SQLの一時テーブルへのデータ挿入のコード例解説

2024-08-28

SQLで一時テーブルにクエリ結果を挿入する

一時テーブルは、データベース内で一時的なデータの保存に使用されるオブジェクトです。クエリ結果を一時テーブルに挿入することで、後続の処理や分析に利用することができます。

SQL Serverでの基本的な構文

SQL Serverでは、以下の構文を使用して一時テーブルを作成し、クエリ結果を挿入します。

CREATE TABLE #TableName (
    ColumnName1 DataType,
    ColumnName2 DataType,
    -- ...
);

INSERT INTO #TableName
SELECT Column1, Column2, -- ...
FROM SourceTable
WHERE Condition;
  • #TableName: 一時テーブルの名前。ハッシュマーク(#)で始まる名前を使用します。
  • ColumnName: 一時テーブルの列名とデータ型。
  • SourceTable: クエリを実行する対象のテーブル。
  • Condition: クエリでフィルタリングする条件。

-- 一時テーブルを作成
CREATE TABLE #CustomerOrders (
    OrderID INT,
    CustomerID INT,
    OrderDate DATE
);

-- クエリ結果を挿入
INSERT INTO #CustomerOrders
SELECT OrderID, CustomerID, OrderDate
FROM Orders
WHERE OrderDate >= '2024-01-01' AND OrderDate <= '2024-12-31';

この例では、Ordersテーブルから2024年の注文データを抽出し、#CustomerOrdersという一時テーブルに挿入します。

SSMS(SQL Server Management Studio)での使用

SSMSでは、クエリウィンドウで上記の構文を入力し、実行ボタンをクリックすることで、一時テーブルの作成とクエリの実行が実行されます。

注意:

  • 一時テーブルは、セッションが終了すると自動的に削除されます。
  • 一時テーブルは、他のセッションからはアクセスできません。



SQLの一時テーブルへのデータ挿入のコード例解説

コード例1:基本的な挿入

CREATE TABLE #TempCustomer (
    CustomerID INT,
    CustomerName NVARCHAR(50),
    City NVARCHAR(30)
);

INSERT INTO #TempCustomer
SELECT CustomerID, CustomerName, City
FROM Customers
WHERE Country = 'Japan';

解説:

  1. 一時テーブルの作成: #TempCustomerという名前の一時テーブルを作成し、CustomerID, CustomerName, Cityという3つの列を定義しています。
  2. データの挿入: Customersテーブルから、国が「Japan」である顧客のデータを抽出し、作成した一時テーブルに挿入しています。

コード例2:集計結果の挿入

CREATE TABLE #SalesByYear (
    Year INT,
    TotalSales MONEY
);

INSERT INTO #SalesByYear
SELECT YEAR(OrderDate) AS Year, SUM(Total) AS TotalSales
FROM Orders
GROUP BY YEAR(OrderDate);
  1. 一時テーブルの作成: #SalesByYearという名前の一時テーブルを作成し、YearTotalSalesという2つの列を定義しています。
  2. 集計結果の挿入: Ordersテーブルの注文データを年別に集計し、合計売上を計算して一時テーブルに挿入しています。

コード例3:複数のテーブルからの結合と挿入

CREATE TABLE #CustomerOrders (
    OrderID INT,
    CustomerID INT,
    ProductName NVARCHAR(100)
);

INSERT INTO #CustomerOrders
SELECT O.OrderID, O.CustomerID, P.ProductName
FROM Orders AS O
INNER JOIN Products AS P ON O.ProductID = P.ProductID;
  1. 一時テーブルの作成: #CustomerOrdersという名前の一時テーブルを作成し、OrderID, CustomerID, ProductNameという3つの列を定義しています。
  2. 複数のテーブルの結合: OrdersテーブルとProductsテーブルを結合し、注文情報と商品情報を組み合わせた結果を一時テーブルに挿入しています。

コード例4:サブクエリを使用した挿入

CREATE TABLE #TopCustomers (
    CustomerID INT,
    CustomerName NVARCHAR(50)
);

