Autovacuumが動いている? 知りたい時に役立つ確認方法5選(PostgreSQL & UNIX環境)
UNIX環境でPostgreSQLのAutovacuumが実行されているかどうかを確認する方法
Autovacuumが適切に実行されていることを確認することは、データベース管理において重要です。ここでは、UNIX環境でAutovacuumが実行されているかどうかを確認する方法をいくつか紹介します。
pg_stat_all_tablesビューを使用する
pg_stat_all_tables
ビューには、各テーブルに関する統計情報が含まれています。このビューを使用して、Autovacuumが最後に実行された時間と、実行された回数を確認できます。
SELECT relname,
last_autovacuum,
autovacuum_count
FROM pg_stat_all_tables;
このクエリを実行すると、次のような出力が得られます。
relname | last_autovacuum | autovacuum_count
-------+-----------------+-----------------
table1 | 2024-07-03 23:20:00 | 1
table2 | 2024-07-03 22:50:00 | 0
table3 | 2024-07-03 23:05:00 | 2
この例では、table1
とtable3
に対してAutovacuumが実行されており、table2
に対しては実行されていないことがわかります。
pg_statsinfo拡張を使用する
pg_statsinfo
拡張は、PostgreSQLの統計情報を収集してレポートを生成するツールです。この拡張を使用して、Autovacuumの実行履歴を確認できます。
SELECT * FROM pg_stat_user_tables;
stat_table_id | stat_type | last_vacuum | last_autovacuum | last_analyze | idx_vacuum_count | idx_analyze_count
--------------+-----------+------------+-----------------+--------------+-----------------+------------------
1 | VACUUM | 2024-07-03 23:20:00 | 2024-07-03 23:20:00 | 2024-07-03 23:20:00 | 0 | 0
2 | VACUUM | 2024-07-03 22:50:00 | 2024-07-03 22:50:00 | 2024-07-03 22:50:00 | 0 | 0
3 | VACUUM | 2024-07-03 23:05:00 | 2024-07-03 23:05:00 | 2024-07-03 23:05:00 | 2 | 0
この例では、table1
、table2
、table3
に対してAutovacuumが実行されており、それぞれの実行日時を確認できます。
PostgreSQLログを確認する
PostgreSQLログには、Autovacuumの実行に関する情報が含まれています。ログを確認することで、Autovacuumがいつ実行されたのか、どのテーブルに対して実行されたのかを確認できます。
[2024-07-03 23:20:00] AUTOVACUUM: Vacuuming table "table1"
[2024-07-03 22:50:00] AUTOVACUUM: Vacuuming table "table2"
[2024-07-03 23:05:00] AUTOVACUUM: Vacuuming table "table3"
上記のログエントリは、table1
、table2
、table3
に対してAutovacuumが実行されたことを示しています。
pg_stat_activityビューを使用する
pg_stat_activity
ビューには、現在実行中のPostgreSQLセッションに関する情報が含まれています。このビューを使用して、Autovacuumが現在実行されているかどうかを確認できます。
SELECT * FROM pg_stat_activity
WHERE datname = 'mydatabase' AND pid != pg_backend_pid();
SELECT relname,
last_autovacuum,
autovacuum_count
FROM pg_stat_all_tables;
このコードは、pg_stat_all_tables
ビューを使用して、各テーブルに関する統計情報を出力します。出力結果には、各テーブルに対してAutovacuumが最後に実行された日時と、実行された回数が含まれます。
SELECT * FROM pg_stat_user_tables;
このコードは、pg_statsinfo
拡張を使用して、Autovacuumの実行履歴を出力します。出力結果には、各テーブルに対してAutovacuumが最後に実行された日時と、実行された回数、インデックスのvacuumとanalyzeの回数などが含まれます。
grep AUTOVACUUM /var/log/postgresql/postgresql-14-main.log
このコードは、/var/log/postgresql/postgresql-14-main.log
ファイル(PostgreSQL 14の場合)をgrep
コマンドを使用して検索し、Autovacuumに関するログエントリを出力します。出力結果には、Autovacuumが実行された日時、実行されたテーブル名などが含まれます。
SELECT * FROM pg_stat_activity
WHERE datname = 'mydatabase' AND pid != pg_backend_pid();
このコードは、pg_stat_activity
ビューを使用して、現在のデータベース (mydatabase
) で実行されているすべてのセッション情報を取得します。出力結果には、各セッションのPID、実行しているクエリ、実行ユーザーなどが含まれます。pid
列の値がPostgreSQLのバックエンドプロセス (pg_backend_pid()
) と異なるセッションは、Autovacuumを含む他のタスクを実行している可能性があります。
- PostgreSQLログのファイル名は、PostgreSQLのバージョンとインストール方法によって異なる場合があります。
pg_statsinfo
拡張は、デフォルトではインストールされていません。インストールするには、pg_statsinfo
パッケージをインストールする必要があります。- 上記のコードは、PostgreSQL 14を想定しています。他のバージョンを使用している場合は、必要に応じてコードを変更してください。
ZabbixやNagiosなどのシステム監視ツールを使用すると、Autovacuumの実行状況を監視できます。これらのツールは、Autovacuumの実行時間、実行されたテーブル数、実行された操作の種類などの情報を収集することができます。
pgBadgerを使用する
pgBadgerは、PostgreSQLのログファイルを分析するツールです。pgBadgerを使用すると、Autovacuumの実行に関する情報を抽出し、レポートを生成することができます。
独自のスクリプトを作成する
独自のスクリプトを作成して、Autovacuumの実行状況を監視することもできます。この方法では、必要な情報のみを取得し、必要な形式で出力することができます。
最適な方法の選択
最適な方法は、ニーズと環境によって異なります。以下の点を考慮して選択してください。
- 技術的な専門知識: システム監視ツールやpgBadgerを使用するには、ある程度の技術的な専門知識が必要となります。
- 必要な情報: 特定の情報のみが必要な場合は、独自のスクリプトを作成する方が効率的です。
- 監視対象の数: 監視対象のデータベースが多数ある場合は、システム監視ツールを使用する方が効率的です。
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