにデータを追加します。
INSERT INTO employees (employee_name, department_id, salary)
VALUES
('田中 太郎', 1, 35000),
('佐藤 花子', 2, 28000),
('鈴木 次郎', 1, 42000),
('高橋 麗子', 2, 30000);
-- departmentsテーブルにデータを追加します。
INSERT INTO departments (department_name)
VALUES
('営業部'),
('開発部'),
('人事部');
-- employeesテーブルとdepartmentsテーブルからデータを結合し、昇順でソートします。
SELECT
e.employee_name,
d.department_name,
e.salary
FROM employees AS e
JOIN departments AS d
ON e.department_id = d.department_id
ORDER BY e.employee_name, d.department_name, e.salary ASC;
このコードを実行すると、次の結果が表示されます。
| 従業員名 | 部署名 | 給与 |
|---|---|---|
| 田中 太郎 | 営業部 | 35000 |
| 鈴木 次郎 | 営業部 | 42000 |
| 佐藤 花子 | 開発部 | 28000 |
| 高橋 麗子 | 開発部 | 30000 |
MySQLでUNION句とORDER BY句以外の方法で結果を結合・ソートする方法
MySQLで結果を結合・ソートするには、UNION句とORDER BY句以外にもいくつかの方法があります。それぞれの特徴と使い分けを理解することで、状況に応じて最適な方法を選択することができます。
代替方法
サブクエリ:
- 利点: 柔軟性が高く、複雑な結合やソート条件にも対応できます。
- 欠点: 記述が複雑になり、可読性が低下する可能性があります。
WITH句:
- 利点: サブクエリよりも読みやすく、中間結果を一時的な名前で参照できます。
- 欠点: MySQL 8.0以降でのみ利用可能です。
CTE (Common Table Expression):
- 利点: WITH句とほぼ同様ですが、ANSI標準に準拠しており、他のデータベースシステムとの互換性が高いです。
マージ結合:
- 利点: 複数のテーブルを効率的に結合できます。
- 欠点: 結合条件が単純な場合にのみ適しています。
クロス結合:
- 利点: すべての行を組み合わせる必要がある場合にシンプルです。
- 欠点: 不要なデータも多く含まれるため、結果セットが膨大になる可能性があります。
各方法の詳細
サブクエリ
サブクエリは、別のSELECT文をクエリ内に埋め込むことで、結果セットを結合・ソートする方法です。
SELECT *
FROM (
SELECT ...
) AS subquery
ORDER BY ...;
WITH句
WITH subquery AS (
SELECT ...
)
SELECT *
FROM subquery
ORDER BY ...;
CTE
WITH subquery AS (
SELECT ...
)
SELECT *
FROM subquery
ORDER BY ...;
マージ結合
マージ結合は、ON条件とUSING条件を使用して、複数のテーブルを結合する方法です。
SELECT *
FROM table1
LEFT JOIN table2
ON table1.column1 = table2.column2
USING (column1, column2)
ORDER BY ...;
クロス結合
クロス結合は、すべての行を組み合わせる必要がある場合に使用するシンプルな方法です。
SELECT *
FROM table1
CROSS JOIN table2
ORDER BY ...;
最適な方法の選択
どの方法が最適かは、状況によって異なります。
- データ量が少ない場合: UNION句とORDER BY句がシンプルでわかりやすいのでおすすめです。
- 複雑な結合やソート条件が必要な場合: サブクエリ、WITH句、CTEが柔軟性と可読性を兼ね備えています。
- 複数のテーブルを効率的に結合する必要がある場合: マージ結合が適切です。
- すべての行を組み合わせる必要がある場合: クロス結合がシンプルですが、データ量が多い場合は注意が必要です。
- パフォーマンス: 結合やソート処理はデータベースに負荷をかけるため、クエリの実行速度を考慮する必要があります。
- 可読性: 複雑なクエリは、他の開発者が理解しにくいため、できるだけシンプルに記述する必要があります。
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