INSERT INTO #TopCustomers
SELECT CustomerID, CustomerName
FROM Customers
WHERE CustomerID IN (
    SELECT CustomerID
    FROM Orders
    GROUP BY CustomerID
    HAVING COUNT(*) > 10
);
  1. サブクエリを使用したフィルタリング: サブクエリで10回以上注文した顧客のIDを取得し、その結果をもとに元のテーブルから顧客情報を抽出して一時テーブルに挿入しています。

SSMSでの実行

これらのコードをSQL Server Management Studio (SSMS)のクエリウィンドウに貼り付けて実行することで、一時テーブルの作成とデータの挿入を行うことができます。

一時テーブルの利用例

  • 複雑なクエリの中間結果の保存: 一時テーブルに部分的な結果を保存することで、クエリを分割し、可読性を向上させることができます。
  • 集計結果の保存: 集計結果を一時テーブルに保存し、後続の処理で利用することができます。
  • 複数のクエリで共通して使用するデータの保存: 一度だけデータを抽出して一時テーブルに保存しておけば、複数のクエリで再利用できます。

注意点

さらに詳しく知りたい場合は、以下のキーワードで検索してみてください。

  • SQL 一時テーブル
  • SQL Server 一時テーブル
  • SQL INSERT INTO
  • SQL SELECT



Common Table Expression (CTE) の利用

  • 特徴:
    • クエリ内で一時的な結果セットを定義できる。
    • 一時テーブルと異なり、明示的にDROPする必要がない。
    • 複雑な階層構造を持つデータを扱う場合に有効。
  • 例:
    WITH SalesByYear AS (
        SELECT YEAR(OrderDate) AS Year, SUM(Total) AS TotalSales
        FROM Orders
        GROUP BY YEAR(OrderDate)
    )
    SELECT * FROM SalesByYear
    WHERE TotalSales > 1000000;
    
  • メリット:
    • クエリの可読性向上
    • 一時テーブルよりも軽量な処理

一時関数 (SQL Server) の利用

  • 特徴:
    • スカラー値関数またはテーブル値関数を定義し、再利用可能なロジックとして扱う。
    • 複雑な計算やロジックをカプセル化できる。
  • 例:
    CREATE FUNCTION GetTopCustomers()
    RETURNS TABLE
    AS
    RETURN (
        SELECT TOP 10 CustomerID, CustomerName
        FROM Customers
        ORDER BY TotalSales DESC
    );
    
    SELECT * FROM GetTopCustomers();
    
  • メリット:
    • モジュラー化によるコードの再利用性向上
    • 複雑なロジックの隠蔽

Temporary Table (MySQL) の利用

  • 特徴:
    • セッションが終了すると自動的に削除される一時テーブル。
    • SQL Serverの一時テーブルと似た概念。
  • 例:
    CREATE TEMPORARY TABLE temp_customers (
        CustomerID INT,
        CustomerName VARCHAR(50)
    );
    
  • メリット:

変数への代入 (SQL Server)

  • 特徴:
    • 単一の値を格納する変数。
    • 集計結果などを一時的に保持する。
  • 例:
    DECLARE @TotalSales INT;
    
    SELECT @TotalSales = SUM(Total)
    FROM Orders;
    
  • メリット:
    • シンプルな値の保持

テーブル変数 (SQL Server)

  • 特徴:
    • テーブル型の変数。
    • 一時テーブルと似ているが、より柔軟な定義が可能。
  • 例:
    DECLARE @TempTable TABLE (
        CustomerID INT,
        CustomerName NVARCHAR(50)
    );
    
  • メリット:

選択基準

  • データの複雑さ: 複雑な計算や階層構造の場合はCTEや一時関数
  • コードの再利用性: 再利用可能なロジックは一時関数
  • 永続性: セッション間で保持する必要がある場合は永続的なテーブル
  • パフォーマンス: 大量のデータを扱う場合はインデックス付きの一時テーブルやCTEが有効
  • 可読性: クエリの可読性を重視する場合はCTE

一時テーブルは汎用的な手法ですが、状況に応じてより適切な方法を選択することで、クエリの性能や可読性を向上させることができます。各手法の特徴を理解し、適切な方法を選択することで、より効率的なデータ処理を実現しましょう。

  • 上記以外にも、特定のデータベースシステムで提供される独自機能が存在する場合があります。
  • パフォーマンスチューニングの観点からは、インデックスの作成やクエリの最適化も重要です。

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