SQLで結合クエリをもっと自由に!サブクエリ、CASE式、ウィンドウ関数の活用術

2024-07-02

SQLにおけるINNER JOINの反対とは?

一方、INNER JOINの反対となる操作は、すべてのレコードを結合し、条件を満たさないレコードにはNULL値を挿入することです。この操作には、主に以下の3つの方法があります。

LEFT OUTER JOIN

  • 左側のテーブルすべてのレコードを結合の基準とし、右側テーブルとの結合条件に一致するレコードがあれば結合します。
  • 一致するレコードがない場合、右側テーブルの結合列にはNULL値が挿入されます。
SELECT *
FROM 左側テーブル
LEFT OUTER JOIN 右側テーブル
ON 左側テーブル.共通列 = 右側テーブル.共通列;
    SELECT *
    FROM 右側テーブル
    RIGHT OUTER JOIN 左側テーブル
    ON 右側テーブル.共通列 = 左側テーブル.共通列;
    
    • 左側右側両方のテーブルすべてのレコードを結合します。
    SELECT *
    FROM 左側テーブル
    FULL OUTER JOIN 右側テーブル
    ON 左側テーブル.共通列 = 右側テーブル.共通列;
    

    各結合の種類を使い分ける例

    • 顧客と注文のテーブルを結合する場合、すべての顧客を表示したい場合はLEFT OUTER JOINを使用します。注文履歴がない顧客も表示されます。
    • INNER JOIN: 結合条件を満たすレコードのみを結合
    • LEFT OUTER JOIN: 左側のテーブルすべてのレコードを結合し、右側との一致ない場合はNULL値を挿入

    これらの結合方法を使い分けることで、必要な情報を漏れなく取得することができます。




      テーブル構造

      -- 顧客テーブル
      CREATE TABLE customers (
        customer_id INT PRIMARY KEY,
        name VARCHAR(255) NOT NULL
      );
      
      -- 注文テーブル
      CREATE TABLE orders (
        order_id INT PRIMARY KEY,
        customer_id INT NOT NULL,
        order_date DATE NOT NULL,
        FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
      );
      
      -- 商品テーブル
      CREATE TABLE products (
        product_id INT PRIMARY KEY,
        name VARCHAR(255) NOT NULL,
        stock_quantity INT NOT NULL
      );
      
      -- 注文明細テーブル
      CREATE TABLE order_details (
        order_id INT NOT NULL,
        product_id INT NOT NULL,
        quantity INT NOT NULL,
        FOREIGN KEY (order_id) REFERENCES orders(order_id),
        FOREIGN KEY (product_id) REFERENCES products(product_id)
      );
      
      -- 顧客データ
      INSERT INTO customers (customer_id, name) VALUES
        (1, '田中 太郎'),
        (2, '佐藤 花子'),
        (3, '鈴木 伊藤');
      
      -- 注文データ
      INSERT INTO orders (order_id, customer_id, order_date) VALUES
        (1, 1, '2023-10-01'),
        (2, 2, '2023-11-12'),
        (3, 1, '2023-12-25');
      
      -- 商品データ
      INSERT INTO products (product_id, name, stock_quantity) VALUES
        (1, 'パソコン', 10),
        (2, 'スマートフォン', 20),
        (3, 'カメラ', 5);
      
      -- 注文明細データ
      INSERT INTO order_details (order_id, product_id, quantity) VALUES
        (1, 1, 2),
        (1, 3, 1),
        (2, 2, 1),
        (3, 1, 3);
      

      クエリ

      SELECT
        c.name AS 顧客名,
        o.order_date AS 注文日,
        p.name AS 商品名,
        od.quantity AS 注文個数,
        p.stock_quantity AS 在庫数
      FROM customers AS c
      FULL OUTER JOIN orders AS o
        ON c.customer_id = o.customer_id
      FULL OUTER JOIN order_details AS od
        ON o.order_id = od.order_id
      FULL OUTER JOIN products AS p
        ON od.product_id = p.product_id;
      

