SQLとSQL Serverにおける「SELECT UNIQUE」と「SELECT DISTINCT」の違い
SQLとSQL Serverにおいて、SELECT UNIQUE
とSELECT DISTINCT
はどちらも重複する行を排除して結果セットを返すためのクエリ構文ですが、その具体的な動作や使用場面には微妙な違いがあります。
SELECT UNIQUE
- 機能: 廃止された構文です。
- 効果: 以前は、重複する行を排除して結果セットを返すために使用されていました。
- 使用: 現在では、SQL Serverでサポートされていません。
SELECT DISTINCT
- 機能: 重複する行を排除して結果セットを返す。
- 効果: 指定された列の値が重複している行を削除し、各値が一度だけ出現する結果セットを返します。
- 使用: SQL Serverで広く使用されており、重複するデータの抽出や集計処理に有効です。
例:
-- SELECT UNIQUE (廃止)
-- SELECT UNIQUE column1, column2 FROM table_name;
-- SELECT DISTINCT
SELECT DISTINCT column1, column2 FROM table_name;
要約:
SELECT UNIQUE
は廃止された構文であり、現在では使用できません。SELECT DISTINCT
は重複する行を排除し、各値が一度だけ出現する結果セットを返すために使用されます。- SQL Serverでは、
SELECT DISTINCT
が推奨される構文です。
注意:
SELECT DISTINCT
は指定された列の値に基づいて重複を判断します。すべての列の値が一致した場合のみ、行は重複とみなされます。SELECT DISTINCT
はパフォーマンスに影響を与える可能性があるため、大量のデータに対して使用する場合には注意が必要です。
SQLにおけるSELECT UNIQUE
とSELECT DISTINCT
の例と重複削除について
SELECT UNIQUE
とSELECT DISTINCT
の違いと例
SELECT UNIQUE
は、SQLの古いバージョンで重複する行を排除するために使用されていた構文ですが、現在は廃止されています。
-- 従業員テーブル(employees)
| employee_id | first_name | last_name | department |
|-------------|------------|-----------|------------|
| 1 | John | Doe | Sales |
| 2 | Jane | Smith | Marketing |
| 3 | John | Doe | Sales |
-- SELECT DISTINCTの使用例
SELECT DISTINCT first_name, last_name FROM employees;
上記のクエリを実行すると、first_name
とlast_name
の組み合わせが重複しない以下の結果が得られます。
first_name | last_name |
---|---|
John | Doe |
Jane | Smith |
解説:
SELECT DISTINCT first_name, last_name
の部分で、first_name
とlast_name
の組み合わせが重複しないように指定しています。- 上記の例では、John Doeという組み合わせが2回出現していますが、
DISTINCT
によって1回だけ表示されます。
SQLの重複削除について
SQLで重複データを削除するには、主に以下の方法が考えられます。
DELETE文を用いた重複削除
DELETE FROM employees
WHERE employee_id NOT IN (
SELECT MIN(employee_id)
FROM employees
GROUP BY first_name, last_name
);
GROUP BY
句でfirst_name
とlast_name
をグループ化し、各グループの最小のemployee_id
を取得します。NOT IN
サブクエリで、取得した最小のemployee_id
以外のレコードを削除します。
- 実際にデータを削除する前に、必ずバックアップを取るか、テスト環境で動作を確認してください。
- 誤ったクエリを実行すると、データが失われる可能性があります。
一時テーブルへの挿入
CREATE TABLE temp_employees AS
SELECT DISTINCT * FROM employees;
DROP TABLE employees;
RENAME TABLE temp_employees TO employees;
DISTINCT
を使用して重複を排除し、一時テーブルtemp_employees
に挿入します。- 元のテーブル
employees
を削除します。 - 一時テーブル
temp_employees
の名前をemployees
に変更します。
- 一時テーブルを作成する際のオーバーヘッドがあります。
- 大量のデータに対して実行する場合には、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。
SELECT DISTINCT
は、重複する行を排除して結果セットを取得する際に非常に便利な機能です。- 重複データを削除する際には、
DELETE
文や一時テーブルを用いた方法など、複数の方法があります。 - どの方法を選択するかは、データ量やシステムの制約によって異なります。
GROUP BY
句と組み合わせることで、より複雑な集計処理を行うことができます。HAVING
句を使用することで、グループ化された結果に対して条件を指定することができます。
SQLにおける重複削除の代替方法
SQLで重複データを削除する方法は、SELECT DISTINCT
以外にも様々な手法が存在します。それぞれの方法には特徴があり、状況に応じて使い分けることが重要です。
GROUP BY句を用いた重複削除
SELECT column1, column2, MIN(column3)
FROM table_name
GROUP BY column1, column2;
- メリット:
SELECT DISTINCT
よりも柔軟な集計処理が可能HAVING
句と組み合わせることで、グループごとの条件を指定できる
- デメリット:
- 複雑なクエリになりがち
DISTINCT
よりもパフォーマンスが劣る場合がある
窓関数(Window Function)を用いた重複削除
窓関数は、ある行の周辺の行に対して計算を行う関数です。ROW_NUMBER()
関数やRANK()
関数などを用いて、各行に順位を付け、順位が1の行のみを選択することで、重複削除を行うことができます。
WITH RankedData AS (
SELECT *, ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY column1, column2 ORDER BY column3) AS rn
FROM table_name
)
SELECT * FROM RankedData WHERE rn = 1;
- メリット:
GROUP BY
よりも柔軟な処理が可能- 順位に基づいた様々な処理が可能
自己結合を用いた重複削除
自己結合とは、同じテーブルを2回以上結合することで、異なる視点からデータを分析する方法です。自己結合を利用して、ある条件を満たすレコードのみを選択することで、重複削除を実現できます。
SELECT t1.*
FROM table_name t1
LEFT JOIN table_name t2
ON t1.column1 = t2.column1
AND t1.column2 = t2.column2
AND t1.id > t2.id
WHERE t2.id IS NULL;
- メリット:
- 柔軟な条件設定が可能
- 複数のテーブルを結合した処理にも応用できる
CTE(Common Table Expression)を用いた重複削除
CTEは、一時的な結果セットを作成するための機能です。CTEを利用することで、複雑なクエリを複数のステップに分けて記述し、可読性を向上させることができます。
WITH UniqueData AS (
SELECT DISTINCT column1, column2 FROM table_name
)
SELECT * FROM table_name WHERE (column1, column2) IN (SELECT column1, column2 FROM UniqueData);
- メリット:
- クエリの可読性向上
- 複雑な処理を段階的に記述できる
- デメリット:
どの方法を選ぶべきか?
最適な方法は、データの量、テーブルの構造、求められる処理の内容によって異なります。
- シンプルな重複削除:
SELECT DISTINCT
が最も簡単で効率的 - 集計処理や条件付き削除:
GROUP BY
句や窓関数が有効 - 複雑な結合条件: 自己結合が有効
- クエリの可読性向上: CTEが有効
SQLにおける重複削除には、SELECT DISTINCT
以外にも様々な方法が存在します。それぞれの方法には特徴があり、状況に応じて使い分けることが重要です。パフォーマンスやクエリの複雑さなどを考慮し、最適な方法を選択するようにしましょう。
- 各データベースシステムによって、サポートされている関数や構文が異なる場合があります。
- 大量のデータを扱う場合は、インデックスを作成することでクエリのパフォーマンスを向上させることができます。
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