AndroidにおけるSQLiteの外部キー制約とON DELETE CASCADE

2024-04-02

AndroidにおけるSQLiteの外部キー制約とON DELETE CASCADEについて

ON DELETE CASCADEオプションは、親テーブルのレコードが削除された時に、子テーブルの関連レコードも自動的に削除する機能を提供します。このオプションは、データの整合性を保ち、複雑なSQLクエリを避けるのに役立ちます。

外部キー制約の例

例えば、ユーザーテーブルと注文テーブルがあるとします。注文テーブルには、ユーザーID列があり、ユーザーテーブルのID列を参照します。この場合、ユーザーテーブルからユーザーを削除すると、注文テーブルからそのユーザーに関連するすべての注文も自動的に削除されます。

ON DELETE CASCADEを使用する利点

  • データの整合性を保ち、データの不整合を防ぐ
  • 複雑なSQLクエリを避ける
  • コードを簡潔にする

ON DELETE CASCADEを使用する際の注意点

  • 子テーブルのレコードが誤って削除される可能性がある
  • 複雑なデータ構造の場合、予期せぬ結果が発生する可能性がある

設定方法

  1. SQLiteOpenHelperクラスのonCreate()メソッドで、FOREIGN KEY制約とON DELETE CASCADEオプションを指定します。
public class MyOpenHelper extends SQLiteOpenHelper {

    public MyOpenHelper(Context context) {
        super(context, "database.db", null, 1);
    }

    @Override
    public void onCreate(SQLiteDatabase db) {
        db.execSQL("CREATE TABLE users (_id INTEGER PRIMARY KEY, name TEXT);");
        db.execSQL("CREATE TABLE orders (_id INTEGER PRIMARY KEY, user_id INTEGER, FOREIGN KEY (user_id) REFERENCES users (_id) ON DELETE CASCADE);");
    }

}
  1. PRAGMA foreign_keysONに設定します。
SQLiteDatabase db = getWritableDatabase();
db.execSQL("PRAGMA foreign_keys = ON;");



MyOpenHelper.java

public class MyOpenHelper extends SQLiteOpenHelper {

    public MyOpenHelper(Context context) {
        super(context, "database.db", null, 1);
    }

    @Override
    public void onCreate(SQLiteDatabase db) {
        db.execSQL("CREATE TABLE users (_id INTEGER PRIMARY KEY, name TEXT);");
        db.execSQL("CREATE TABLE orders (_id INTEGER PRIMARY KEY, user_id INTEGER, FOREIGN KEY (user_id) REFERENCES users (_id) ON DELETE CASCADE);");
    }

}

MainActivity.java

public class MainActivity extends AppCompatActivity {

    private SQLiteDatabase db;

    @Override
    protected void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
        super.onCreate(savedInstanceState);
        setContentView(R.layout.activity_main);

        MyOpenHelper helper = new MyOpenHelper(this);
        db = helper.getWritableDatabase();

        // データ挿入
        db.execSQL("INSERT INTO users (_id, name) VALUES (1, 'John Doe');");
        db.execSQL("INSERT INTO orders (_id, user_id) VALUES (1, 1);");

        // ユーザー削除
        db.execSQL("DELETE FROM users WHERE _id = 1;");

        // 確認
        Cursor cursor = db.rawQuery("SELECT * FROM orders", null);
        while (cursor.moveToNext()) {
            int id = cursor.getInt(0);
            int userId = cursor.getInt(1);
            Log.d("MainActivity", "id: " + id + ", user_id: " + userId);
        }
        cursor.close();
    }

}

このコードを実行すると、usersテーブルからユーザーが削除されると、ordersテーブルからそのユーザーに関連するすべての注文も自動的に削除されます。

注意事項

このサンプルコードはあくまでも参考です。実際のアプリ開発では、必要に応じてコードを変更する必要があります。




ON DELETE CASCADE 以外の方法

ON DELETE RESTRICT

設定方法

db.execSQL("CREATE TABLE orders (_id INTEGER PRIMARY KEY, user_id INTEGER, FOREIGN KEY (user_id) REFERENCES users (_id) ON DELETE RESTRICT);");

注意点

このオプションを使用すると、親テーブルのレコードを削除しようとすると、SQLiteConstraintExceptionが発生する可能性があります。

ON DELETE SET NULL

ON DELETE SET NULLオプションは、親テーブルのレコードが削除された時に、子テーブルの関連レコードのuser_id列をNULLに設定します。

db.execSQL("CREATE TABLE orders (_id INTEGER PRIMARY KEY, user_id INTEGER, FOREIGN KEY (user_id) REFERENCES users (_id) ON DELETE SET NULL);");

このオプションを使用すると、子テーブルのレコードにNULL値が含まれる可能性があります。

トリガーを使用して、親テーブルのレコードが削除された時に、子テーブルの関連レコードを処理することもできます。

トリガーの作成例

db.execSQL("CREATE TRIGGER delete_order_on_user_delete BEFORE DELETE ON users "
    + "FOR EACH ROW BEGIN "
    + "DELETE FROM orders WHERE user_id = OLD._id; "
    + "END;");

トリガーを使用するには、SQLiteのトリガー機能に関する知識が必要です。

どの方法を選択するべきかは、データ構造やアプリケーションの要件によって異なります。

  • データの整合性を保ちたい場合は、ON DELETE RESTRICTまたはON DELETE CASCADEを使用します。
  • 子テーブルのレコードにNULL値を含めることが許容される場合は、ON DELETE SET NULLを使用します。
  • より複雑な処理が必要な場合は、トリガーを使用します。

java android sqlite


IF EXISTSなしでSQLiteテーブルを削除:古いバージョンのデータベースでも安心

SQLite の古いバージョンでは、IF EXISTS 句がサポートされていません。これは、テーブルが存在するかどうかを確認してから削除しようとする場合に問題となります。このチュートリアルでは、IF EXISTS を使用せずに SQLite の古いバージョンでテーブルを削除する方法について説明します。...


プログラマー必見!SQLite ソースコードを読み解くためのステップバイステップガイド

そこで今回は、C言語やSQLiteの知識がなくても、SQLiteソースコードを読み始めるためのステップをご紹介します。準備C言語の基礎知識の習得: 少なくとも、変数、データ型、演算子、制御フローなどの基本的な概念を理解しておく必要があります。...


【初心者でも安心】SQLite の挿入パフォーマンスを向上させるためのチュートリアル

バッチ挿入を使用する1 行ずつデータを挿入するのではなく、バッチ挿入を使用して一度に複数の行を挿入します。 これにより、データベースとのやり取りを減らし、オーバーヘッドを削減できます。準備されたステートメントを使用する毎回新しい SQL ステートメントを作成する代わりに、準備されたステートメントを使用します。 これにより、SQLite がクエリを解析およびコンパイルするオーバーヘッドを削減できます。...