Entity Framework Code Firstで発生する「There is already an object named in the database」エラー：サンプルコード
Entity Framework Code First でデータベースのマイグレーションを実行すると、"There is already an object named in the database" というエラーが発生することがあります。これは、データベースに既に同じ名前のオブジェクトが存在するため、Code First が新しいオブジェクトを作成できないことを意味します。
原因
このエラーが発生する主な原因は次のとおりです。
- データベースに既に同じ名前のテーブルが存在する: Code First では、クラス名に基づいてテーブル名が自動的に生成されます。そのため、同じ名前のクラスが 2 つ存在すると、それぞれのクラスに対応するテーブル名が重複してしまいます。
解決策
このエラーを解決するには、以下のいずれかの方法を試すことができます。
- クラス名またはスキーマエンティティ名を変更する: 同じ名前のクラスまたはスキーマエンティティが存在しないように、クラス名またはスキーマエンティティ名を変更します。
- カスタムテーブル名またはスキーマエンティティ名を指定する: Code First では、
ToTable属性またはHasTableName属性を使用してカスタムテーブル名を指定できます。また、HasSchema属性を使用してカスタムスキーマエンティティ名を指定できます。 - 既存のオブジェクトを削除する: 既存のオブジェクトが不要な場合は、データベースから削除します。
例
以下の例は、Product という名前のクラスが 2 つ存在する場合の解決策を示しています。
// クラス名 "Product" を "NewProduct" に変更する
public class NewProduct
{
public int ProductId { get; set; }
public string ProductName { get; set; }
public decimal Price { get; set; }
}
// カスタムテーブル名を指定する
public class Product
{
[ToTable("MyProducts")]
public int ProductId { get; set; }
public string ProductName { get; set; }
public decimal Price { get; set; }
}
その他の注意点
- Code First では、大文字と小文字を区別します。そのため、同じ名前のクラスであっても、大文字と小文字が異なる場合は重複とみなされないことに注意してください。
このサンプルコードでは、Entity Framework Code First で発生する「There is already an object named in the database」エラーの解決策を具体的に示します。このエラーは、データベースに既に同じ名前のオブジェクトが存在する場合に発生します。
シナリオ
このシナリオでは、以下の2つのクラスを定義します。
Productクラス: 製品を表すクラス
Product クラスと Order クラスは、同じ名前の Id プロパティを持つため、データベースにマッピングする際にエラーが発生する可能性があります。
コード
using System.Data.Entity;
// データベースコンテキストクラス
public class MyDbContext : DbContext
{
public MyDbContext() : base("MyDatabase")
{
}
public DbSet<Product> Products { get; set; }
public DbSet<Order> Orders { get; set; }
}
// 製品クラス
public class Product
{
public int Id { get; set; } // エラーの原因となるプロパティ
public string Name { get; set; }
public decimal Price { get; set; }
}
// 注文クラス
public class Order
{
public int Id { get; set; } // エラーの原因となるプロパティ
public int CustomerId { get; set; }
public DateTime OrderDate { get; set; }
public virtual ICollection<OrderDetail> OrderDetails { get; set; }
}
エラーの解決策
方法 1: クラス名またはプロパティ名を変更する
最も簡単な解決策は、Product クラスまたは Order クラスの名前、または Id プロパティの名前を変更することです。
// クラス名を変更する
public class Product2
{
public int ProductId { get; set; }
public string Name { get; set; }
public decimal Price { get; set; }
}
// プロパティ名を変更する
public class Order
{
public int OrderId { get; set; } // プロパティ名を "OrderId" に変更
public int CustomerId { get; set; }
public DateTime OrderDate { get; set; }
public virtual ICollection<OrderDetail> OrderDetails { get; set; }
}
方法 2: カスタムテーブル名またはスキーマ名を指定する
// カスタムテーブル名を指定する
public class Product
{
[ToTable("MyProducts")]
public int Id { get; set; }
public string Name { get; set; }
public decimal Price { get; set; }
}
// カスタムスキーマ名を指定する
public class Order
{
[HasSchema("Sales")]
public int Id { get; set; }
public int CustomerId { get; set; }
public DateTime OrderDate { get; set; }
public virtual ICollection<OrderDetail> OrderDetails { get; set; }
}
方法 3: 既存のオブジェクトを削除する
注意事項
- Code First では、大文字と小文字を区別します。
方法 4: OnModelCreating メソッドを使用する
OnModelCreating メソッドを使用して、Code First がデータベースに生成するスキーマをカスタマイズできます。このメソッドを使用して、テーブル名、列名、スキーマなどを明示的に指定することで、名前の重複を回避できます。
using System.Data.Entity;
public class MyDbContext : DbContext
{
public MyDbContext() : base("MyDatabase")
{
}
protected override void OnModelCreating(ModelBuilder modelBuilder)
{
modelBuilder.Entity<Product>()
.ToTable("MyProducts"); // カスタムテーブル名を指定
modelBuilder.Entity<Order>()
.ToTable("SalesOrders"); // カスタムテーブル名を指定
}
public DbSet<Product> Products { get; set; }
public DbSet<Order> Orders { get; set; }
}
方法 5: FluentMigrator を使用する
FluentMigrator は、データベースマイグレーションを管理するためのオープンソースライブラリです。FluentMigrator を使用すると、Code First ではなく、宣言的な方法でデータベーススキーマを定義できます。これにより、名前の重複をより細かく制御できます。
public class Migration : Migration
{
public override void Up()
{
Create.Table("MyProducts")
.WithColumn("ProductId", int, primaryKey: true, identity: true)
.WithColumn("Name", string)
.WithColumn("Price", decimal);
Create.Table("SalesOrders")
.WithColumn("OrderId", int, primaryKey: true, identity: true)
.WithColumn("CustomerId", int)
.WithColumn("OrderDate", DateTime);
}
public override void Down()
{
Delete.Table("SalesOrders");
Delete.Table("MyProducts");
}
}
方法 6: 手動でデータベーススキーマを作成する
Code First をまったく使用せずに、手動でデータベーススキーマを作成することもできます。これにより、データベーススキーマを完全に制御できますが、時間がかかり、コードの保守が難しくなる可能性があります。
補足
- 上記以外にも、このエラーを解決するための方法があります。
- 最新の情報については、Entity Framework の公式ドキュメントを参照してください。
database entity-framework ef-code-first
