SQL JOINを使いこなす: WHERE句とON句の使い分け

2024-04-05

SQL JOIN: WHERE句とON句の違い

SQL JOINは、複数のテーブルからデータを結合する強力な機能です。結合条件を指定する方法は2つあり、WHERE句とON句があります。一見似ているように見えますが、それぞれ異なる役割を果たします。

WHERE句は、結合されたテーブル全体に適用されるフィルター条件です。結合結果から特定の行を抽出するために使用されます。

例:

SELECT *
FROM employees
JOIN departments
ON employees.department_id = departments.id
WHERE employees.salary > 100000;

この例では、従業員の給与が10万円以上の従業員のみが抽出されます。

ON句は、結合するテーブル間の行をどのように一致させるかを指定します。結合条件を指定するために使用されます。

SELECT *
FROM employees
JOIN departments
ON employees.department_id = departments.id;

この例では、従業員の部門IDと部門のIDが一致する行のみが結合されます。

WHERE句とON句の違い

項目WHERE句ON句
役割結合結果のフィルタリング結合条件の指定
適用範囲結合されたテーブル全体結合するテーブル間
処理順序ON句の後ON句の前

-- WHERE句で結合結果をフィルタリング
SELECT *
FROM employees
JOIN departments
ON employees.department_id = departments.id
WHERE departments.name = 'Sales';

-- ON句で結合条件を指定
SELECT *
FROM employees
JOIN departments
ON employees.department_id = departments.id AND departments.name = 'Sales';

上記の2つの例は同じ結果を返しますが、WHERE句とON句の使い方が異なります。

WHERE句とON句は、SQL JOINで重要な役割を果たします。それぞれの役割を理解し、適切に使い分けることが重要です。




-- employeesテーブルとdepartmentsテーブルを結合する

-- 全ての列を選択
SELECT *

-- employeesテーブルとdepartmentsテーブルを結合
FROM employees
JOIN departments

-- 結合条件: employees.department_id = departments.id
ON employees.department_id = departments.id;

-- WHERE句で抽出条件を追加
-- WHERE employees.salary > 100000;

このコードは、employeesテーブルとdepartmentsテーブルを結合し、全ての列を選択します。結合条件は、employeesテーブルのdepartment_id列とdepartmentsテーブルのid列が一致することです。

WHERE句

コメントアウトされているWHERE句を追加すると、給与が10万円以上の従業員のみが抽出されます。

実行結果

| employee_id | department_id | name | salary | department_name |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | John Doe | 120000 | Sales |
| 2 | 2 | Jane Doe | 110000 | Marketing |
| 3 | 1 | Peter Smith | 100000 | Sales |

補足

  • このサンプルコードは、MySQLで動作確認しています。
  • WHERE句とON句のどちらを使用しても、同じ結果を取得できます。
  • WHERE句とON句を両方使用することも可能です。
  • 結合条件は、複数の列を比較することもできます。



SQL JOIN: WHERE句とON句以外の方法

USING句は、結合するテーブル間で共通する列を指定するために使用されます。

SELECT *
FROM employees
JOIN departments
USING (department_id);

この例では、employeesテーブルとdepartmentsテーブルのdepartment_id列が共通なので、USING句を使用して結合しています。

NATURAL JOINは、結合するテーブル間で共通する列に基づいて自動的に結合を行う方法です。

SELECT *
FROM employees
NATURAL JOIN departments;

CROSS JOINは、結合するテーブルのすべての行を結合する方法です。

SELECT *
FROM employees
CROSS JOIN departments;

この例では、employeesテーブルとdepartmentsテーブルのすべての行が結合されます。

LATERAL JOINは、サブクエリを実行した結果に基づいて結合を行う方法です。

SELECT *
FROM employees
JOIN LATERAL (
  SELECT *
  FROM departments
  WHERE department_id = employees.department_id
) AS departments
ON TRUE;

外部結合は、結合するテーブルの一方のテーブルのすべての行を結合結果に含める方法です。

-- LEFT JOIN: employeesテーブルのすべての行を結合結果に含める
SELECT *
FROM employees
LEFT JOIN departments
ON employees.department_id = departments.id;

-- RIGHT JOIN: departmentsテーブルのすべての行を結合結果に含める
SELECT *
FROM employees
RIGHT JOIN departments
ON employees.department_id = departments.id;

-- FULL JOIN: employeesテーブルとdepartmentsテーブルのすべての行を結合結果に含める
SELECT *
FROM employees
FULL JOIN departments
ON employees.department_id = departments.id;

WHERE句とON句は、SQL JOINで結合条件を指定する最も一般的な方法です。しかし、USING句、NATURAL JOIN、CROSS JOIN、LATERAL JOIN、外部結合など、他にもさまざまな方法があります。

それぞれの特徴を理解し、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。


sql join where-clause


SQL Serverのパフォーマンス向上のためのベストプラクティス

テーブルスキャンとは、テーブル内のすべてのデータを 行 ごとに読み取って検索する方法です。これは、検索条件に一致するデータがテーブルのどこに存在するかわからない場合に有効な方法です。しかし、テーブルが大きくなるほど、テーブルスキャンにかかる時間も長くなります。...


【保存版】sqliteデータベースの操作をマスターしよう!検索・置換でデータを賢く更新

手順:置換対象となる値を特定する:検索対象となる列と値を明確にします。ワイルドカード文字 (*) を使用して、部分一致検索を行うこともできます。置換対象となる値を特定する:検索対象となる列と値を明確にします。ワイルドカード文字 (*) を使用して、部分一致検索を行うこともできます。...


データベースのパフォーマンスを最大限に引き出す!SQL Server 2005 インデックス列順序の最適化

SQL Server 2005でインデックスを作成する際、列の順序はパフォーマンスに大きな影響を与えます。適切な列順序は、クエリ処理速度の向上、データ検索効率の改善、ストレージスペースの節約などに役立ちます。インデックスと列順序の関係インデックスは、テーブル内のデータの論理的な順序付けを提供します。インデックス列は、データの検索やソートに使用されるキーとなります。列順序は、インデックスがどのように使用されるかを決定します。...


SQLite3 の WHERE 句で複数の「NOT LIKE '%?%'」を追加する方法

SQLite3 の WHERE 句で複数の「NOT LIKE '%?%'」を追加するには、いくつかの方法があります。 以下では、最も一般的な方法をいくつか紹介します。方法 1: AND 演算子を使用する複数の条件を組み合わせるには、AND 演算子を使用できます。 例えば、次のクエリは、名前が "John" でも "Smith" でもないすべてのレコードを選択します。...


SQL Server: WHERE 句で参照エイリアスを使用する際の注意点と代替方法

SQL Server では、SELECT 句で計算された列エイリアスを WHERE 句 で参照することは許可されていません。これは、WHERE 句が評価される時点では、列値がまだ確定していない可能性があるためです。しかし、いくつかの状況下では、この制約を回避し、SELECT 句で計算された値を WHERE 句で使用することが可能です。以下、その方法と注意点について詳しく説明します。...


SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



INNER JOIN ON と WHERE 句: それぞれのメリットとデメリット

SQLで複数のテーブルからデータを結合する際、INNER JOIN ON と WHERE 句のどちらを使用するか迷うことがあります。どちらも同じ結果を得られる場合もありますが、それぞれ異なる動作や利点があります。INNER JOIN ON は、2つのテーブルから一致するレコードのみを結合するものです。結合条件は ON 句で指定します。