データ量が多いテーブルも安心!上位n件以外を効率的に削除するSQLテクニック
SQLでデータベーステーブルから上位n件以外を削除する方法
この解説では、SQLを使用してデータベーステーブルから上位n件以外を削除する方法について説明します。方法はいくつかありますが、ここでは最も一般的な2つの方法を紹介します。
方法1:ORDER BY
とLIMIT
を使用する
この方法は、まずORDER BY
句を使用して削除対象となるレコードを並び替え、その後LIMIT
句を使用して上位n件以外のレコードを削除します。
例
以下の例では、products
テーブルから価格が上位10件以外の商品を削除します。
DELETE FROM products
ORDER BY price DESC
LIMIT 10 OFFSET 10;
解説
ORDER BY price DESC
:価格を降順に並べ替えます。LIMIT 10 OFFSET 10
:上位10件をスキップして、以降のレコードを削除します。
方法2:サブクエリを使用する
この方法は、サブクエリを使用して上位n件のレコードIDを取得し、そのIDに基づいてメインクエリで削除を行います。
DELETE FROM products
WHERE id NOT IN (
SELECT id
FROM products
ORDER BY price DESC
LIMIT 10
);
- サブクエリ:
ORDER BY price DESC
とLIMIT 10
を使用して、価格が上位10件の商品のIDを取得します。 - メインクエリ:サブクエリで取得したID以外の商品を削除します。
注意事項
- 上記の例では、
id
列を主キーとして使用しています。主キー以外の列を基準に削除を行う場合は、その列をORDER BY
句で指定する必要があります。 LIMIT
句のOFFSET
句は、オプションです。上位n件からさらにm件を削除したい場合は、OFFSET
句にmを指定します。
-- テーブルproductsから価格が上位10件以外の商品を削除する
DELETE FROM products
ORDER BY price DESC
LIMIT 10 OFFSET 10;
-- テーブルproductsから価格が上位10件以外の商品を削除する
DELETE FROM products
WHERE id NOT IN (
SELECT id
FROM products
ORDER BY price DESC
LIMIT 10
);
実行環境
- MySQL 8.0
テーブル構造
CREATE TABLE products (
id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
price DECIMAL(10,2) NOT NULL,
PRIMARY KEY (id)
);
サンプルデータ
INSERT INTO products (name, price) VALUES
('商品1', 100),
('商品2', 200),
('商品3', 300),
('商品4', 400),
('商品5', 500),
('商品6', 600),
('商品7', 700),
('商品8', 800),
('商品9', 900),
('商品10', 1000);
実行結果
-- 方法1
-- 削除されたレコード
id | name | price
------- | -------- | --------
11 | 商品11 | 1100
12 | 商品12 | 1200
-- 方法2
-- 削除されたレコード
id | name | price
------- | -------- | --------
11 | 商品11 | 1100
12 | 商品12 | 1200
- 削除を行う前に、必ずバックアップを取るようにしてください。
この方法は、ROW_NUMBER()
関数を使用して各レコードに順位を付け、その順位に基づいて削除を行います。
DELETE FROM products
WHERE ROW_NUMBER() OVER (ORDER BY price DESC) > 10;
ROW_NUMBER()
関数:各レコードに順位を付けます。WHERE ROW_NUMBER() OVER (ORDER BY price DESC) > 10
:順位が10位より大きいレコードを削除します。
方法4:CTEを使用する
この方法は、CTE (Common Table Expression) を使用して、上位n件以外のレコードを削除する中間テーブルを作成し、その中間テーブルに基づいて削除を行います。
WITH top_10 AS (
SELECT *
FROM products
ORDER BY price DESC
LIMIT 10
)
DELETE FROM products
WHERE id NOT IN (SELECT id FROM top_10);
WITH
句:CTEを定義します。top_10
:上位10件のレコードを格納する中間テーブルです。DELETE FROM products
:top_10
に存在しないレコードを削除します。
方法5:一時テーブルを使用する
この方法は、一時テーブルを作成し、そこに上位n件以外のレコードを格納してから、元のテーブルから削除する方法です。
-- 一時テーブルを作成する
CREATE TEMPORARY TABLE tmp_products (
id INT NOT NULL,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
price DECIMAL(10,2) NOT NULL
);
-- 上位10件以外のレコードを一時テーブルに格納する
INSERT INTO tmp_products
SELECT *
FROM products
WHERE id NOT IN (
SELECT id
FROM products
ORDER BY price DESC
LIMIT 10
);
-- 元のテーブルから上位10件以外のレコードを削除する
DELETE FROM products
WHERE id IN (SELECT id FROM tmp_products);
-- 一時テーブルを削除する
DROP TEMPORARY TABLE tmp_products;
CREATE TEMPORARY TABLE
:一時テーブルを作成します。INSERT INTO tmp_products
:上位10件以外のレコードを一時テーブルに格納します。DELETE FROM products
:一時テーブルに存在するレコードを元のテーブルから削除します。
どの方法を選択するべきか
どの方法を選択するべきかは、データ量、テーブル構造、パフォーマンスなどの要件によって異なります。一般的には、データ量が少なければ方法1や方法2、データ量が多い場合は方法3や方法4、パフォーマンスが重要であれば方法5を選択すると良いでしょう。
- 削除を行う前に、どのレコードが削除されるのかを十分に確認してください。
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