パフォーマンスとデータ整合性を両立させる MySQL 関数の DETERMINISTIC、NO SQL、READS SQL DATA 属性

2024-04-02

MySQL 関数の DETERMINISTIC、NO SQL、READS SQL DATA 属性について

MySQL でストアドファンクションを作成する際、DETERMINISTICNO SQLREADS SQL DATA のいずれかの属性を指定する必要があります。これらの属性は、関数がどのように動作し、バイナリログに記録されるかを決定します。

各属性の詳細

DETERMINISTIC

  • 関数が常に同じ結果を返すことを意味します。つまり、同じ入力パラメータを与えれば、常に同じ出力を生成します。
  • 外部ソース (ファイルシステム、ネットワークなど) からデータを読み取ったり、ランダム値を生成したりする関数は、DETERMINISTIC 属性を持つことができません。
  • DETERMINISTIC 属性を持つ関数は、バイナリログに確実に記録されます。

NO SQL

  • 関数が SQL データを読み取ったり書き換えたりしないことを意味します。
  • 許可されるのは、計算や文字列操作などの操作のみです。
  • NO SQL 属性を持つ関数は、バイナリログに記録されません。

READS SQL DATA

  • データの書き換えは許可されません。
  • READS SQL DATA 属性を持つ関数は、バイナリログに記録されるかどうかは、log_bin_trust_function_creators サーバ変数の設定によって異なります。

設定方法

  • 関数作成時に、DETERMINISTICNO SQLREADS SQL DATA 属性を指定できます。
  • 例:
CREATE FUNCTION my_function() RETURNS INT
DETERMINISTIC
BEGIN
  RETURN 1 + 1;
END;

注意事項

  • DETERMINISTIC 属性を持つ関数は、常に同じ結果を返す必要があるため、外部ソースからのデータ読み取りやランダム値生成は避けてください。
  • NO SQL 属性を持つ関数は、SQL データへのアクセスを行わないため、データの整合性に関する問題が発生する可能性があります。
  • READS SQL DATA 属性を持つ関数は、データを読み取るため、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

補足

  • 上記の属性は、MySQL 5.6 以降で利用可能です。
  • バイナリログは、データベースの復元やレプリケーションに使用されます。



CREATE FUNCTION my_function(x INT) RETURNS INT
DETERMINISTIC
BEGIN
  RETURN x + 1;
END;

SELECT my_function(1); -- 2 を返す
SELECT my_function(2); -- 3 を返す
CREATE FUNCTION my_function() RETURNS VARCHAR(255)
NO SQL
BEGIN
  RETURN CONCAT('Hello, ', CURRENT_USER());
END;

SELECT my_function(); -- 'Hello, ユーザ名' を返す
CREATE FUNCTION my_function(x INT) RETURNS INT
READS SQL DATA
BEGIN
  RETURN (SELECT COUNT(*) FROM table WHERE id = x);
END;

SELECT my_function(1); -- テーブル 'table' の id が 1 のレコードの数を返す

これらのサンプルコードは、各属性の動作を理解するのに役立ちます。

  • DETERMINISTIC 属性: MD5 ハッシュ関数など
  • NO SQL 属性: 文字列操作関数など



MySQL 関数の DETERMINISTIC、NO SQL、READS SQL DATA 属性の代替方法

  • 代替方法として、以下の方法が考えられます。

    • 関数内部でランダム値生成や外部ソースからのデータ読み取りを行わないようにする。
    • 関数の実行前に、必要なデータをすべてキャッシュする。
    • 関数内部で SQL データへのアクセスを行わないようにする。
    • データベース接続を必要としない別の言語で関数を記述する。
    • 関数内部で読み取るデータを最小限に抑える。
    • 読み取ったデータをキャッシュして再利用する。

その他の代替方法

  • 状況によっては、別の関数やストアドプロシージャを使用することで、これらの属性を回避できる場合があります。
  • 例えば、RAND() 関数ではなく、UUID() 関数を使用してランダム値を生成することができます。

以下の点を考慮する必要があります。

  • 関数の目的
  • パフォーマンス要件
  • データ整合性

mysql database deterministic


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