      結果

      顧客名 | 注文日 | 商品名 | 注文個数 | 在庫数
      ------- | -------- | -------- | -------- | --------
      田中 太郎 | 2023-10-01 | パソコン | 2 | 10
      田中 太郎 | 2023-10-01 | スマートフォン | NULL | 20
      田中 太郎 | 2023-10-01 | カメラ | 1 | 5
      田中 太郎 | 2023-12-25 | パソコン | 3 | 10
      田中 太郎 | 2023-12-25 | スマートフォン | NULL | 20
      田中 太郎 | 2023-12-25 | カメラ | NULL | 5
      佐藤 花子 | 2023-11-12 | パソコン | NULL | 10
      佐藤 花子 | 2023-11-12 | スマートフォン | 1 | 20
      佐藤 花子 | 2023-11-12 | カメラ | NULL | 5
      鈴木 伊藤 | NULL | パソコン | NULL | 10
      鈴木 伊藤 | NULL | スマートフォン | NULL | 20
      鈴木 伊藤 | NULL | カメラ | NULL | 5
      

      説明

      • このクエリは、FULL OUTER JOINを3回使用して、顧客注文商品の3つのテーブルを結合しています。
      • 各結合には、ON句で結合条件を指定しています。
      • SELECT句では、必要な列をすべて選択しています。
      • 顧客名注文日、**商品



      SQLにおけるINNER JOINの反対以外の方法

      この機能を実現する方法は、主に以下の3種類が紹介されましたが、状況によってはもっと効率的な方法や、より柔軟なデータ操作を実現する手法が存在します。

      サブクエリを使用する

      サブクエリを使用する方法では、まず条件を満たすレコードをサブクエリで抽出します。その後、メインクエリで抽出結果と元のテーブルを結合することで、すべてのレコードを結合し、条件を満たさないレコードにはNULL値を挿入することができます。

      -- 顧客と注文のテーブルを結合し、すべての顧客を表示する例
      SELECT
        c.customer_id,
        c.name,
        o.order_id,
        o.order_date
      FROM customers AS c
      LEFT OUTER JOIN (
        SELECT order_id
        FROM orders
      ) AS o
      ON c.customer_id = o.customer_id;
      

      CASE式を使用する

      CASE式を使用する方法では、各レコードに対して条件を評価し、条件を満たす場合は結合列の値をそのまま出力し、条件を満たさない場合はNULL値を出力します。

      -- 顧客と注文のテーブルを結合し、すべての顧客を表示する例
      SELECT
        c.customer_id,
        c.name,
        CASE
          WHEN o.order_id IS NULL THEN NULL
          ELSE o.order_id
        END AS order_id,
        CASE
          WHEN o.order_id IS NULL THEN NULL
          ELSE o.order_date
        END AS order_date
      FROM customers AS c
      LEFT JOIN orders AS o
      ON c.customer_id = o.customer_id;
      

      ウィンドウ関数を使用する

      ウィンドウ関数を使用する方法では、ROW_NUMBERなどの関数を使用して、各レコードに順位を付けます。その後、FIRST_VALUEなどの関数を使用して、各行の最初の値を取得することで、すべてのレコードを結合し、条件を満たさないレコードにはNULL値を挿入することができます。

      -- 顧客と注文のテーブルを結合し、すべての顧客を表示する例
      SELECT
        c.customer_id,
        c.name,
        FIRST_VALUE(o.order_id) OVER (PARTITION BY c.customer_id ORDER BY o.order_date ROWS BETWEEN PRECEDING 1 FOR CURRENT ROW) AS order_id,
        FIRST_VALUE(o.order_date) OVER (PARTITION BY c.customer_id ORDER BY o.order_date ROWS BETWEEN PRECEDING 1 FOR CURRENT ROW) AS order_date
      FROM customers AS c
      LEFT JOIN orders AS o
      ON c.customer_id = o.customer_id;
      

      それぞれの方法のメリットとデメリット

      • サブクエリ: 比較的シンプルで理解しやすいが、複雑なサブクエリになると処理速度が遅くなる可能性がある。
      • CASE式: シンプルでわかりやすいが、多くのレコードを処理する場合は処理速度が遅くなる可能性がある。
      • ウィンドウ関数: 高速で柔軟性が高いが、複雑なクエリになると理解しにくくなる可能性がある。

      最適な方法の選択

      使用する方法は、データ量、クエリ複雑性、パフォーマンス要件などの状況に応じて選択する必要があります。


        sql database


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